マガジンのカバー画像

大失恋の話

9
運営しているクリエイター

記事一覧

ずっとキャベツ刻んでる。

ずっとキャベツ刻んでる。

ドラマ「おっさんずラブ」を観ていました。
(ストーリーのネタバレが含まれます)

主人公のハルたんに恋したクロサワ部長が、奥様の蝶子さんに離婚したいと告げたとき、
蝶子さんは、納得いかなくて気が済むまでキャベツ刻み続けていた…と言うエピソード。

放送中のおっさんずラブ・リターンズで、亡くした恋人を忘れられない人に蝶子さんがかける言葉は、
気が済むまでキャベツ刻んでるしかない。

ほんとそうだよね

もっとみる
お誕生日

お誕生日

忘れられないお誕生日なのです。
母と1日違いだから、妹と3日違いだから。

今のあなたは、あなたを世界で1番幸せにしようと全力でもがいてくれる人がそばにいる。
大事にする価値のある大切にするべき人がいる。

どうして、それを邪魔することができるだろうか。私と居るよりずっとお似合いなのだから。

私はあなたを彼女ほどには幸せに出来ないだろう。

私の痛みは私の引き受けなくてはいけない痛みだ。
一生懸

もっとみる
定期検診と思わぬ気づき。

定期検診と思わぬ気づき。

三か月に一度の定期検診に大学病院に行ってきた。

私の命の恩人と言っても過言ではない先生方や看護師さん方がいらっしゃる病院だ。

決して命に別条ある病ではなかったのだけれど
体の痛みもさることながら、私の心は悲鳴をあげて今にも死にそうだった。

決して否定せず、寄り添って、くだらない愚痴や悩みも全て受け止めて聞いて下さった皆さまには感謝してもしきれない。

大学病院なので、主治医の先生は私よりもず

もっとみる
大失恋の話⑤ 暗雲。

大失恋の話⑤ 暗雲。

私から見て彼は魅力的に見えた。
きっと他の同年代の女性から見てもそうだったのだろうと思う。 

結婚歴がない40代半ば、安定した収入がある。
育ちが良く、女性の扱いに慣れていて、見た目に女性に嫌われる要素がない男性と言うのは…
私の周りには少ない。 

そして、彼には溢れんばかりの前向きなエネルギーが満ち満ちているように見えた。
たくさんの可能性を秘めていると周りの人に思わせるような光があった。

もっとみる
大失恋の話④ 大事な人。

大失恋の話④ 大事な人。

この人でなければいけない、と言う人に出会う事は10年に一度もあるかないかの事と思う。
私にとって、彼はそう思わせてくれる人だった。

彼を幸せにしたい、と思った。

そのころ。先年亡くなった祖母の納骨のため、
父が新幹線に乗り不自由な体を押してでも出掛けたいと言う。
願いを叶えるため、私が実家から車椅子に乗せて付き添い、一泊の旅程を計画した。

彼に会ってもらう好機と思い打診した。

彼は予定が合

もっとみる
大失恋の話③ 短い恋の諸々。

大失恋の話③ 短い恋の諸々。

彼の自営業を手伝うことにした。
その間、一緒にいられるから。

私には事情があって…今すぐ彼と普通にお付き合いできる状態ではなかった。

電車に乗って、1時間半、door to door で約2時間の中距離恋愛だった。
私の今の懐具合では、彼の家まで会いに行くことが難しい中、彼の最大限の配慮だったと思う。

一緒にいる間の思い出はキラキラしている。
たった半年のお付き合いだったのに。
人生で一番短

もっとみる
大失恋の話(番外編)私の職歴と離婚の話。

大失恋の話(番外編)私の職歴と離婚の話。

私の仕事は教育関係の在宅ワーク(自営)。
離婚後に知人に頼まれて始めた仕事だ。

新卒では百貨店に入社した。
いくつかの転勤を経て結婚退職をした。
2000年代前半、の話。
結婚した夫は時間に関係なく呼び出しのかかる激務。周りは専業主婦が主流であり、私にも家にいて欲しいと言われた。
私は幸せだった。夫を心から信頼し愛していたから。

結婚から7年目、念願の家を建てて1年経たないある日、夫は預金通帳

もっとみる
大失恋の話② 恋に落ちたバツイチのアラフォー

大失恋の話② 恋に落ちたバツイチのアラフォー

彼に出会ったのは夏の終わりだった。
たくさんの草鞋を履いている人だった。

家業を継ぎ、エンタメ系の仕事2種類、さらにもう一つ新しい仕事を増やすと言う。そして勉強漬けの毎日を送っていた。

鬱と慢性疼痛により慢性疲労気味で、活動時間がウルトラマン並みに短い私にとって…信じられない位エネルギッシュでパワフルな人に見えた。

そして、とても変わっている。
私はこの変わっている❗️に弱い。
クセ強めの男

もっとみる
大失恋の話 ①

大失恋の話 ①

そのころ、私はとても辛かった。

時はコロナ禍の真っ最中。
歯科での医療過誤が原因で、難治の神経疼痛を患っていた。
神経痛と言うのはご存知の通り、一生うまく付き合っていくしかないものだ。

そして、よく知られている事ではあるが、慢性疼痛と抑うつ症状は仲良し、アルコール依存とも仲良しなのだ。

歯科治療の抜歯が原因で神経を損傷し、右下唇の一部と右下半分の口腔内において、
錯感覚でヒリヒリとした灼ける

もっとみる