今回は、「ニトリホールディングス」をリサーチしました。
「お、ねだん以上。」のキャッチフレーズは印象的ですね。個人的にもお世話になっているお店です。
それでは、さっそく見ていきましょう〜

①概要

基本データ

事業内容：家具・インテリア用品（ホームファニシング商品）の企画・販売、新築住宅のコーディネート、海外輸入品・海外開発商品の販売事業
設立：1967年
上場市場：東京プライム市場
時価総額：1兆8000億円
従業員数：連結18909名 単体972名（平均年齢40.2歳）※
平均年収：787万円※
※会社四季報 2023年4集 秋号より

1967年に札幌で創業しました。
同社は、まず対象とする目的を掘り下げて、その課題を解決する「ワークデザイン発想」をもとに、数々のグッドデザイン賞受賞商品を送り出しています。2013年度から11年連続で同賞を受賞しているそうで、クオリティの高さを証明しています。
こうした高品質な製品を、整備された物流網を駆使して迅速に、かつ価格を抑えて消費者に届けるのが、同社の特徴と言えるでしょう。

②事業内容

ニトリは、祖業である家具販売店のニトリ事業と、2020年に買収したホームセンターの島忠事業の2本柱で経営を行っています。
家具とホームセンターのシナジーを生み出すために、「ニトリホームズ」という統合店舗を展開する取り組みなどを行っています。

また、ニトリは海外展開にも積極的で、2023年度期末時点で計187の海外店舗数を目指すとしています。

③業績

直近の決算

営業利益：本業で稼いだ利益
経常利益：営業利益＋本業以外の損益の合計
純利益：税金などを引いたあとの最終的な利益

第2四半期時点での業績では、売上高は横ばい、各種利益は減益傾向にあります。特に2021年以降は、コロナ禍での巣ごもり需要の一服や円安が減益要因として挙げられています。
ニトリは家具を製造しているので、原材料費の高騰やその輸出入に関わる円安が直接業績に影響を与えるようです。

貸借対照表（B/S）

続いて貸借対照表を見てみましょう。
貸借対照表（バランスシート=B/S）は、その会社が持つ資産を可視化したものです。

流動資産：現金にしやすい資産（現金・受取手形など）
固定資産：現金にしにくい資産（土地・建物など）
流動負債：1年以内に返済が必要な負債（短期借入金・引当金など）
固定負債：1年以内に返さなくても良い負債（長期借入金・社債など）
自己資本比率：総資本のうち自己資本が占める割合。高いほど健全。

自己資本比率が74％と非常に優秀な財務状況です。潤沢な純資産額で、さらなる設備投資や海外展開も進められそうです。
また、流動資産が負債をまかなえる金額にもなっており、文句の付け所がないBSではないでしょうか。
製造業なので固定資産が多額を占める点もポイントですね。

損益計算書（P/L）

続いて損益計算書です。
損益計算書（P/L）は、その会社がどう稼いで、何にお金を使ったのかを可視化したものになります。

売上高：本業で稼いだ収益
売上原価：売上を上げるために直接かかった費用
販管費：商品の販売や管理にかかった費用（広告費や賃料など）
営業利益/損失：本業で出た利益/損失
営業利益率：売上高のうち営業利益が占める割合。高いほど効率よく稼いでいる。営業損失の場合は算出できない。

営業利益率は、製造業や小売業としては10％を超えたら優良企業と言われます。ニトリはまさに優良企業と言えるでしょう。
売上原価および販管費に大きな差がなく、人件費や広告宣伝費、など幅広い分野にまんべんなく投資をしているものと思われます。

株価の動向

最後に、直近5年間の株価推移です。

株価はコロナショック以降盛り上がりを見せたあと、2022年以降下落し、その後横ばい圏です。
巣ごもり需要の拡大と、島忠の買収による期待感が株高を演出したものと思います。その後の需要一巡にともなって、株価も連動するように大きく下げており、今後は海外展開の成否が鍵を握るのではないかと個人的に考えます。

④まとめ

以上、「ニトリ」についてリサーチした結果、
・北海道を代表する一流企業
・財務は文句なしのパーフェクト
・円安や家具需要の一服により利益額は減少傾向
・それに伴い株価も横ばい圏
でした。

今後も個人的に気になった企業についてどんどんリサーチしていこうと思います。

参考資料

ニトリ決算資料
https://www.nitorihd.co.jp/ir/library/summary.html　https://www.nitorihd.co.jp/ir/library/briefing.html#2024%E5%B9%B43%E6%9C%88%E6%9C%9F　
https://www.nitori.co.jp/about_us/history.html