マガジンのカバー画像

ベトナム生活

20
ベトナム生活の雑記
運営しているクリエイター

記事一覧

ベトナム、社会隔離生活再び

ベトナム、社会隔離生活再び

昨年の今頃、僕は1人で悦に入っていた。

日本ではコロナ感染者が一向に減らず、オリンピックも延期になる中で、僕の住んでいるベトナムは、初期段階でのスピード感ある都市封鎖や、有無を言わさぬ社会隔離措置で、コロナウィルスを、ほぼ完璧に抑え込むことに成功していた。

"ベトナムにいて良かったぜ!"

そう心の中で叫んでいたのが懐かしい。

それが今や、なんて有様だ..
.一度は終息したかに見えたこのウィ

もっとみる
コロナ再び in ベトナム

コロナ再び in ベトナム

数ヶ月間、市中感染のなかったベトナムだけれど、先月末の南部解放記念日(ベトナム戦争終結の記念日)前後から、再びコロナが再燃してきた。

事の発端は、中国からの不法入国者が持ち込んだことに加え、外国(主に日本)からの帰国者が、隔離期間終了後に陽性反応を示し、接触者に感染したことと見られている。

僕の住むハノイでは、5月8日時点で、連休前の4月29日からの合計感染者は72人とのことだ。日本から見れば

もっとみる
悶々とした一週間

悶々とした一週間

物理的な時間はたくさんあった。

でも、なかなか文章を書くことができなかったのは、精神的な時間が不足していたからだ。

脳内に、いささか処理に困る七面倒な問題が常時4〜5個あって、どうやって解決しようかと思案しているうちに、どうでもよくなっていしまい、全てを投げ出してどこか遠くに逃避したい衝動に駆られる。

だけれど、「いや、でもなんとか解決策を練らなければ!」という日本人らしい粘り強さを発揮して

もっとみる
ベトナム考察 [ベトナム人は犬が嫌い]

ベトナム考察 [ベトナム人は犬が嫌い]

この間ベトナムの犬食文化について書いたけれど、基本的にベトナム人は犬が大嫌いだ。

ここでいう犬とは公安(警察)のことで、特に黄色い制服を着ている交通系の公安は、人々から犬と呼ばれ忌み嫌われている。

日常的にバイクに乗っているくせに、この国の交通ルールをあまり理解していない僕は、よく犬に捕まる。困るのは、その理由がわからないことだ。

日本のように二段階右折とかUターン禁止ではなく、普通に走って

もっとみる
ベトナム考察 [犬食文化]

ベトナム考察 [犬食文化]

ベトナムに来て驚いたことの一つに、犬食文化がある。

韓国や中国の一部地域でこの風習が残っていることは知っていたけど、ベトナムでもそうなのか、と。でも、考えてみれば中国とは陸続きだし、文化的にも多大な影響を受けているので、当たり前といえば当たり前なのかもしれない。

それでも、近年は「近代国家化」のために、政府主導で犬食文化を無くそうという動きがあるらしく、以前より犬を食べさせる店は減っているらし

もっとみる
それぞれのコロナ 日本〜ベトナム

それぞれのコロナ 日本〜ベトナム

住んでいる者の肌感覚的に、ここベトナムでは、コロナはもう過去のものになりつつある気がする。ここ1〜2ヶ月、コロナという単語を耳にしたのは数えるくらいだ。

世界的に見てもコロナ対策を高く評価され、長いこと新規感染者が出ていなかったベトナム。旧正月前の1月下旬に、北部で一時的に100名を超す感染者が出たけれど、政府はすぐに感染地域を隔離等の対策を実施。まさに"国を挙げて"封じ込めにかかった。

社会

もっとみる
ベトナム考察 [社交辞令とコーヒー]

ベトナム考察 [社交辞令とコーヒー]

 
「日本人はよく社交辞令言うよね」

日本へ行ったことのあるベトナム人から、よくそんなことを言われる。続いて、「あれ、嫌いなんだよね」とも言われる。

「確かにな」と思う。同時に、「良くないな」とも思う。だけれど、大人になった僕たちが、社交辞令なしで良好な人間関係を構築できるほど、無垢な心を持ち合わせているはずもなく。もはやそれなしで社会生活を営むことが困難なのは、日本で生活する多くの人が感じて

もっとみる
ジメジメした部屋とシンプルな生活

ジメジメした部屋とシンプルな生活

春を通り越して、一気に初夏の様相になった。
最近、日中は「暖かさ」よりも「暑さ」を感じる。

ハノイは湿度が高い土地だ。冬は気温の割に寒く、夏は体に纏わりつくようなベタッとした暑さを感じる。

加えて、風通しの悪いぼくの部屋は、オールシーズン、ジメジメしている。どれぐらいジメジメしているかというと、革製品を数週間放置したり、脱ぎっぱなしの服を洗濯しないでいると、カビが生えてしまうぐらいだ。

だか

もっとみる
イタリアンレストランで感じたボーダレス社会

イタリアンレストランで感じたボーダレス社会

先日、同じアパートに住んでいる友人数人と、ハノイ市内で有名なイタリアンレストランに足を運んだ。

メンバーは、日本人2人、ベトナム人2人、そしてアメリカ人1人だ。このアメリカ人がなかなかの食通で、日本食についてもやたらと詳しい。「ダシは昆布や鰹節でとらなければならない」とか「日本酒は辛口に限る」とか、その知識を惜しげもなく披露してくれる。

今回のイタリアン訪問も、そんな彼たっての希望だった。イタ

もっとみる
ベトナム生活5年目突入

ベトナム生活5年目突入

ハノイに住んで、もうすぐ4年になる。4年という文字を見ると、その長さに愕然とするが、体感的にはあっという間だった。今でも、はじめてこの国に来た時のことをはっきりと覚えている。

フィリピンでの語学留学を終えた僕が、マニラからLCCでハノイのノイバイ国際空港に降り立ったのは、4年前の5月だった。

深夜着の便で、日はとうに落ち、空港も無機質で薄暗かった。排他的な社会主義国の雰囲気を感じながら、VIS

もっとみる
[ベトナム考察] 待ち受け画面と自己肯定感

[ベトナム考察] 待ち受け画面と自己肯定感

ベトナム人は自己肯定感が高い。と、思う。

今や多くのベトナム人がスマホを持ち歩き、日本人以上に使いこなしている。こういった電子機器の値段は、日本とさほど変わらない。それなのに、多くの若者が最新のiphoneを所持している姿をよく見かける。

一体、どうやって購入費用を工面しているのか心配になる。そして、特筆すべきは、高確率で自分の顔を待ち受け画面にしていることだ。

女性の場合は、写真加工アプリ

もっとみる
ハノイはもうすぐ春

ハノイはもうすぐ春

バイクに乗る時に受ける風が、心なしか優しくなってきた。

東南アジアは1年中暑いと勘違いされることが多いけれど、実はそんなこともなくて。ベトナムでも、ホーチミンシティに代表される南部のように、1年中気温が高く、季節は雨季と乾季の2つだけ。という地域もあるにはある。

だけれど、ハノイには日本と同じように四季があって、冬場はそれなりに冷え込む。気温で言えば15℃とかなのだけど、湿度が高いせいか、体感

もっとみる