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アート巡り

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美術展感想、アート書籍のことなど
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タケダコウヘイさんのグループ展ヘ

タケダコウヘイさんのグループ展ヘ

独特の生命感が強烈な印象を残す画家/イラストレーター、タケダコウヘイさんの展示を観て来ました。

牛を描く理由……

人もまた、骨格に皮をかぶせたものに過ぎないのかも知れず、けれど内にどうしようもない衝動を抱えながら。

私がこれまで購入した絵は鳥、動物、風景。あとは女性の天使。
またしても天使だ!🪽

天使に惹かれてしまうのはなぜだろう。その翼はあまりにも儚い。

展示は29日まで。

表参道

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【横浜トリエンナーレ|野草】鑑賞記録3

【横浜トリエンナーレ|野草】鑑賞記録3

今日は横浜トリエンナーレの三箇所の会場をまわって足と脳が疲れました。
もう「遊びは終わりだ」感がすごい。
紛争、環境、社会問題……
キュレーターは、昨今の各地の芸術祭がスペクタクルのみになっているのではないかという危惧があったといいます。今回、問題だらけの世界と対峙する作品が並びましたが、極端に振られすぎ感は否めません。これは横浜トリエンナーレでやることなのかなぁ、というものも。
親子連れも多いで

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オラファー・エリアソン展で体験

オラファー・エリアソン展で体験

麻布台ヒルズギャラリーで明後日まで開催中の「オラファー・エリアソン展 相互に繋がりあう瞬間が協和する周期」に行ってきました。

環境問題的なコンセプトの作品が並びます(ざっくり)

大掛かりだったのはこちらの《瞬間の家》2010年
暗闇の中で跳ね回るホースから飛び散る水の軌跡が、ストロボの光で瞬間の形を作ります。

ストロボが点滅してますので、敏感な方は光過敏性発作に注意かもしれませんね。私も得意

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【曽根崎心中 】BUNRAKU 1st SESSIONを観て

【曽根崎心中 】BUNRAKU 1st SESSIONを観て

有楽町よみうりホールで開催中の文楽入門公演 「BUNRAKU 1st SESSION」を観てきました。

演目は「曽根崎心中」天神森の段。入門ということで解説つき。新しい試みとして背景が大道具ではなく、ジブリ映画などの背景画を手がける男鹿和雄氏の絵によるアニメーションになっています。

曽根崎心中とは

実際に起きた心中事件の1ヵ月後にはもう劇場にかかっています。当時のニュース、ワイドショーといっ

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【横浜トリエンナーレ】2

【横浜トリエンナーレ】2

横浜トリエンナーレについては、ちょこちょこ書いてマガジンにまとめていこうと思う。

15日のトークイベントの印象を新鮮なうちに記しておく。

最初の登壇者はアーティスティック・ディレクター(キュレーター)の二人だ。

リウ・ディン(劉鼎)
キャロル・インホワ・ルー(盧迎華)

普段着のような出立ちで登壇したが纏っている空気が流石に違う。例えるなら「活動家」。今どきの日本人には見かけない面構えである

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【有刺鉄線】現代アートはコンセプトが命*横浜トリエンナーレ

【有刺鉄線】現代アートはコンセプトが命*横浜トリエンナーレ

宇宙のけし粒のような人間の一瞬にも満たない儚い命でありながら、この地球上で同時に生きている存在のかけがえのなさを思う時、直接会える人には今会わないと、直接聞ける人の話は今聞かないと、と思うようになりました。
モーツァルトにもエジソンにもピカソにも会えないし、直接話を聞くことはできないけれど、今同時代を生きているアーティストが、何を考えているのかは直接聞くことができる、これはとても貴重なことです。

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BIG ISSUE VOL.474 に載っていた廃材動物アーティスト加治聖哉さんの作品、カッコいい!強度があって子どもが乗れる。タイトル「神籬(ひもろぎ)」は地鎮祭とかにある臨時の依代。こんな神籬だったら神様の厨二心刺激されて(やったー!)入ってやってもいいがな、みたいになりそう

落合陽一「幽体共鳴する空性の桜」

落合陽一「幽体共鳴する空性の桜」

渋谷サクラステージで開催中の、落合陽一「幽体共鳴する空性の桜 -Phantom Resonance of nulled cherry blossoms-」を観てきました。

渋谷サクラステージってどこ?
渋谷の再開発には全然追いついてなくて、すっかりお上りさんです。
渋谷ストリームから連絡通路で行かれるみたい。
渋谷ストリームってどこ?
渋谷の地下通路は蟻の巣状態。

渋谷サクラステージは渋谷スト

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ゴースト【心】エンジニアリングとは?

ゴースト【心】エンジニアリングとは?

先日行った「創造と生成」展では、関連事業として無料フロアで「MOTアニュアルextra」というのが開催されていた。

東京大学の展示が面白かった。技術的な進歩には思想的な裏付けが必要なんだなと思った。

茶室の「躙口をくぐるとき視線は一度断絶し、再び顔を上げると別世界へ入る」という部分について、私が以前書いた記事の日本人の「お辞儀」に通じると思った。

コメント欄にて、お辞儀が一旦視線を外すことに

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MOT【シナジー、創造と生成のあいだ】

MOT【シナジー、創造と生成のあいだ】

東京都現代美術館で開催中の「MOT ANNUAL 2023 シナジー、創造と生成のあいだ」を観てきた。
「創造」と、近年社会的注目を集める「生成」のあいだを考察する、若手作家を中心としたグループ展である。
とても良かった。
乱暴に言ってしまえば、現代アートがネクラからネアカになってきた、あるいは暗いも明るいもないスタンダードなものになりつつあるのかもしれない。
もともとテクノロジーと親和性の高い

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欲張りな私に神さまからのプレゼント

欲張りな私に神さまからのプレゼント

そぞろ書房さんという古本屋さんでこんな新春企画をやっていました。

古本5冊持っていくと、おみくじ1回引けるというもの。
おみくじの内容はといいうと、

ということで、大当たりは店内の本どれでも1冊プレゼント!ホントに?!どれでも?!

今年まだおみくじを引いていない私は、是非とも運試ししてみたい!神さまにお願いしたらいける気がする!と都合の良い自信を持って、手離しても良い本を5冊見繕い、意気揚々

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おすすめ大人の絵本

おすすめ大人の絵本

おすすめの絵本を3冊ご紹介します。
絵本といっても子ども向けではなく、大人が“所有する喜び”を得られる本です。

まずは、

「夜の木」
シャーム/バーイー/ウルヴェーティ
青木恵都 訳

インドの工房で手漉き紙にシルクスクリーンで印刷し、手製本で一冊ずつ仕上げられたハンドメイドの絵本です。
年に一度3000部だけ作られ、船でインドから運ばれて来ます。

中央インド出身のゴンド民族のアーティストが

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秋葉原〜恵比寿イルミネーション巡り

秋葉原〜恵比寿イルミネーション巡り

先日、NHKの番組「プロフェッショナル 壁が、壁でなくなるように ~研究者 落合陽一~ 」を視て、ほぼ初めて落合陽一氏を知りました。
私はアート好きではあるのですが、これまで私のタイムラインには登場して来なかったのです。研究者とアーティストが、ひとりの人物の中にあることの、とてつもない大きな力を感じました。
NHKプラスで12/26(火)午後8:41まで配信中、おすすめです。

その落合陽一氏が手

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絵を買う絵を飾る

絵を買う絵を飾る

芸術の秋、ということで私のコレクションの一部をご紹介します。

初めて絵(原画)を買ったのはいつだったか振り返ってみると、中学生の時に友達のお姉さんが描いた宇宙戦艦ヤマトの模写絵を50円で買ったことがありました。でもまあこれはオリジナルじゃないしノーカウントとしましょう。

大人になって「絵を買う」最初の一歩になったのは、Twitterで知った柚月さんの絵でした。

柚月さんのX ↓

2018年

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