[推し本]この夏の星を見る(辻村深月)/あの数年は何だったのだろう
コロナに青春を直撃された中高生のモヤモヤ、もどかしさ、悔しさ、みんなで我慢我慢、と押さえ込まれたエネルギー、、、。
さすが「かがみの狐城」辻村さんならではのティーンの感情の掬い方で、誰を責めても仕方がない状況が切なく、しかし自分たちの手で未来が開かれていく姿に、一筋の光が浮かび上がってきます。
登場人物たちが星の観測をするために空を見上げ、遥か彼方の悠久の宇宙に想いを馳せる時、誰にも邪魔されない自由と解放感があるのがいい。そう、あの時は誰もが、気兼ねなく息をすることも難しかっ