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筋肉痛は筋トレの指標にならない

今回は『筋肉痛』について。

筋トレ初心者ならはじめは激しい筋肉痛に悩まされるでしょう。

中・上級者なら若干の恍惚感を覚えるのではないでしょうか?

しっかりと追い込めたな

ある種の満足感でしょうか。僕も感じていました。

これは筋肉痛=筋肉の損傷であり
筋肉の損傷=筋肉を大きくする条件(筋肥大)

と考えられているからです。

たしかに筋繊維損傷と筋肥大に関するエビデンスは数多くあります。

しかし近年の研究では、筋肉痛は筋肉の損傷とは比例しないことが分かってきています。

激しい筋肉痛があっても筋肉は損傷していないこともあれば、筋肉痛がなくとも筋肉が損傷していることもあります。

例えば長距離マラソンや傾斜を走るトレッドミルでは、激しい筋肉痛が起きても筋損傷が起きていないことが確認された研究もあります。(1)

実は2020年現在も筋肉痛に関してのメカニズムは全て解明されていません。


そもそも筋肉痛とは?

一般的に言われる筋肉痛は遅発性筋肉痛と呼ばれ、英語ではDOMSといいます。(Delayed onset muscle soreness)

一般的にエキセントリック収縮とよばれる筋活動を行うと、筋肉痛が起こりやすいと言われています。

このエキセントリック収縮はベンチプレスで言えばバーベルを上げる運動ではなく、バーベルをゆっくりと下ろすときの力を入れながら大胸筋が伸ばされるような運動の事をいいます。

そうきくとまさに筋肉の損傷が原因のように思えます。

しかし現在筋肉痛は筋繊維損傷の結果というよりも、さまざまな疲労物質結合組織(筋膜等)の損傷における結果だと考えられています。


筋トレの質は筋肉痛ではなくパフォーマンスで測ろう

つまりは筋トレの結果、筋肉痛が起こらなくとも筋肉は大きくなるし、筋肉痛があっても筋肥大しないこともあるのです。

では何でそのトレーニングの成果を判断すればいいのでしょう?

シンプルにパフォーマンスで判断してください。

・先週よりも重量が上がった。
・行えるレップ数(反復回数)が増えた。

などのパフォーマンスで判断するのです。

さらに判断を容易にするために、

①各セットごとにオールアウトする(もうできないところまでやる)

②フルレンジで行う(パーシャルレンジでやらない)

③チーティングは少なめ(できるだけストリクトに)

④基本は中重量(コントロールがしやすいため)

⑤トレーニング記録を付ける(種目・セット数・レップ数)

を意識してみてください。

そうすることで前回のトレーニングとの比較が容易になり、今のトレーニングボリュームや種目が効果的かどうかがわかりやすくなると思います。


筋肥大にはプログレッシブオーバーロードが大原則

筋肉を成長させるには、プログレッシブオーバーロードとと呼ばれる徐々に負荷を増やしていくトレーニングが大原則です。

そのためには重量を上げていくか、セット数を増やしていってトレーニングボリューム(使用重量×セット数)を上げるしかありません。

そのためには回復時間も重要です。

回復が追いつかず、次のトレーニングで使用重量もしくはレップ数が伸ばせないとオーバーロードが達成できず筋肥大には繋がりません。

この意味において、筋肉痛で本来の力が出せないのであれば、時間を空けて回復させる指標にするのはいいと思います。


筋肥大のために正しいボリュームと回復時間でトレーニングができているか。

パフォーマンスをしっかりと確認しながら行ってみてください。


いかがでしたしょうか?

皆さんのヒントになりましたら幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました!


参考文献

(1)Eccentric contractions leading to DOMS do not cause loss of desmin nor fibre necrosis in human muscle

(2)Is Postexercise Muscle Soreness a Valid Indicator of Muscular Adaptations?

(3)The Science of Sore – DOMS explained

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