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セクトポクリットのコンゲツノハイク【2024年4月】 12句選
電流の流るる如く白魚汲む 山口昭男(秋草)
旧正の大きな栗鼠の頬袋 鬼頭孝幸(秋草)
舐めてとる指のささくれそぞろ寒 武田稜子(伊吹嶺)
冬ひでり極細ペンで刺す聖地 堀之内長一(海原)
海鼠嚙むあづま男をはかりかね 山尾玉藻(火星)
文机は正座の高さ初日記 半田貴子(鷹俳句会)
水槽の怒りし河豚と待たさるる 草子洗(田)
師の横に畏まりつつ初電車 岡辺明代(南風)
作らねば出てこぬ夕餉冬の鵯 市原
セクトポクリットのコンゲツノハイク【2024年3月】 12句選
なんとなく雨の明るし立子の忌 松田晴貴(秋草)
逆さまのドライフラワー都鳥 加藤綾那(秋草)
座り立ち座り立ちして卒業す 後藤信雄(火神)
終点にやらかした顔冬帽子 山川三郎(銀化)
干柿や天守より朽ちラブホテル 村越敦(澤)
空缶の試し撃ちなり狩の宿 新村秀人(澤)
子の最期知る人の無し厚氷 天地わたる(鷹俳句会)
熱の子へはつゆき雨に混じりつつ 今泉礼奈(南風)
聖樹の灯消して売場に薄き闇 五
第1回鱗kokera賞 好きな句
3月1日に第1回鱗kokera賞(選者が村上鞆彦さん、西村麒麟さん、鴇田智哉さんで豪華!)の結果が発表されました。
受賞作が鱗kokeraさんのホームページに掲載されていました。みなさんの未発表15句連作が読めるので面白いです。
好きな句を挙げます。
◎鱗賞「徂春の匙」 内野義悠
流氷来からつぽの胃の輪郭へ
はつゆきのひらと造花を信じきる
◎鱗賞「水没」 牧野冴
魔女に火を借りるナースや
セクトポクリットのコンゲツノハイク【2024年2月】 20句選
蜜柑むく指がきれいで騙される 加藤綾那(秋草)
雨粒の那由多の灯る十夜寺 田邊大学(秋草)
小六月玉が玉突く玉の音 村上喜代子(いには)
自転車を鳥居にとめる三日かな 岡田由季(炎環)
コンビニの四角く煌と時雨れけり 山尾玉藻(火星)
せつせつと芋虫の斑の波打てる 蘭定かず子(火星)
冬の夜や閉ぢて鏡を休まする 峯尾文世(銀化)
火葬場の丸きスイッチ曼珠沙華 夏目たかし(櫟)
背後