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小さな小さな蕾のおはなし
小説にするには浅く、思い出として残すには濃いそんな話。
好きと伝えるには淡すぎる気持ちを持った19歳の夏。
推しに似たその人に会える夜のバイトがとても楽しかった。
同じバイト先の先輩。まだ未成年の私には、4つ年上の彼がとても大人に思えた。
基本塩対応なその人は、私の話なんて聞いてない様に見えて、ちゃんと考えてくれるそんな不器用な優しさを持っていた。
バイトが終わる深夜0時から3時まで話し
Nem'oubliez pas
街灯が灯る夜半過ぎ、職場の飲み会の帰り道。
職場の新年会だった飲み会の席で、お酒が得意ではない私は、黙々と食べた。そして一緒に帰ってる相模くんも下戸なため、私の隣に座って、いつもの様に、読んだ本、観た映画の話を一方的に私に聞かせてくれた。時々、唐揚げや厚揚げ豆腐を無理矢理口に押し込んで黙らせる。そんなやりとりに慣れた職場のみんなは、見事に私たちをスルーしていた。
沢山美味しいものが食べれたし明
青い春とはよく言ったものだ
不思議なことに、良い記憶というのは時が経てば経つほどに美しく彩られていくものである。
かく言う私にも、平凡ではあるが良い記憶というものが存在している。
あれは、女子高生という総称が当てハマるうら若い時分。青春に相応しいはずの登下校時、青春には程遠く1人で過ごしていた。
語弊が無いように補足しておくと、数人の仲の良い友人はいる。
学校から駅の道中15分、父親に買ってもらった赤いMP3ウォークマン