最近の記事

羽化

私にはおそらく、慢性的な記憶障害と認識障害がある。 特別な診断を受けたわけではないが、おそらくそうなんだろうと自覚している。 認識障害というのは、人の顔をみて顔の造形を記憶しておくこと、またその人の名前を覚えるのが著しく苦手であるということで、 記憶障害はそこにもあるだろうが、 私は普遍的なものに関しての記憶力は特に問題ないが、波打つ海のように変わりゆくものを記憶することに困難を抱えている。 私は小さい頃から学校教育で施されるような勉強は得意な方だった。 特段時間を費や

    • また明日

      また、明日。 どこにでも転がっていそうな言葉で、 別に何の意味もなく、ほぼ挨拶のような希薄さで紡ぎ出されるような言葉。 私はこの言葉を、24年経ってやっと信じることができた。 私にその言葉をかけた人間に対して信用すると言う意味ではない。 私にも、明日、来週、1ヵ月後、来年。 そーゆー数値でわかりやすく見えるような将来を信用することができたという意味だ。 私は小さな頃から何度も殺されそうになりながら生きてきた。 小学校に上がるとランドセルを買わなければいけないから、その

      • 心象

        私は自分の撮影した写真が好きだ。 おごるわけでは無いけど、何回かコンクールに受賞としているし、それなりにうまい方なんだと思う。 自分が撮りたいものと、どういう風に写したいかと言う軸がしっかり決まっているからだと思う。 高校生の時に、初めてカメラを手にした時、 私は嬉しくて、嬉しくてたまらなかった。 もともと引っ越しをたくさんする家庭だったから、 移り変わっていく景色や、もう二度と来れないかもしれない。景色をデータに残せるということは本当に嬉しかった。 でも、今は真逆で

        • HMVワーポ ゆずアルバム作品コメントまとめ 後編

          はじめにこれを書くに至った経緯など、詳しい事と、前編の記事は以下こちら。 暇で暇で仕方ない時見てみてください。 経緯 前編 それじゃあ、元気に後半やっていこう〜 LAND 新世界 TOWA BIG YELL YUZUTOWN PEOPLE SEES GOING HOME ゆずのね 1997〜2007 YUZU YOU 2006-2011 ゆずイロハ ※ゆずイロハのCDが公式サイトでもHMVでもなかったのでAmazonから失礼します。 これにて、ゆずアルバ

          遺所

          私は、きっと、1人で死んでいくんだと思う。 森の動物がそうであるように、私もきっと、誰にも看取られず死んでいくんだと、幼い頃から思っていた。 それは、私が不登校児だったからでも、虐待サバイバーだったからでもなく、 道端に転がっている蟻の死骸を見て、4歳の頃にそう思った。 そもそも、人間は1人で生きていかなければならない。逆説的に言えば、人間は1人で死んでいかなければいけな。 呼吸をするのも、食べたものを消化するのも、誰かの手を借りてはできない。 逆に言えば、呼吸を止めるこ

          HMVワーポ ゆずアルバム作品コメントまとめ 前編

          これを書くに至った経緯など、詳しい事は前回の記事に書いてあるのでそちらを参照してください。 それじゃあ、早速書き起こしていこう ゆずの素ゆずマンゆず一家 ゆずえん トビラ ユズモア すみれ 1 〜ONE〜 リボン WONDERFUL WORLD FURUSATO 2 -NI-※CD買えるサイトが見つかりませんでした。ごめんなさい。 アルバム前編はひとまずここまでで…。 書いてるとゆずの人生を辿ってるようでエモいですね(喧しい)。

          HMVワーポ ゆずアルバム作品コメントまとめ 前編

          またあおう、ワーポHMV

          2024年1月28日。 私こと、ゆずの沼にハマって15年のヲタクが高校生の時からお世話になっていたHMVワールドポーターズ横浜店が閉店した。 今年の12月に急に発表になった閉店のお知らせ。 おそらく全国のゆずっこは悲しみのあまりのた打ち回ったであろう。 私もその1人で、いつでも行ける、何年先もずっとそこにあると思っていたものが急になくなる。 大切なものが、まるでシャボン玉が弾けるようにあっけなくなくなってしまう事がにわかには信じられなかった。 というわけで、1月になっ

          またあおう、ワーポHMV

          にごり酒

          私は酒癖が悪い。 以前のお酒の失敗談は、下記のリンクのノートにも書いてあるので、マジで暇な時は読んで鼻で笑ってほしい。 まぁ、過去の失敗談はひとまずさておき。 誰しもが酔っ払うとやってしまう奇行はあると思う。 泣き上戸や笑上戸になってしまったり、 愚痴っぽくなるなどはよくあると思う。 私の場合は、そういう感情の振り幅が大きくなると言うよりは、 目視ができる位の奇行に走る。 最近気づいた、その奇行の種類と移り変わり、 そこから見えてきた私自身の環境の変化を振り返っていこ

          にごり酒

          白檀

          私は自分で言うのも変だけれど、恋愛において打算的であると思う。 世間から見ればまだ若いと言われる年齢で、友達も今のうちに遊んでおこうだとか、イケメンがいいなど刹那的な理想を語っている。 それが結果としていいのかどうか分からないけど、少しだけ羨ましいと思う。 私は、私が心から素敵だと思えた人には、私みたいなくだらない人間とは付き合って欲しくないと思ってしまう。 これは自分に自信がないからとかではなくて、 自分自身がコンプレックスとして持っているものや、そこから生まれてくる考

          反転

          私はとてもメンタルの起伏が激しい。 何かきっかけがあるわけでもなく、急に全てが嫌になる時がある。 その度に布団にくるまりミノムシに成り果てる。 強いて理由を挙げるなら将来に対する漠然とした不安を感じたり、 理想と現実の乖離具合に絶望したり。 でも、まぁとにかく、具体的に解決策を導けるようなコレと言った原因はないのだ。 そういう時、私は決まって人との関わりを遮断する。 プライドとかではなく、落ち込んでいる時の自分を見せたくはないし、 落ち込んでる時は決壊した川のように止めど

          異例の恒例

          昨日私は救急搬送された。 とはいえ#7119を自力でかけられるくらいには意識を保っていたのだけれど… 朝まで友人とオールで遊んでいて、帰宅したのが9時ごろ。 一度寝て、息苦しさで起きてからの通報だった。 #7119から119に転送されたあたりで呼吸が苦しくなり、 住所を伝えたあたりで気を失うギリギリを保っていた。 自分の知らない普通は語れないが、 もし日常アニメのような"普通"を普通に生きていたら、このような出来事はきっとそうそうないのだろうなと思う。 けど、自分とし

          異例の恒例

          季節限定

          私が幼い時はもう少し、季節の移ろいが穏やかだった気がする。 なんだか肌寒くなってきたなと思ったら、衣替えをして、毛布を出す。 みのむしが1枚ずつ葉っぱを重ねるように、街行く人々も1枚ずつ身に付ける服の枚数を増やしていく。 9月末まではあんなに暑かったのに、10月上旬の今は毛布がないと耐えられない位には寒い。 ほんとに一昨日まで半袖で過ごしていたのが嘘のように寒い。 ホットコーヒーが美味しくなる季節。 ハンバーガーチェーン店ではお月見バーガーが、コーヒーチェーン店ではお芋

          季節限定

          ガラス細工の恋人

          「恋人」というものは、ガラス細工のようなものだと思う。 それは今まで自分が付き合った人間だとか、自分が今好きな人だとかに限らず、友人と恋バナをしているときにでさえ思う。 ガラス細工はとても美しい。 窓から差し込む光を透かしてみると、それが乱反射し虹を部屋中に散りばめる。 そんな感じで、特別に好きなもの同士、2人で作った思い出はその何十倍もの生活全体に光を放つように感じる。 そしてガラス細工は透明で、 多少形が崩れていたとしても、ガラスのもつ透明さと言うものは、それを見

          ガラス細工の恋人

          抄本

          写真には2つの役割があると思う。 一つ目は記録。 成長記録とかもそうだし、シンプルにメモをデバイス上に残すとか。 新聞記事に載ってる写真だってその役割を持っているだろう。 二つ目は自分の気持ちを知ること。 自分が「撮りたい」と思ったものにシャッターを向ける。 私は昔、カメラを持ってお出かけをするのが大好きだった。 一眼レフを初めて購入した高校一年生の夏。 もともと芸術に深い興味を持っていた私は、Nikonの D3300という初心者用のそれを手に入れた時毎日浮かれていた。

          Rita

          人のために生きると言うことはどう言うことなのか、最近ぼけーっとよく考える。 世のため人のためとか、ざっくり社会貢献とか。 もっと小さい世界で見れば、推しのビール代に繋がるであろうグッズを大量に買うとか。 親が子に向かっていう「あなたのために言ってるのよ」とか、 恋人が恋人に対して言う「お前のことを思って」とか。 私は直接的に自分のために頑張ることができないタイプの人だ。 「自分がどうしたい」というより、「この人にどう思われたい」ということが行動原理になっている気がする。

          時をかける羞恥

          よく言えば天然、悪く言えば鈍感。 私はある程度繋がりをもつ話題に関しては広く浅くもつ知識を展開して話を合わせることが得意だ。 一方で突発的に過去の出来事を持ち出された時、記憶と話題の糸を繋げることが極端に苦手である 人間並みの高等生物以外は過去や未来といった概念を現在に持ち込むことが苦手と聞いたことがある。 恐らくそう、私はバクテリアかなにかなのだろう。 いや、そう思うのも意思を持つのも烏滸がましい。 そうミジンコのように小さくなりたくなる出来事があったのだ。 時を少

          時をかける羞恥