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2024年5月14日(火)初めての図書館
一昨日の「隣町珈琲」での、小池昌代さんとの対談が終わったのは、すでに午後9時でした。そのあとしばらくサイン会があって、それから近所の中華料理屋で打ち上げがありました。
心地よい飲み会だったのですが、ぼくは夜も遅いので、申し訳ないという思いはあるものの、途中で帰らせてもらいました。
あの日は、会場入りが午後6時だったのですが、かなり早く家を出てしまい、蒲田駅に降り立ったのが午後4時でした。どうや
俳句を読む 56 菖蒲あや 路地に子がにはかに増えて夏は来ぬ
路地に子がにはかに増えて夏は来ぬ 菖蒲あや
長年詩を書いていると、あらかじめ情感や雰囲気を身につけている言葉を使うことに注意深くなります。その言葉の持つイメージによって、作品が縛られてしまうからです。その情感から逃れようとするのか、むしろそれを利用して取り込もうとするのかは、作者の姿勢によって違います。ただ、詩と違って、短期勝負の俳句にとっては、そんな屁理屈を振り回している暇はないのかもしれ
【お知らせ】小池昌代さんとの対談は今度の日曜日の夜です。
今度の日曜日の夜です。お時間のある方はどうぞ。
詩に片思いをしている人もいる
詩の教室をやっていて思うのは、誰もが器用で、上達が早くて、センスが良い、というわけではないということです。
詩が好きなのに、なぜか詩に好かれていない人、というのが、いるんです。
詩に片思いをしているんです。
詩がこんなに好きなのに、うまい詩が書けない。どんなに頑張っても、詩がほめられることはめったにない。
ところで、ぼくはこれまで何冊も詩集を出したけど、根本のところでは、ぼくもそうなんだと
俳句を読む 55 東野佐惠子 平凡といふあたたかき一日かな
平凡といふあたたかき一日かな 東野佐惠子
もちろん平凡な毎日が、ただのんきで、何の気苦労もないものだなんてことはあるはずがありません。そんな人も、まれにいないことはないのでしょうが、たいていの人にとっての平凡な一日というのは、たくさんの辛いことや、みじめな思いに満たされています。それでもなんとかその日を踏みとどまって、いつもの家に帰り着き、一瞬のホッとした時間を持てるだけなのです。でも、その辛
「迷った時に読む”初心者のための詩の書き方”」
「迷った時に読む”初心者のための詩の書き方”」
以下は、「初心者のための詩の書き方」114章を、読む時の目的に分けて並べ替えたものです。だいぶ前に、あるところで詩の講演を依頼された時に、話の材料として用意したものですが、その講演は大きな台風が来て中止になってしまいました。このあいだMacbookの中を整理していたら、これが出てきました。ああこんなのをせっせと作っていたことがあったなと思い出し、そ
詩を書いていることがバレてしまっても
ぼくは、勤め人をしていた時に、大きな会議室で、財務状況についてプレゼンテーションをすることがたびたびありました。
その頃、ぼくはすでに詩集を何冊か出していて、自分が詩を書いていることが会社でバレてしまっていたのです。若い頃には社内報にまで載ってしまったことがあり、それからずっと同じ会社に勤めていましたから、特に年配の人はたいてい知っていたのです。
そういえば、詩を書く人には、勤め先で、自分が詩
「かろうじて掴めたのが、詩だった」
「詩を書くことに喜びがあるのであり、その詩が誰かの詩よりも秀でることが本来の目的ではない」と、ぼくは本の中でもたびたび書いている。
その思いに嘘はない。
けれど、自分のことを考えてみれば、「人よりも秀でた詩を書きたい」という思いが、なかったわけではない。
それはおそらく、それまでに、これといった優れたものを持っていないと感じていた自分が、生きている意味を求めて、かろうじてつかむことのできたも
2024年4月21日(日)詩をこよなく愛し、詩にたっぷり愛される。
昨日は「Zoomによる詩の教室」でした。立石俊英さん、南田禎一さん、ユウアイトさんとの2時間ほどの座談会でした。
三人とも、詩を書き始めてから数年しか経っていないということを知りました。それにしては、作品の完成度が高いことに驚きます。そういうものなんだなと、思いました。
つまりは、大人になってから書き始めたのです。
ぼくは子供の頃から詩を書いていたので、そんなふうにも書き始めることができるの
2024年4月20日(土)床屋で
昨日は歯医者へ、それから夕方、床屋へ行ってきた。床屋で髪を切ってもらっている時に、前の道で大きなクラクションが何度も鳴っている。明らかに誰かが怒っている。そんな鳴り方だ。床屋の主人がぼくの髪を切りながら、鏡越しに外を見て、様子を説明してくれた。
工事で片側交互通行をしていて、路線バスと乗用車が向かい合っていて双方がゆずらないらしい。だから動けないらしい。それで、乗用車の運転手(じいさんだね、と床