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【和製メガテック企業】LINEヤフー株式会社

今回は、「LINEヤフー株式会社」をリサーチしました。
今年10月に誕生した「LINE」「Yahoo!JAPAN」「PayPay」などを擁する超巨大IT企業です。
それでは、さっそく見ていきましょう〜


①概要

基本データ

事業内容:インターネット広告事業、イーコマース事業及び会員サービス事業などの展開並びにグループ会社の経営管理業務など
設立
:1996年
上場市場:東京プライム市場
時価総額:3兆2700億円
従業員数:連結28385名 単体339名(平均年齢43.5歳)※
平均年収:912万円※
※会社四季報 2023年4集 秋号より

1996年に、ソフトバンクとアメリカのYahoo!が日本で作った合弁会社が初代のヤフー株式会社です。以降、ヤフーはソフトバンクグループとして事業を続けていました。
2019年に、ソフトバンクグループの再編に伴って、LINEなどの各社と経営統合してできたのが前身のZホールディングスです。
そして2023年には、PayPayとLINEペイの統合や保有する個人情報の一元管理など、さらなる事業成長を意図して、現在のLINEヤフー株式会社が成立しました。

ITmedia NEWSより

②事業内容

メディア事業:LINE広告、Yahoo!広告など
コマース事業:Yahoo!ショッピング、ZOZOタウン、アスクル、出前館など
戦略事業:PayPayなどのフィンテック事業など

傘下のサービスは今や生活に必要不可欠なものが多いですね。
今後、事業の統廃合を繰り返しながら各事業が成長すれば、理想的な3大柱が会社を牽引すると考えられます。

LINEヤフー株式会社公式サイトより

③業績

直近の決算

第2四半期決算短信より

営業利益:本業で稼いだ利益
経常利益:営業利益+本業以外の損益の合計
純利益:税金などを引いたあとの最終的な利益

売上高は順調に右肩上がりです。いい成長曲線ですね。
一方、利益水準は各年でばらつきがありますが、純利益は2023年に一気に伸長しました。合併によるシナジーが本格的に発揮されていけば、今後の成長性にも期待が持てそうです。

貸借対照表(B/S)

続いて貸借対照表を見てみましょう。
貸借対照表(バランスシート=B/S)は、その会社が持つ資産を可視化したものです。

流動資産:現金にしやすい資産(現金・受取手形など)
固定資産:現金にしにくい資産(土地・建物など)
流動負債:1年以内に返済が必要な負債(短期借入金・引当金など)
固定負債:1年以内に返さなくても良い負債(長期借入金・社債など)
自己資本比率:総資本のうち自己資本が占める割合。高いほど健全。

負債が若干流動資産を上回るのが気になるくらいで、自己資本比率も4割近く、財務上は問題がないように見えます。
IT企業にしては固定資産が多いのは、「のれん」(買収した企業のブランド的価値)や「無形資産」(特許などの知的財産)などの無形固定資産が多いことが影響しています。「LINE」や「ヤフー」といったブランドそのものが資産になっているということですね。

決算短信より

損益計算書(P/L)

続いて損益計算書です。
損益計算書(P/L)は、その会社がどう稼いで、何にお金を使ったのかを可視化したものになります。

売上高:本業で稼いだ収益
売上原価:売上を上げるために直接かかった費用
販管費:商品の販売や管理にかかった費用(広告費や賃料など)
営業利益/損失:本業で出た利益/損失
営業利益率:売上高のうち営業利益が占める割合。高いほど効率よく稼いでいる。営業損失の場合は算出できない。

こちらはIT企業らしく、原価が少なく販管費が多くなっています。
原価は仕入れや製造に関わる人件費が計上されるのですが、モノを作らないIT企業は、営業や広報などの人件費が計上される販管費が大きくなる傾向があります。
営業利益率は10%代と、IT企業としては平均かやや優秀なくらいでしょうか。3兆円の時価総額を持つ企業ですから、10%でもかなりのインパクトがあります。

株価の動向

最後に、直近5年間の株価推移です。

Google Financeより

前身のZホールディングス時代からの推移となります。コロナ禍以降2022年にかけては急速に株価が高騰しましたが、2023年以降は低迷気味です。当初期待されていたほど、サービスの統合がうまくいっていない点や、2023年第4四半期に純損益を計上したことなどが影響していると思われます。

今後の株価は、事業の再編の進捗と成長に大きく左右されることになりそうです。

④まとめ

以上、「LINEヤフー株式会社」についてリサーチした結果、
・日本を代表するIT企業が合併した”和製メガテック企業”
・今後IDの統一化など、事業シナジーを協力に推進していく
・財務状態は良好、「のれん」などの「無形固定資産」が多い
・株価は低迷気味

でした。

今後も個人的に気になった企業についてどんどんリサーチしていこうと思います。

参考資料

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