sasaki mitsuhiko

1983年生まれ。イラスト、漫画、物語を書きます。 HP: https://inter…

sasaki mitsuhiko

1983年生まれ。イラスト、漫画、物語を書きます。 HP: https://interwall.jp  漫画「インターウォール」絶賛?発売中です。https://goo.gl/jjYpXE noteはらくちんでいいな…。

マガジン

  • ショートショートストーリーズ

    お昼休み、お弁当を食べながら読もう!とっても短い物語「ショートショートストーリーズ」。SFからホラーから童話まで。

記事一覧

自由に向かって

sasaki mitsuhiko
2か月前
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8/8 漫画「キャットウォーク」発売します

いつも私の漫画を楽しみに読んでくださる読者の皆様、素敵なプラットフォームを提供してくださるnote編集部の皆様、こんにちは。 今年の2月22日(猫の日)にnoteで公開し…

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ぼくが死んだ

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僕は泣かない

僕は泣かない 僕は泣かない 絶対に 僕は泣かないって、そう決めたんだ * 玲子が起こしにいくよりも先に、宗太郎はすでに布団をたたんでいた。たたむと言っても、掛け…

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無について🦉

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たった一人のお客さま

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不思議の国のアリス

アリスが穴に落ちていくところを描いてみました。壁紙になっています。pc、スマホ、どちらもどうぞ。お家時間が楽しくなりますよーに…。 pc スマホ

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ER

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今日の終わりに...

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悪魔

久子はその手紙を手に取り、思わず口を押さえていた。 アイボリー色の便箋に、赤い文字。 その内容は、娘・涼香への憎悪で溢れていた。 死ね。 おまえなんか死ね。 殺す。…

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2度目のブラックジャック

自動ドアが開いた瞬間、ロビーにいた皆の視線がその男に注がれた。 全身黒ずくめ。顔には深い傷。 皆、口々に噂をし始めた。 あれが、ブラックジャック——————。 — …

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手話

電車に乗っていた時、突然肩を叩かれた。窮屈な満員電車の車内。なんとか振り向くと、1人の女性が僕を見ていた。髪の毛が長くて、綺麗な顔をした人だった。 なんだろうと思…

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Fashion show

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星ひろい

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わたしの記憶

わたしの記憶には、わたしが登場する。 わたしは、ひょっとするとわたしではないのかもしれない。

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バイナリの子ども

「バイナリの子ども裁判」は日本裁判史上における最大の事件となった。生命とはなにか。まさにその命題が問われた裁判だったからである。 事件の発端は、九州のとある区役…

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8/8 漫画「キャットウォーク」発売します

8/8 漫画「キャットウォーク」発売します

いつも私の漫画を楽しみに読んでくださる読者の皆様、素敵なプラットフォームを提供してくださるnote編集部の皆様、こんにちは。

今年の2月22日(猫の日)にnoteで公開した漫画「キャットウォーク」が、rnpressから発売されることになりました。※公開は終了しました。

今回はなんと漫画版と小説版、両方が掲載されています。また、noteに公開した漫画に加えて、加筆したページも多数収録しています。

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僕は泣かない

僕は泣かない

僕は泣かない

僕は泣かない

絶対に

僕は泣かないって、そう決めたんだ



玲子が起こしにいくよりも先に、宗太郎はすでに布団をたたんでいた。たたむと言っても、掛け布団と敷布団をひとまとめにして、二つ折りにしているだけだ。その上に、ちょこんと枕が置かれている。宗太郎は、もうずっとこのたたみ方をしている。二つ折りにした布団を開けば、またすぐに寝られるからだ。合理的なやり方はいかにも宗太郎らしい

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不思議の国のアリス

不思議の国のアリス

アリスが穴に落ちていくところを描いてみました。壁紙になっています。pc、スマホ、どちらもどうぞ。お家時間が楽しくなりますよーに…。

pc

スマホ

悪魔

久子はその手紙を手に取り、思わず口を押さえていた。
アイボリー色の便箋に、赤い文字。
その内容は、娘・涼香への憎悪で溢れていた。

死ね。
おまえなんか死ね。
殺す。
ぶっ殺す。
八つ裂きにする。
ナイフで、包丁で、切り刻む。
チェーンソーで首を切り落とす。
ビール瓶で頭を叩き割る。
目をえぐる。
鼻を削ぐ。
唇を噛み砕き、舌を切り落とす。

そこまで読んで、久子は目を伏せた。

「これ書いたの、

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2度目のブラックジャック

自動ドアが開いた瞬間、ロビーにいた皆の視線がその男に注がれた。
全身黒ずくめ。顔には深い傷。
皆、口々に噂をし始めた。
あれが、ブラックジャック——————。



数時間前に、この病院には瀕死の重傷を負った少年が運び込まれていた。
母親はロビーで涙を流しながらうなだれていた。
彼女は、ブラックジャックの姿を見つけるやいなや、彼に駆け寄りすがりついた。
「お願いです、私の息子を助けてください!」

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手話

電車に乗っていた時、突然肩を叩かれた。窮屈な満員電車の車内。なんとか振り向くと、1人の女性が僕を見ていた。髪の毛が長くて、綺麗な顔をした人だった。
なんだろうと思っていると、その女性がいきなり手話をし始めた。なんだか少し怒っている様子だ。僕はどうしていいかわからず、彼女の目を見ながら、ただただうなづいた。

耳が聞こえないって、大変だろうなと思った。満員電車なんて、特に怖いだろう。痴漢に、酔っ払い

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わたしの記憶

わたしの記憶には、わたしが登場する。

わたしは、ひょっとするとわたしではないのかもしれない。

バイナリの子ども

「バイナリの子ども裁判」は日本裁判史上における最大の事件となった。生命とはなにか。まさにその命題が問われた裁判だったからである。

事件の発端は、九州のとある区役所で提出された一通の出生届けだった。夫:多田一也、妻:道子。ともに30歳になる二人の間に出来た、待望の子ども、ハルカ。この出生届けには不備があった。母子健康手帳である。「産院で受け取っているはずですから、必ず提出してください」担当に当たっ

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