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【現代詩】『花魁道中』とくしま文学賞2014年佳作

『花魁道中』赤黄緑紫

右脳一杯 咲き誇る
蛇腹の気持ちに揃いの値札。
貴方に買われる日を待ち侘びるー
=尽きせぬ欲は〆勘定に入れぬ=
未完の洋菓子の様な気持ちは
決して下世話な煎餅ではない

売れ残る√
気持ちは処分 せねばならぬよ
“いぢらしい”そう、
黙って少しのレモンを搾る。
感情マニアの貴方は爛れたビー玉の
心のまんまで合せ鏡の中練り歩く
日々の途中であわよくばポーズ決めるため。
そして、現金掛け値なし〆繰り上げの人生は
現地集合現地解散、ドミノ倒しの様に切ない
両手放しの特急列車に 心、売り飛ばして今日が終わる。
譬え切り捨て御免の華が
左脳一杯 咲き乱れてもーーー。

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遣る瀬ない想い
花束に
心配の分だけ
折り紙を織る、綾取をとる

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陳列されて止まぬ気持ちは
北風に吹かれ
今に何処かへ売り切れそう〆
誰も知らない路地裏に
はたと“一円玉”
情深げに小雪が降れば
√心臓ごと涙、堪え
人生最後の月に見惚れるーーー。



あかきみどりむらさき
2014ねん



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