千縁

千縁(ちえん)です。手のひらに乗るような小さなことから、手の届かない遥か宇宙の果てまで…

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千縁(ちえん)です。手のひらに乗るような小さなことから、手の届かない遥か宇宙の果てまで心を遊ばせたい。思考は自由だ。そんなわたしのnoteはテーマが決まっていなくて、気まぐれです。その時々の書きたいものを書いています。お付き合いくださると非常に喜びます。

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    1週目7本「手のひらサイズ」 考察・評価・感想・次回予告

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弥太郎とお月様(童話)

「今日も月がきれいだなぁ」 「おまえはまた、月ばっかり見て」 弥太郎は、床に寝そべって、頬杖をつきながら月を見ていた。 あたりはもう暗くなっていて、夜空にぽっかり月が浮かんでいた。 「おらはこの季節がいちばん好きだ。なんたって月が一番きれいに見えらー」 「まあ、確かにそうさな。でもおめーは、この月見団子が好きなんだろー?」 「確かにまちがいねー」 弥太郎は月を見ながら、おっかあが作ってくれたお月見団子をほうばって、いつまでも月を見つめて、お腹いっぱいで幸せな気持ちで眠り

    • 感慨をかえせ!

      ああ、他人さまにはどうでもいいけど、記録しておきたいこと、もうひとつあった。 子ども6歳娘、保育園の卒園式も終わって、保育園の登園の最後の日の記録。 この日は雨。結構な雨。なんでやねん。こんな日に限って。 子どもの保育園の最後の日には、最後の通学の道すがら、この道を子どもを後ろに乗せて自転車で走るのも今日で最後なのね、なんて感慨と感涙をなんとなく想像していた、卒園までの日々。 そりゃ4年もほぼ毎日せっせと送り迎えして、通った道ですし。ホロっともくるだろうと、保育園最後

      • 最近気づいた自分の行動の矛盾

        最近ね、気づいたんですよ。 書きたい焦りで握りしめた携帯やiPadには、何も残せていないこと。 追われる時間のなかで、とにかく思いついたら携帯にメモろうと握りしめた結果、何も浮かばないまま、snsや動画やメールなど、余計なものを見て、時間を浪費してしまう。 そしてさらに、頭を疲れさせてしまう、悪!循!環! 携帯おそろしい! どうにかしたくて、この現状 だから、最近、その携帯を握りしめる代わりにクロッキー帳とペンと色鉛筆、持ち歩くし、そばに置くようになったら、結構いい

        • 桜と微笑み(超ショートショート)

          桜のはなびらが舞う 彼と公園のベンチでふたり見上げていた きれいだね 言うと、彼もそうだね、と言う あ、花びら と彼が、わたしの肩に手を伸ばした えっ? と、わたしも伸びた手に視線を向けた すると わたしの頬に何かが優しく触れた えっ? びっくりして彼を見ると 彼はイタズラっぽく微笑んで キスをした

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          ランドセル初日、学校初め

          他愛もないこと、だけど記録したい日。 娘6歳が入学式を終え、今日から小学校に通い始めた。 仕事始めならぬ、学校初めだ。 今日はあいにくの雨。結構強めの。しかも風も。ランドセル初日なのに。 家の中でも、わたしに朝から雷を落とされ、悪天候。ランドセル初日なのに。 保育園の時とは違い、怒られて泣きじゃくっても、時間がないこと、遅れると学校に行けないことを伝えると、パパに抱っこしてもらって甘えていた娘もグッと持ち直して、パパから離れて立ち上がった。 おお、持ち直した。少し感動

          ランドセル初日、学校初め

          ことば遊びをしているんだな

          わたしはずっとことば遊びをしている 今日自転車に乗って、いささか達成感に酔っていたらふと思った ひとりの時はことばや文章を生み出す思考で 仕事の時はことばをこねくりまわして連結させる思考で ことばと対峙する毎日を送っている その毎日はとても楽しい それが一番好きだ 深く深く潜って、集中しているとき、ことばが勝手に遊ぶとき、わたしの身体はどこにもいない まるでメタバースに没入するかのように、違う次元に漂っている ああ、そこで、恋愛もしたし、大空もはばたいた。花

          ことば遊びをしているんだな

          いい時間をすごしていたんだと

          長編小説のプロットはかいたものの、物語のメンバーたちが動くあたまの隙間がないよ。 ずっとバタバタしている。 去年は年末に叔父が死んだ。それにわたしの転職や娘の卒業と進学準備など。もう春がそこまで来ているのに、あれからノンストップ。 いろいろのことがつららのごとくながーく連なっている。そのうち、つららが重みで折れて、わたしは射抜かれて倒れるかもしれない。 物語をこねくり回すには、頭の中を占領させる時間と集中力が必要なんだけど、その暇がない。 そう思うと、去年は、いい時

          いい時間をすごしていたんだと

          ダンシャリするかイナかそれがモンダイだ

          おはよう わたしにはもう何年も捨てるか悩んでいるものがある。 それは、18歳くらいの時に買ったアコースティックギターだ。 明るい透明感のあるブルーのコンパクトなボディに、女性や手の小さい人用におさえる弦の隙間が狭く作られているものだ。 若くして上京して歌手の夢を目指したが、道半ばに断念した、その時ともに生きたギター、とかでは残念ながらない。 歌手にはなりたかったけど、ボイトレにも通ったこともあったけど、その時行っていた専門学校を辞めて方向転換するほどのめり込むことはなか

          ダンシャリするかイナかそれがモンダイだ

          そっと差し出された手を感じた瞬間

          昨日、6歳娘の遠足の日だった。 卒園前の最後の遠足だった。 2歳からお世話になった保育園、だから4年も通ったんだ。 遠足が終われば、残す大きなイベントは卒園式のみ。 ああ、そうかそうなのか。 娘よ、次のステージに旅立つんだね。 そんな気持ちで最近過ごしているから、最後の遠足は良い思い出になるように、準備してあげたかった。 とは言っても、私は荷物を用意して、お弁当を持って行かせるくらいのことだ。 前日はひな祭りもあったし、そっちに気をつけて取られて、お弁当の買い物を、実

          そっと差し出された手を感じた瞬間

          人喰いデジタルサイネージ(短編小説)

          みずきは、自分の背丈もあるその動画、デジタルサイネージの表面をタップした。 すると、みずきの身体はフラッシュのような眩い閃光を浴びたかと思うやいなやその場から一瞬で消えた。 ⭐︎ 11月に入り、昨日までハロウィンだっだはずの街の色は、クリスマスにあっさりと色を変えた。 「せっそうないなー」 その街の移り気の早さに、みずきは面白くなさそうにつぶやく。 きのう、みずきの勤める保育園では、ハロウィンイベントがあった。仮装の準備やお菓子の準備、当日の進行など、先輩にお尻を叩

          人喰いデジタルサイネージ(短編小説)

          ごうまんなこころ

          あなたのこころを ひっかきまわしたい おいかけまわしたい おいつめたい あなたのこころに もぐりたい のこりたい すみつきたい あなたのこころに 真っ赤にもえる火をつけたい おだやかにともる火をつけたい ともしびになる火をつけたい そしていつのまにか 風に乗って いなくなる

          ごうまんなこころ

          ルッキズムに対抗する手段

          実力行使だ きみだけの魅力を放て それしかない

          ルッキズムに対抗する手段

          あなたは物語をどうやって書いていますか?

          若い頃は赤が好きだったなー。ここ5.6年は緑とうす紫で、最近は青と水色が落ち着いてよかった。今日は急に赤もいいな、なんてまた思って。そんな心境の変化を感じて思いついたハナシ。 もの書きの人はどんなイメージが頭に浮かぶんだろう。絵や写真のイメージなどが先行して書くのか。概念が浮かんで、それをストーリーで説明するように書くのか。はたまた何か生活の出来事をきっかけに思いつくのか。 わたしは大体、絵や写真、風景などの色のついたイメージが先行する。その雰囲気にあった物語をつくる。

          あなたは物語をどうやって書いていますか?

          毒吐きスイッチ

          先日、東京に雪が降って、夕方から朝にかけて降り続き、確か7センチくらいの積雪になった。久しぶりにサクサクという音を聞いて道を歩いたら心が浮き立った。空気がピリッと冷えて、肌がひりつく寒さも気持ちよかった。 「おかーさん、なんで、ここの氷は固いの?」 翌朝、雪の道を歩いて登園する道中、足の踏み入れられていない雪の場所と、踏み固められてガチガチで、気を抜くとするっと滑りそうになるあの道の違いに気づいた娘に尋ねられ、踏み固められたからだよ、 なんて易い答えじゃ娘が満足しないこと

          毒吐きスイッチ

          それがたのしくて

          埃が降ってきてるみたい 大きな埃はストーンと落ちる 小さな埃はフワフワとまわりながら落ちる 埃に見える氷の結晶は次から次に降ってくる 音もなく静かに街を真っ白に染めた 楽しくて、ただ空を見ていたら まつ毛に積もった わたしの視界も覆われていくのがまた楽しくて

          それがたのしくて

          かぐやひめのジジイとババアの気分

          夫に感じるそれと、娘に感じるそれには大きな差がある。 なんでだろう。 夫は、人生の伴侶であるが、伴侶っていうか、分身っていうか。 空気みたいに当たり前にそばにいるとかじゃなくて、もう少し存在感がある。 わたしの右手であり、左手であり、わたしは、彼の右手にもなり、左手にもなる。なんだか存在が混ざり合っているようなそんなとても近しい存在。 いろんなことをいつも話し合って、喧嘩したり、慰め合ったり、泣いたり、笑ったりしながらも、一緒に乗り越えてきたので、足音ひとつ、背格好ひと

          かぐやひめのジジイとババアの気分