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言葉、日本酒、美術、法律が好き|アイコンの謎の生き物は、妻の大切な友人です|私設企画 …

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言葉、日本酒、美術、法律が好き|アイコンの謎の生き物は、妻の大切な友人です|私設企画 #磨け感情解像度 佳作

マガジン

  • 大切にしているもの

    家族や友人、身の回りのこと

  • 言葉、アート、世界

    ちゃんと考えたこと

  • いいから真面目にふざけろ

    くだらない文章にこそ命を懸けたい。

  • 日本酒を紡ぐ

    愛してやまない日本酒への想い。

  • ずっと忘れないもの

    出逢えたことに心からの感謝を。

最近の記事

旅立った空に映る色

週末、この夏に亡くなった伯母を親族で偲ぶ会があった。伯母に想いを馳せながら久々にゆっくり言葉を交わす時間があるといいね、と話していた葬儀が八月の終わり。もう、四ヶ月近くも経っていた。 雲ひとつない小春日和の中、最寄駅から川沿いを歩いて会場へ向かった。やわらかい日差しを浴びて心穏やかになったのも束の間、会場の入口を間違えていたことに気づいた。近くで迷っていた弟と鉢合わせ、小走りで到着した頃には兄弟そろって汗だくになっていた。 ぼくの従兄弟である、伯母の長男の乾杯で会は始まっ

    • 西武線の広告の謎を解く

      今日乗った電車でヘッダー画像の広告を見かけた。いたって普通の広告だが、「西武線を」の「を」は果たして助詞として適切な使い方なのかどうかが気になった。 「乗る」が取る助詞は「に」が一般的である。「西武線に乗る」なら違和感がないと思い、試しにコーパスで調べてみたところ、概ねこの感覚で間違ってはいなさそうだった。「を」に続けたいのであれば、動詞を変えて「西武線を何度も使うと」みたいにした方が自然な気がする。 とはいえ、大手鉄道会社が大々的な広告でそんなあからさまに間違った文章を

      • 週末の宵は料理に推し短歌

        日曜の夜といえば普段は料理しかしてない、うそ、料理しながらお酒飲んでるだけなんですが、今日は料理が美味しくできて、うそ、お酒が美味しくて歌を歌ってしまいました。短歌ね。 以前、遠山エイコさんとMicaさんが #推し短歌 なるものについて書かれていたのをお見かけしました(エイコさん、昨年夏以来まともにお声掛けするタイミングを逸し続けて幾星霜まじすみません。推し短歌めっちゃよきでした。Micaさんはドラゴンボールクイズの答え早く教えてください)。 短歌といえば、ぼくは若山牧水

        • 「大きい主語」が奪うものと救うもの

          いつからか、主語の大きさを意識する機会が増えました。「大きい主語」という言葉の意味自体はフラットですが、「主語が大きい」「大きい主語を使わないよう気をつける」など、どちらかといえばネガティブな要素を伴った文脈で使われる表現な気がします。 実際は個別具体的な話をしているにもかかわらず、「日本人は」「男性は」など、属性の問題であるかのように一括りにして一般化するケースが典型です。ほかにも「社会人なら常識だ」「世間が許さない」など、個人の見解をあたかも普遍的な規範のごとく語るケー

        旅立った空に映る色

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          41本
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        記事

          マリアの記憶

          高校二年生の冬に、オランダのアムステルダムを訪れたことがあった。サッカー部のOBがオランダのプロサッカーチームでトレーナーをしていたのがきっかけで、研修という名目で在校生を呼んでもらえる幸運に恵まれたのだった。 両親と一緒に海外旅行をしたことはあったが、欧州の地を踏むのは初めてだった。木々の映る運河に囲まれた美しい街並み、初めて耳にする言語、異国で仲間と過ごす時間。多感な17歳には有り余るほどたくさんの刺激に満ちた一週間を過ごした。 練習の合間、グループに分かれてアムステ

          マリアの記憶

          ビジネス用語を哲学する #立ったり寝たり死んだり

          このシリーズ、日中に使ってた仕事モードの脳みそを解すのにちょうどよくて、帰り道の電車で思いつくままに書いてます。早くも3記事目になる今回は、何となくですます調でいきます。 仕事で「立ってられない」ってよく聞きます。し、よく言います。椅子に腰掛けたくなるじゃないですよ。辞書引いたら、「損なわれないで保たれる」とか「筋道がきちんと通る。また、しっかりと成立する」という意味があるようでした。これこれ。日常会話でも誰々の顔が立たないとか、理屈が立たないとか言いますね。 トラブルを

          ビジネス用語を哲学する #立ったり寝たり死んだり

          10年ぶりくらいに枕を買った日の日記

          noteの友人もすなる日記といふものを、我もしてみむとてするなり。 日曜にしては早起きだった。ウォーキングをしたかった。着替えて意気揚々とカーテンを開けたら雨だった。慣性の法則でそのまま妻と二人で家を出る。朝市をやってる近くのコンビニ着く頃には雨は止んで、折り畳み傘がただのお荷物になる。行き場のない怒りが爆発しそうなところで安売りのニンジンを見つけ、この世のすべてを許せる気持ちになる。 隣の隣町まで早歩きで行ってみた。平日に電車を降りてからの速さ(通勤スピード)で4km近

          10年ぶりくらいに枕を買った日の日記

          ビジネス用語を哲学する #○○ベース

          普段なにげなく使っているビジネス用語も、真剣に考察すれば深遠な世界が見えてくる。そんな思いで書く超適当ビジネス用語哲学の世界へようこそ。 仕事をしてると何かと「○○ベース」という表現を耳にする。ぱっと思いついた「本音ベース」について、まずは考えてみたい。 部下のモチベーションが上がらない理由に悩む上司が、「本音ベースで話し合おう」みたいなことを言う場面。「本音で話し合おう」と何が違うのかが不明である。おれの本音を聞きたいのか…?いや、あくまで本音をベースとした話し合い(何

          ビジネス用語を哲学する #○○ベース

          ビジネス用語を哲学する #おしり

          言葉について考えるのが好きで、毎日仕事ばかりしている。早晩、ビジネス用語を掘り下げたくなるのは当然だった。不思議な用語はたくさんあるが、めぼしいものから書いてみようと思う。 本日取り上げるのは「おしり」である。 おしりとは、四足歩行動物の胴の後方下部、すなわち臀部を意味する言葉である。別名は「尻」。桃にも似たその美しく神々しいフォルムに敬意を払い、丁寧語を添えて人々はおしりと呼ぶ。 ビジネスの場では、胴体の末尾という意味が転じて「締切」の意味で使用される。たとえば、書類

          ビジネス用語を哲学する #おしり

          いい加減と適当は奥深い

          ヘッダー画像の「イラスト」の検索結果に素敵な親子が出てきたので、以下、お母さんと女の子のやり取りでぼくの疑問を代弁してもらいます。 * ママ、学校の宿題が難しくてわからないの。お夕飯のお手伝いするから、その妥当な対価として手伝ってくれない? ー 普通に「手伝って」と言いなさい。 国語の宿題なんだけど、「適当なものを選びなさい」って書いてあるの。これどういう意味? ー あなたはどういう意味だと思う? 上司かよ。ええとね、適当って悪い意味でよく聞くから、「ふざけてるも

          いい加減と適当は奥深い

          自動詞と他動詞の境目を揺れ動く

          「破損する」は自動詞であり他動詞でもある。スマホは破損するし、スマホを破損することもできる。 自動詞のまま目的語を取り、使役動詞を付けて「スマホを破損させた」と書くこともできる。できるのだが、どうも違和感を覚える。使役ゆえ、わざと壊した印象を与えるからだ。誤って壊してしまったのであれば「スマホを破損した」の方がスマートだと思う。 「破損したスマホ」と連帯修飾する場合は両方に解釈できるが、どちらかというと自動詞に読める。「兄が破損したスマホ」と主語を添えれば他動詞になる。

          自動詞と他動詞の境目を揺れ動く

          わたしは予測変換を許さない

          会社のPCの予測変換に憤っています。怒りの矛先を向けるべきはIMEであって富士ストリートの端末ではないと承知していますが、とりあえず不満を述べさせてください。 「等」を打ちたいと何度言ったらわかるのですか。「当」を単独で使う場面が思いつきません。なぜこの字をいつも意気揚々と真っ先に提示してくるのか見当もつかない、みたいな熟語を書くときに使うんです「当」は。ソロデビューは諦めてください。 はいすみませんでしたと貴方が次に挙げた候補は「党」です。ブチギレそうです。いいですか。

          わたしは予測変換を許さない

          ハッピーアワーのハシゴ酒

          土曜日、桜木町の駅を出て野毛の飲み屋街を歩いてきた。行楽日和の三連休初日は、どこも軒先でジョッキやグラスを傾ける人で賑わっていた。 一軒目は、浜焼きのお店だった。無造作に網の上に乗せられて焼かれるハマグリと赤海老、名前も知らない大きな貝。赤海老の半身が焦げてきたところで、貝と一緒に上下を返す。パカっと開いてからは、磯の香りを漂わせながらぐつぐつしてるのをひたすら見守る。 貝殻から身が離れたら頃合い。海を閉じ込めたような旨味に唸りつつ、キンキンに冷えたレモンサワーを流し込ん

          ハッピーアワーのハシゴ酒

          稟議書と豆腐ひじきハンバーグ

          重めの稟議書を書く仕事を抱えている。ある業務の向こう一年以上先までの方向性を上席に伺うもので、決裁された暁には、部署内外の多くの関係者が参照する文書だ。 詳細は別紙に譲りつつ、背景や根拠をバランスよく。各項目のトピックセンテンスは、わかりやすく短文で。冗長な詳細は要らない。現段階で明言できること。できないこと。全方位に向けて立っていられる文章と構成。それでいて、企画の魅力が伝わる内容。 そう考えを巡らせながら書く稟議書でいつも頭を悩ませるのが、冒頭の要旨である。稟議書の目

          稟議書と豆腐ひじきハンバーグ

          推して「推し」を知るべし

          「推し」について考えていたらぐるぐるしてきて、ヘッダー画像の人みたいになってた。 今や市民権を得て久しい「推し」という表現。この字が、なぜ「推し量る」なんて表現にも使われるのかが気になった。このnoteが好きなアイドルや歌手、コンテンツについて語るものだと思って開かれた方にまずは平謝りしたい。 「推し」は便利な表現なのだと耳にしたことがある。(今も使われているが)かつては「オタク」とか「マニア」といった言葉の一部であった概念が独立したもので、自分の偏愛を公言するのにちょう

          推して「推し」を知るべし

          同窓会だよ #呑みながら書きました

          まtかおん、またこんな時間になってるよ。飲み始めたの16字くらいだったんだけどな。16時ね。久しぶりにPXでPCで書いてるんだけど、めっちゃ呉汁な。誤字るな。そう。最近スマホで書くようになったんですよ。通勤時間とか使って書けるのいい。 初回から参加もしてなければ、皆勤賞でもないんだけど、呑むのも書くのも好きです。つまり呑み書きは大好きです。マリナさんありがとうございまうs。す。 何か高価とか決めてないんだけどね。思いつくままに書こうそうしよう。 今日は、日曜日。毎週だい

          同窓会だよ #呑みながら書きました