三木田照明

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記事一覧

馬楽の時間 176

「怒らないスポーツ指導」  月刊誌に出ている。怒られて(時には暴力まで)育てられた子供は伸びないそうだ。大人の顔色をうかがうだけで、自主性、能動性、協調性などが…

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馬楽の時間 175

 乗馬施設からも指導依頼がきました。  スタッフの指導をして欲しいそうです。場長さんも指導を受けたいとのこと。素晴らしい。こんなことは初めてです。私は大嫌いな人…

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馬楽の時間 174

 私は75歳です。大学馬術部指導の要請がありました。全員孫世代です。  私が馬術部員だったのは半世紀以上前です。大昔。若者たちにすれば私なんか化石のようなものでし…

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馬楽の時間 173

内方姿勢  私が言う内方姿勢に不満でしょう? 「顔を進行方向に向けるだけ」って。それで馬は内方姿勢になるのか?  なるんです。  馬が歩いているのを上から見て下さい…

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馬楽の時間 171

調教と部班について  調教は難しいと言う。言われている。何が難しいのだろう?  そもそも、調教って馬に何を教えるのだろう????  良い馬をつくる。良い馬って?ど…

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馬楽の時間 171

 馬術は馬と人の共同作業。初期の練習からそこを意識したいですね。  ミューゼラーには、姿勢、感覚、作用を意識することとある。  とかく練習となると、騎手の姿勢の矯…

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11日前
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馬楽の時間 170

 子供の頃から馬に乗っていた。鞍は無い。小学6年生の時の火事で焼けてしまった。確か本に書きましたね。焼け残った鐙金で南京袋の鞍を作った。  いつも裸馬だった。裸…

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13日前
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馬楽の時間 169

 嬉しいお知らせ  馬事公苑のメインホールに私の本が展示されているそうです。しかも、あのミューゼラーと並んで。嬉しいです。皆さんどうぞ読んでください。  とかく馬…

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2週間前
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馬楽の時間 168

 ちょっとお休み。 「拳をさげろ」「体を起こせ」「脚を引け」  昔の練習風景です。注意ではなく怒声。そして「腹を蹴れ」。  無理なことばかり。拳を下げて身体を起こ…

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2週間前
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馬楽の時間 167

 相手が動いていますから、「固定」はありません。  拳も固定されていると馬の口にガツガツ当たります。上級者の馬術では、馬の口が動いているように見えません。が、銅…

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3週間前
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馬楽の時間 166

 口にガツガツ当たると馬は辛いですよね。「拳の力を抜けー」とよく注意されます。それを考えてみましょう。  赤ちゃんの肌に吸い付くような拳を得たいものです。  強く…

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3週間前
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馬楽の時間 16

 じゃあ、やる気が起きるのはどんな人、時?  私の場合。よく見てくれる。よく聞いてくれる。レベルに合った指導をしてくれる。「こんなことも出来ないのか」とは絶対言…

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3週間前
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馬楽の時間 164

推進について  同じく、加える力を出来るだけ少なくしたいものです。  推進について再確認しましょう。推進は騎手の役割。ではそれに対して馬の役割は何でしょう?「前に…

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4週間前
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馬楽の時間 163

停止のつづき  常歩から止まるのを想像して下さい。  何かのきっかけで馬が止まると、予測していないと、乗ってる人は前にのめりますね。停止は騎手が合図を送るので、前…

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1か月前
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馬楽の時間 162

 調教の章を終わります。これからは思いつくまま書きます。  停止について。  停止も長いこと随分悩みました。上手く出来ませんでした。  まず四肢がそろわない。ハミ…

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1か月前
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馬楽の時間 161

妄想劇場  今研究中のことを特別にお話します。口外無用ですよ。  重心について。これも本に書いたような気がします。 「推進を強くすると、後躯が体下に沈み込み、結果…

三木田照明
1か月前
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馬楽の時間 176

「怒らないスポーツ指導」
 月刊誌に出ている。怒られて(時には暴力まで)育てられた子供は伸びないそうだ。大人の顔色をうかがうだけで、自主性、能動性、協調性などが破壊されている。競技を好きになれないらしい。
 起こるのは、監督とかコーチの能力の無さ、手抜きだそうだ。
 全面的に賛成。
 今の私は怒らない。以前は怒るのがが良いと思っていた。他にやり方を知らなかった。鬼と言われるのが快感だった。
 三木

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馬楽の時間 175

 乗馬施設からも指導依頼がきました。
 スタッフの指導をして欲しいそうです。場長さんも指導を受けたいとのこと。素晴らしい。こんなことは初めてです。私は大嫌いな人にも教えてもらいました。上手になりたいから。そうでなきゃと思います。
 学生たちも同じですが、教えてもらう時は、全部「はい」で行く。自分の知識や馬歴で邪魔しないことです。
「そんなこと聞いたことない」と、拒絶しないこと。初めて聞くことだから

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馬楽の時間 174

 私は75歳です。大学馬術部指導の要請がありました。全員孫世代です。
 私が馬術部員だったのは半世紀以上前です。大昔。若者たちにすれば私なんか化石のようなものでしょうね。テルノザウルス。私も一応学生日本一になりました。だからと言ってその頃の価値観で押すのは下手。受け入れてもらえるはずがない。教え方もしっかり研究しなきゃ。
 馬歴は70年越え。指導歴は55年。大ベテランです。
 私の教え方。
 まず

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馬楽の時間 173

内方姿勢
 私が言う内方姿勢に不満でしょう?
「顔を進行方向に向けるだけ」って。それで馬は内方姿勢になるのか?
 なるんです。
 馬が歩いているのを上から見て下さい。引手を長くした曳馬がいいです。
 円運動に入ると綺麗な内方姿勢を取ります。何故?
 それが自然だから。誰かが内方姿勢と言ったんでしょうね。
 そこから「内方脚の位置、外方脚の位置、腰はどう・・・」と人工的になってしまった。それで、輪線

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馬楽の時間 171

調教と部班について
 調教は難しいと言う。言われている。何が難しいのだろう?
 そもそも、調教って馬に何を教えるのだろう????
 良い馬をつくる。良い馬って?どんな馬がいいのか?
 私論
 乗りやすい馬。前へでる、止まる、曲がる。障害に向けたら飛ぶ。
 これでどうでしょう?あとはどの程度を求めるかです。
 5月に学生馬術部の指導に行きます。学生から頼まれました。
 部班を教えてほしいと言われてま

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馬楽の時間 171

 馬術は馬と人の共同作業。初期の練習からそこを意識したいですね。
 ミューゼラーには、姿勢、感覚、作用を意識することとある。
 とかく練習となると、騎手の姿勢の矯正が重視されるが、同時に扶助を覚え、感覚することも覚えなければならない。
 私のレッスンは、まず、常歩の観察から始める。曳馬で常歩をしてもらい、四肢の動きと、身体の動きを見る。常歩の四肢の着地順、言えますか?
 左後肢、左前肢、右後肢、右

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馬楽の時間 170

 子供の頃から馬に乗っていた。鞍は無い。小学6年生の時の火事で焼けてしまった。確か本に書きましたね。焼け残った鐙金で南京袋の鞍を作った。
 いつも裸馬だった。裸馬で駈歩までやる。
 勿論馬術なんか知らない。馬術と言う単語さえ知らない。
 バランスで乗るんだと言われなくても、バランスをとらなきゃ落ちてしまう。鐙がないから、どうしたって足で腹を巻いて縋り付く。
 大学に行き初めて馬術を知った。足で腹を

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馬楽の時間 169

 嬉しいお知らせ
 馬事公苑のメインホールに私の本が展示されているそうです。しかも、あのミューゼラーと並んで。嬉しいです。皆さんどうぞ読んでください。
 とかく馬術の本は難解。私は可能なかぎり易しく書きました。乗馬をしない人からも好評をいただきました。易しいからと言って油断しないで下さい。読んで実践していたただければ、必ず上手になります。
 5月、出張指導します。呼んで頂きました。楽しみです。
 

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馬楽の時間 168

 ちょっとお休み。
「拳をさげろ」「体を起こせ」「脚を引け」
 昔の練習風景です。注意ではなく怒声。そして「腹を蹴れ」。
 無理なことばかり。拳を下げて身体を起こすのは無理。脚を後ろに引いて身体を起こすのは無理。常時腹を蹴ってリラックスは無理。
 ミューゼラーには良い姿勢の条件が書いてあるが、まず、姿勢の矯正はダメと書いてある。これを読んで「先輩の言うことを鵜呑みにしちゃダメ」と決めました。大学2

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馬楽の時間 167

 相手が動いていますから、「固定」はありません。
 拳も固定されていると馬の口にガツガツ当たります。上級者の馬術では、馬の口が動いているように見えません。が、銅像のように固まっているとはどうしても考えられません。絶対動いています。なのに拳を固定するものだとしたらどうでしょう。ハミに当たります。
「赤ちゃんの肌に吸い付くような」拳とは、馬の口の動きに合わせて動いているのです。固く握っていても、それが

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馬楽の時間 166

 口にガツガツ当たると馬は辛いですよね。「拳の力を抜けー」とよく注意されます。それを考えてみましょう。
 赤ちゃんの肌に吸い付くような拳を得たいものです。
 強く握ると固くなります。かと言って弱いと手綱が滑ってしまいます。
 滑らない程度に握って、力を抜く。難しそうですね。
 ちょっと視点を変えます。
「こぶし」だけじゃなく、腕全体を見てみましょう。馬の口と騎手の肘が一直線になるようにすると効率が

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馬楽の時間 16

 じゃあ、やる気が起きるのはどんな人、時?
 私の場合。よく見てくれる。よく聞いてくれる。レベルに合った指導をしてくれる。「こんなことも出来ないのか」とは絶対言わない。褒めてくれる。理論に一貫性がある。よく勉強している。一方的に否定しない。言われた通りやるといい結果が出る。偉そうにしない。作業を一緒にやってくれ
る。馬場の整備が上手い。経験をひけらかさない。実力主義。柔軟な考え方。馬を大事にする。

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馬楽の時間 164

推進について
 同じく、加える力を出来るだけ少なくしたいものです。
 推進について再確認しましょう。推進は騎手の役割。ではそれに対して馬の役割は何でしょう?「前に出る」。正解。でも、いくら脚を使っても前へ出てくれないことありますね。他の人が乗るとすいすい前へ出たりして。もう泣きたくなりますね。私も学生くんたちに「先生、脚、使ってるんですか?」と質問されました。私が乗ると、学生くんたちが前へ出せない

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馬楽の時間 163

停止のつづき
 常歩から止まるのを想像して下さい。
 何かのきっかけで馬が止まると、予測していないと、乗ってる人は前にのめりますね。停止は騎手が合図を送るので、前にのめることはありません。
 と言うことは、馬を前に出す力が働いているはずです。慣性の法則。
 停止の時はそのくらい僅かの力で十分だと考えます。
 私の長年の経験と感覚です。異論はあるでしょうね。でも試してみてください。出来るだけ加える力

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馬楽の時間 162

 調教の章を終わります。これからは思いつくまま書きます。

 停止について。
 停止も長いこと随分悩みました。上手く出来ませんでした。
 まず四肢がそろわない。ハミ受けが出来て適度な推進があれば、四肢がそろった停止が出来ると習ったが、が、出来ない。
 ピットボーイで何百回もやってみましたが、が、出来ませんでした。
 疑問。当然ですよね。まぐれで出来る時もあったが、確率は低い。
 競走馬あがりの馬は

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馬楽の時間 161

妄想劇場
 今研究中のことを特別にお話します。口外無用ですよ。
 重心について。これも本に書いたような気がします。
「推進を強くすると、後躯が体下に沈み込み、結果前躯が浮く」と習いました。もうこの理論は古いですか?
 何度も何度もやってみましたが上手くいきません。推進を強くすると前へ出ます。前へ出ることを望んでいないので、ハミ受けが強くなります。要するに引かなきゃならない。引くと馬の重心は前がかり

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