橘亜季@『男はスカートをはいてはいけないのか?』の著者

キャリアコンサルタント。10代で初めてコラムを書き、労動法やキャリアをめぐる寄稿多数。…

橘亜季@『男はスカートをはいてはいけないのか?』の著者

キャリアコンサルタント。10代で初めてコラムを書き、労動法やキャリアをめぐる寄稿多数。現在のジェンダー、男らしさ・女らしさ、ファッションなどのテーマについて、キャリア、法律、社会、文化、歴史などの観点から問う。修士(文学)。著書『男はスカートをはいてはいけないのか?』

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固定された記事

なぜ男性だけスーツを着なければならないのか?

なぜ、多くのビジネスシーンにおいて、男性だけスーツを着なければならないのか? これは私が子どもの頃からずっと抱えてきた疑問です。 毎朝の満員電車の中は、季節を問…

出版1周年記念会 in 大阪の開催報告①

前にnotoでもご案内していましたが、出版1周年記念会 in 大阪の開催が無事に終了しました。あいにくのお天気の中、狭い会場の中にぎっしりとお集まりくださいまして、本当…

性別二元論を超えたキャリア構築を。

キャリアコンサルタントとして人並みにさまざまなキャリアの現場を見ていると、思うことがあります。 いわゆるZ世代に象徴的にみられるような、若い世代特有の特徴や課題…

電車で隣に座ってくる男はキモいのか?

最近、電車で隣に座ってくる男はキモいというテーマで、SNSが炎上したそうです。 男性の意見と女性の意見とで、真っ向から対立しているようですね。 多くの男性の意見。 …

“性差”の考え方と人間関係のあり方。

多様性の時代の中で、ジェンダーにとらわれずに自由に生きることが推奨される時代。 年金や税金の仕組み、労働をとりまくルールにとどまらず、私たちの生活をめぐっては、…

ノンバイナリ―スタイルブック。

今までありそうで、なかった本。 そんな本って、結構世の中に多いと思います。 週末の書店をぶらぶらしていて、思いがけず「これだ!」と声が出てしまった一冊。 山内尚…

出版1周年記念会 in 大阪を開催します。

春らんまんの週末、みなさんいかがお過ごしでしょうか? 今年の桜もすっかり満開で、最高の週末になりましたね。 お花見に行けた人も、行けなかった人も、ぜひこの春の陽…

なぜ「ジェンダー」がテーマになるのか?

最近、ひと昔前と比べても、毎日のように「ジェンダー」にまつわる情報が多いなと感じます。 それはきっと私が興味をもったり発信しているからだけではなくて、現に今の世…

あえて逆の立場から考えることの大切さ

ジェンダーについて自分なりにいろいろと発信していると、やはりいろいろな意見をいただくことがあります。 それ自体はとても嬉しいことだし、かかわるお互いにとって有意…

女の生きづらさ、男の生きづらさは「コインの裏表」

3月8日は国際女性デーでした。 最近はかなり知名度が高くなってきたと思いますが、女性の人権や生き方を考える日であると同時に、男性の目線からジェンダーに向き合うよ…

女ことば、男ことばの違いと限界。

同じ日本語でも地域によってさまざまな方言がありますし、年齢やカルチャーによって言葉遣いや語彙選びはかなり幅が出るものですが、その違いは男女においても顕著かもしれ…

人間は見た目だけで男か女か分かりにくい人がいるから、わざわざ服装や髪型を分けるのだと思う。私は性差を超えた自由なファッションが好き。勝手に着ちゃダメと思ってた頃は知らなかったけど、本当にオシャレだし楽しいし奥深い。理屈抜きに新たな世界が芽生える。根拠なく規制する人の気がしれない。

ジェンダーイベントでトイレ問題?

最近、いろいろなところでトイレが話題になっています。 私自身がジェンダーをめぐるテーマに興味があるからということもありますが、社会的な関心もそのように感じます。 …

ファッションの自由がもたらすメリット

これだけ男女平等という世の中でも、実際には男女差別は存在します。 社会的な仕組みや経済活動においても、日本はいまだ男女差別が根強い国です。 あらゆる差別は、目に…

生まれ変わったらどちらの性別がよいか?

生まれ変わったら、男性と女性、どちらの性別がよいか? これは古今東西を問わず、永遠のテーマだと思います。 今の時代、男性と女性とでは、どちらが生きやすいのか? も…

麻生副総裁の問題発言に考える。

自民党の麻生副総裁(元首相)の問題発言が、話題になっています。麻生氏の発言が物議を醸すのはめずらしいことではありませんが、今回の発言は趣旨もタイミングも相当深刻…

なぜ男性だけスーツを着なければならないのか?

なぜ男性だけスーツを着なければならないのか?

なぜ、多くのビジネスシーンにおいて、男性だけスーツを着なければならないのか?

これは私が子どもの頃からずっと抱えてきた疑問です。

毎朝の満員電車の中は、季節を問わず画一的なデザインや色彩のスーツ姿の男性ばかりでぎっしり。

一方、女性たちに目を移すと、夏は涼しげに軽快に、冬は暖かく体を包み込むように、四季に応じた個性豊かなドレスコード。

こんな光景は見慣れた日常。そう思う人は多いでしょうが、

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出版1周年記念会 in 大阪の開催報告①

出版1周年記念会 in 大阪の開催報告①

前にnotoでもご案内していましたが、出版1周年記念会 in 大阪の開催が無事に終了しました。あいにくのお天気の中、狭い会場の中にぎっしりとお集まりくださいまして、本当にありがとうございました。あらためて、お礼申し上げます。

せっかくですので、当日のご報告を簡単に行いたいと思います。今回は共著者の神田くみさんと私のほか、ゲスト講師に関西ブライダルミッションの岸本誠さんをお迎えして開催しました。ま

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性別二元論を超えたキャリア構築を。

性別二元論を超えたキャリア構築を。

キャリアコンサルタントとして人並みにさまざまなキャリアの現場を見ていると、思うことがあります。

いわゆるZ世代に象徴的にみられるような、若い世代特有の特徴や課題が年々顕在化しつつある。

人生100年へのトレンドの変化の中で、中高年齢者のキャリアの理想と現実との乖離が深刻化しつつある。

そして、国際的にもジェンダーギャップが問題視されている日本においては、女性活躍の遅れは想像以上に重いテーマ。

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電車で隣に座ってくる男はキモいのか?

電車で隣に座ってくる男はキモいのか?

最近、電車で隣に座ってくる男はキモいというテーマで、SNSが炎上したそうです。

男性の意見と女性の意見とで、真っ向から対立しているようですね。

多くの男性の意見。

「自由席だからどの席に座わるかはそもそも自由」
「いろいろと意見をいうのなら、指定席を取ったらいい」
「男性だからという括りで論じるのは、そもそも属性差別」
「女性だけ配慮してもらえると思う方が不思議」
「投稿した女性の撮影した画

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“性差”の考え方と人間関係のあり方。

“性差”の考え方と人間関係のあり方。

多様性の時代の中で、ジェンダーにとらわれずに自由に生きることが推奨される時代。

年金や税金の仕組み、労働をとりまくルールにとどまらず、私たちの生活をめぐっては、少なくとも建て前としては男女平等が実現しているといえます。

一方で、生物学的には男と女の2種類を基礎としている事実は変わらず、社会的な仕組みも基本は男女の枠組みで成り立っています。

「男だから~」「女だから~」という古典的なジェンダー

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ノンバイナリ―スタイルブック。

ノンバイナリ―スタイルブック。

今までありそうで、なかった本。
そんな本って、結構世の中に多いと思います。

週末の書店をぶらぶらしていて、思いがけず「これだ!」と声が出てしまった一冊。

山内尚さんの『ノンバイナリ―スタイルブック』(柏書房)。

まさに、こんな本が欲しかった。もっと早くに出会いたかった。
そう思わされる、典型だと思います。

最近は、ジェンダーに関する本も、まあまあ出ています。
だから、「ノンバイナリ―」につ

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出版1周年記念会 in 大阪を開催します。

出版1周年記念会 in 大阪を開催します。

春らんまんの週末、みなさんいかがお過ごしでしょうか?
今年の桜もすっかり満開で、最高の週末になりましたね。

お花見に行けた人も、行けなかった人も、ぜひこの春の陽気からパワーをもらって、明日からも頑張っていきたいですね!

早いもので、初めての書籍を出版させていただいてから、1年になります。
昨年の今ごろは不慣れなことばかりでバタバタの毎日でしたが、本を通じていろいろな方と出会い、ご縁をいただいた

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なぜ「ジェンダー」がテーマになるのか?

なぜ「ジェンダー」がテーマになるのか?

最近、ひと昔前と比べても、毎日のように「ジェンダー」にまつわる情報が多いなと感じます。

それはきっと私が興味をもったり発信しているからだけではなくて、現に今の世の中の時流なんだと思います。

なぜ、こんな時代になったのでしょうか?

俗にいわれるように、「女性が強くなった」「人権意識が高まった」「国際的な流れ」などもあるかもしれませんが、もっと根本的な問題があるように思います。

結論からいえば

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あえて逆の立場から考えることの大切さ

あえて逆の立場から考えることの大切さ

ジェンダーについて自分なりにいろいろと発信していると、やはりいろいろな意見をいただくことがあります。

それ自体はとても嬉しいことだし、かかわるお互いにとって有意義なことだと思いますが、ときには誤解と偏見にもとづく意見だったり、かなり一方的で攻撃的なものだったりするときがあります。

私はふだんはわりと冷静な性格なほうだと思いますし、とくに書くという行為の際には十分に表現に気をつけているつもりです

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女の生きづらさ、男の生きづらさは「コインの裏表」

女の生きづらさ、男の生きづらさは「コインの裏表」

3月8日は国際女性デーでした。
最近はかなり知名度が高くなってきたと思いますが、女性の人権や生き方を考える日であると同時に、男性の目線からジェンダーに向き合うようなイベントも少し見られ、時代の変化を感じました。

ジェンダーについて、今は本当に多くの発信があり、毎日のように各地でセミナーやイベントがあります。
私もたまに参加しますが、有意義な内容のものも多いし、問題意識の高い方も多いので、毎回のよ

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女ことば、男ことばの違いと限界。

女ことば、男ことばの違いと限界。

同じ日本語でも地域によってさまざまな方言がありますし、年齢やカルチャーによって言葉遣いや語彙選びはかなり幅が出るものですが、その違いは男女においても顕著かもしれません。

今はむかしのように、男性は男ことば、女性は女ことばという教育を受けるわけではありませんし、飛行機の機内アナウンスなどでも「ladies and gentleman」といった呼びかけはなくなりつつありますが、それでも慣例によって、

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人間は見た目だけで男か女か分かりにくい人がいるから、わざわざ服装や髪型を分けるのだと思う。私は性差を超えた自由なファッションが好き。勝手に着ちゃダメと思ってた頃は知らなかったけど、本当にオシャレだし楽しいし奥深い。理屈抜きに新たな世界が芽生える。根拠なく規制する人の気がしれない。

ジェンダーイベントでトイレ問題?

ジェンダーイベントでトイレ問題?

最近、いろいろなところでトイレが話題になっています。
私自身がジェンダーをめぐるテーマに興味があるからということもありますが、社会的な関心もそのように感じます。

とくに性別について深く考えたり、こだわったりすることがなくても、自由な表現をとりたいと願ったり、あるいは多様なカルチャーを持つ人と一緒に過ごすことだってあると思います。

私たちがふつうに社会生活を送っていて、ジェンダーを意識するのは、

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ファッションの自由がもたらすメリット

ファッションの自由がもたらすメリット

これだけ男女平等という世の中でも、実際には男女差別は存在します。

社会的な仕組みや経済活動においても、日本はいまだ男女差別が根強い国です。

あらゆる差別は、目に見える表層と目に見えない意識とが奥底でつながっています。

目に見えるものの代表が、服飾・ファッションです。

私たちは、社会的なシステムの中で活動するとき、必ず男性と女性に分けられ、それぞれそれに見合った服装をすることが求められます。

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生まれ変わったらどちらの性別がよいか?

生まれ変わったらどちらの性別がよいか?

生まれ変わったら、男性と女性、どちらの性別がよいか?
これは古今東西を問わず、永遠のテーマだと思います。

今の時代、男性と女性とでは、どちらが生きやすいのか?
もし、生まれ変われるとしたら、どちらに生まれたいか?

「トインク(TOINK)」(株式会社トイント、京都市伏見区)は、2023年12月にインターネット上でこんな統計調査を実施しました。

「生まれ変わるなら”男性”と”女性”のどちらがい

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麻生副総裁の問題発言に考える。

麻生副総裁の問題発言に考える。

自民党の麻生副総裁(元首相)の問題発言が、話題になっています。麻生氏の発言が物議を醸すのはめずらしいことではありませんが、今回の発言は趣旨もタイミングも相当深刻であるため、国際的にも問題視されています。

上川外務大臣のことを評して、「そんなに美しい方とは言わない」とした言葉は、氏の地元福岡での講演という公の檀上での発言であり、必ずしもメディアによる切り取りとか意図的な編集がなされたものとはいい難

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