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芳幾・芳年展。

芳幾・芳年展。

パッと見でも、ものすごく面白いんです。
芳年の派手な構図とかワクワクするし

芳幾って意外と茶目っ気あったし

血みどろの赤をもっともっと!

あふれでるドラマティック情念。

でも、私、その背負うドラマを知らないんです。
たとえば有名な歴史的人物で、その人物がなにをしたかは知っていても
江戸後期にどんな受け止めされ方をして、どんなキャラ設定で、どんなストーリーで語られていたか、知らない。

義経

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「ルーブル美術館展 愛を描く」はルーブルへ行くより良いと思う。

「ルーブル美術館展 愛を描く」はルーブルへ行くより良いと思う。

ルーブル美術館は広大です。
最初は熱心に見ていても、だんだん疲れてきて
「どれも同じような絵に見えてきた…もういい…うっぷ」と
疲労がmyアート愛を軽く凌駕する情けなさ…
パリまで来て、好きなものを食べすぎて嫌いになってしまうような哀しさ…。
行きは浮かれて「お~シャンゼリゼー」とか歌いながら通ったガラスのピラミッドの横を
帰りはうなだれながら通り過ぎました。

おそらくそんな経験は私だけじゃない

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諏訪敦「眼窩裏の火事」と父

諏訪敦「眼窩裏の火事」と父

先日、諏訪敦さんの展覧会「眼窩裏の火事」を見に
バスに揺られて府中市美術館まで行ってきた。

https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/tenrankai/kikakuten/2022_SUWA_Atsushi_exhibition.html

諏訪敦さんは写実絵画の第一人者で
そりゃもう写真みたいに精緻な絵を描くのだけど
私が特に見たかったのは「大野一雄(100歳を

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エゴン・シーレ展感想、中二病の向こう側

エゴン・シーレ展感想、中二病の向こう側

シーレ展が30年ぶりに開催され、私は30年ぶりにシーレの絵を見てきた。
時空を越えてシーレの絵を通して高校生の私に
「よっ!」と挨拶してる気分だ。

この30年間、細々と美術館に通い
それなりにいろんなものを見て
仏像まで好きになっちゃった渋茶色ババアである私。

もしかしたらシーレの中二病感に鼻白まないか?
という多少の不安もあった。

いざ東京都美術館で目の前にすると
シーレはずば抜けていた。

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展覧会は一人で見に行く派

展覧会は一人で見に行く派

展覧会は一人で行きたい派

私は本来、ものすごい自分勝手で狭量で執着が強い人間なのだが
若い時はそれを丸出しにしていて
人間関係はかなりハードモードだった。

そこである時一大決心をし、意識的に性格改良をしてきた。
優先すべき事項は「幸せになること」と「生きやすさ」。
それ以外の文学的思想的哲学的大義名分は捨て去ることにした。

友人付き合いに関しては、自分を消すという手段を選んだ。
「相手と自分

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ボテロ展へ行ってきた

ボテロ展へ行ってきた

渋谷Bunkamuraのボテロ展へ行ってきました。

ボテロというのはその名の通りボテッとした絵を描く方で、絵の中の人も物も全てふっくらしています。今もご存命中で、モダンアートと言えばモダンアートな世代なのですが、モダンアートに必須のメッセージ性を作家自身は声高に唱えてらっしゃらないようです。
…いやなんかその辺が曖昧というか、とりあえずボテロ展へ行っただけではわかりませんでした。

ポップなボテ

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「空也上人と六波羅蜜寺展」に行ってきた

「空也上人と六波羅蜜寺展」に行ってきた

コロナ禍で美術館や博物館が休館したり、ずいぶんと空いている時期が長かったですが、今回、上野は混んでました。平日でも前日予約では午前中は取れず。人数制限はしてても「おっと人だかり」という密度。
見にくいけど、なんだかホッとしました。公立私立問わず、美術館や博物館に多くの人が訪れて、うるおって、展示やイベントがさらに充実しますように♥

さて、空也上人ですが、私は仏教ラッパー始祖だと思っていたんです。

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「聖徳太子と法隆寺展」エンタメ視点

「聖徳太子と法隆寺展」エンタメ視点

聖徳太子といえば「お札にもなった教科書の人」ですが
実は衝撃のビックリ伝説が数多く残っています。
想像力を刺激する、ある意味オカルト的逸話の数々。
しかもその証拠となるような巻物や縁の品々を
長年、法隆寺や宮内庁や関係各所が保管していて
今、東京国立博物館で、間近に拝むことができるんです。

「聖徳太子と法隆寺展」に足を運んだ多くの方は
おそらく歴史的重要な国宝なり文化財として
展覧会をご覧になっ

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草間彌生美術館へ行ってきた

草間彌生美術館へ行ってきた

草間彌生に関する私の予備知識といったら
水玉 かぼちゃ 統合失調症 ルイヴィトン 赤いおかっぱ・・・くらい?
今回、モノクローム作品を中心に集めたとかで
そのモノクローム画像が「おや、シックだね」と面白そうなので
初めて草間作品に触れてみました。

美術館は意外と小さくて、週4日オープン美術館というよりギャラリーという床面積だが
縦に長く5階まで展示がある。
そして月火水が休み。という。
今はコロ

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