燿(hikari)

還暦を機に趣味の写真撮影が再燃。主に地元北九州で撮った風景、街、花、猫、野鳥などの写真…

燿(hikari)

還暦を機に趣味の写真撮影が再燃。主に地元北九州で撮った風景、街、花、猫、野鳥などの写真、若い頃の思い出、ヒーリングや瞑想について思うことなどの備忘録。1956年東京生まれ。2021年より北九州在住。

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Solo, Duo & Trio

お題企画 「#未来に残したい風景」受賞 ***ありがとうございます! Solo, Duo & Trio Solo Duo Trio レモンバームさんのリクエストにお答えして蔵出しカモ尻写真を追加します!

    • 心地よさの秘訣

       北九州の港街「門司港レトロ」に来ると、いつもここが賑やかな観光地であることを忘れるほど不思議な心地よさに包まれる。 明治、大正、昭和に建てられたレトロモダンな建造物が港湾沿いに建ち並び、岸壁に停泊していた船が汽笛と共に出港する情景は、さながら映画のワンシーンのように美しい。  この街では観光地と地元の生活エリアが隣接し、密接な共存関係にある。  観光エリアの中心部にある広場ではフリーマーケットが開催され、街のシンボルであり国の重要文化財でもある「門司港駅」の駅前

      • 『オルハン・スヨルジュ記念園』

         関門海峡を見下ろす下関市の高台にある火の山公園では、5万株のトルコチューリップが満開となっている。 下関市とイスタンブール市とは「海峡」という地理的類似性があることから1972年姉妹友好都市となった。ここに植えられたチューリップはすべてイスタンブール市から寄贈され、下関市民ボランティアによって植栽されたものだ。  このチューリップ園の名称『オルハン・スヨルジュ記念園』とは、1985年3月、イラン・イラク戦争の最中にテヘランに取り残されていた日本人215名を救出した

        • 新しい暖かさ

           清々しい光に包まれる4月。染井吉野の花びらが風に舞い、初夏の花と若葉の色とが混じり合いながら野を染め上げている。  花の写真を撮りによく出かける「日野江植物公園」は、九州最北端の街、北九州市門司にある。この門司は観光名所として有名だが、気象的にとても興味深い場所。小高い山を挟んで西に関門海峡、東は瀬戸内海へつながる周防灘の二つの海に面し、同じ区内であっても、西は日本海側気候、東は瀬戸内海式気候に微妙に分かれているというユニークな地域でもある。  この植物公園は東の

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        • 風景
          103本
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        記事

          桜ひとひら

           桜咲くこの季節、今年は地元の数か所を見て回ることができた。昔も今も桜の姿形は変わらない。しかし以前は桜の木全体を見て「美しい」と感じていたが、今は小さな花を見て「可愛い」と思うようにもなった。太く隆々とした幹を持つ長寿の木になればなるほどそのコントラストはいっそう際立ってみえる。  「木を見て森を見ず」とは「物事の細部に気を取られて全体を見失ってしまうこと」を意味する有名な諺だが、逆に「森を見て木を見ず」ということもあり得ると思う。  18歳の時、桜咲く季節に起

          桜ひとひら

          城下町長府そぞろ歩き

           本州最西端にある山口県下関市は、関門海峡を挟んで北九州の対岸に位置するお隣の街。小さな地方都市でありながら、仲哀天皇滞在、和同開珎の鋳銭、大内氏滅亡、四国艦隊下関砲撃事件、功山寺挙兵など、幾度となく日本の歴史の舞台となった場所である。 これまで海峡に面した唐戸市場まで寿司を食べに行ったことがある位で、ほとんど出かけたことがなかったが、調べてみると市の東部に政治・文化の中心地として栄えた「長府」という城下町があり、とても興味をそそられた。 この町には大小数々の武家屋敷跡や侍

          城下町長府そぞろ歩き

          庭に春時雨

           この一週間は北九州でも不安定な天候が続いた。暖かくなったと思えば急に気温が下がり、強風が吹き荒れ、雨が降る。晴れて静かになったと思ったら今度は黄砂。黄色く霞む空を見上げる度に自ずと呼吸も浅くなりがちだ。 それでも雨が降ると無性に草花の写真を撮りたくなるのは、目の前の光景が突然輝き始めるからだ。春時雨は庭の春色をいっそう際立たせてくれる。  我が家の庭は、とても全体をお見せできるような大層なものではないが、先月の梅の花を皮切りに所々春らしい花が一斉に咲き始めている。 12月

          庭に春時雨

          永久の面影

           観光客で賑わう北九州市門司港レトロの街並みを離れ、昔ながらのアーケード商店街を抜けると、閑静な住宅地の高台に3階建ての木造家屋『三宜楼』が見えてくる。昭和初期の門司港を代表する高級料亭である。 竣工は昭和6(1931)年。傾斜地に盛り土をした上に建てられた為、外から見上げると5階建て位の高さに見える。建設当時この高台からは、門司の街並みや駅舎の賑わい、関門海峡を行き交う船を眺め、遠くには響灘の海と沈む夕陽を一望することができる「絶景スポット」だった。 創業者三宅アサ氏(

          永久の面影

          ミモザのように

           1週間ほど前から花屋の店先で、ミモザの花束を見かけるようになった。しかし2,3日で早くも売り切れてしまった。日本でも新しい風習が定着しつつあるようだ。 細い枝に黄色い小さな花が無数に並んだ可愛らしい姿は、人の気持ちを軽やかにときめかせ、また遠い無邪気だった頃の記憶を蘇らせてくれる。 小学校5~6年の2年間、学級担任としてお世話になった百合子先生のことをふと思い出した。作文の授業中に「文章の書き方」を習った。とても基本的で単純なことだった。 「作文を書く時は、まず始めに事

          ミモザのように

          言い得て妙

           冬から春へと移りゆくこの時期、景色を春色に染めるのは河津桜や寒緋桜。市内にあるいつもの植物公園に出かけると、一本の河津桜の樹に数十羽のメジロ大集団が群がり、近くに人がいても逃げることなく、一心不乱に蜜を吸っていた。 花壇には色とりどりのクリスマスローズの他、カンザキアヤメ、スイセン、バイカオウレン、ヒマラヤユキノシタ。少し気温も暖かくなってきたせいか、春本番に向けて植物園もにわかに活気づいてきた。 来園者のために休憩室として使われている古い木造家屋の和室には雛人形も飾ら

          言い得て妙

          春を待つカルスト

           2月初旬、北九州市のカルスト台地「平尾台」では、毎春恒例の野焼きが行われた。野に燃え盛る炎を以前からずっと見たいと思っていたのだが、時すでに遅し。はたと気づいたのが当日夕方だった。 一週間後に訪れてみると、いつもはススキに覆われている山の斜面が、黒々とした剥き出しの地面へと様変わりし、膨大な数の岩石群を遠くまで見渡すことができた。 道端には早くも草の新芽が顔を出していた。一面新緑に覆われる日もそう遠くはないだろう。  平尾台は、愛媛県と高知県にまたがる「四国カルスト」

          春を待つカルスト

          「地球の歩き方」の使い方

           今月初め、(株)Gakken社から『地球の歩き方・北九州市版』が発売された。1979年創刊以来すでに百数十タイトルを超える大ヒットシリーズだが、国内の市版としては全国初となる。地元住人にとっては興味津々。早速入手した。 あとがきには次のように書かれてある。  まさにその通り。2年半前に北九州に引越してきた愚生にとっても、想像のナナメ上を行く驚きの日々がずっと続いている。 ***  『地球の歩き方』は若い頃随分と世話になった懐かしい本のタイトルである。 1979年出版

          「地球の歩き方」の使い方

          大地に安らぐ

           早春の風物詩、梅の花がほぼ満開となった。先日配布された市の広報に、市内の公園にある枝垂れ梅の開花情報が載っていたので、早速雨の日に出かけることにした。 まだまだ冬色に染まる公園に、そこだけ春を先取りするかのような華やかな彩りの一角が遠くからも見て取れる。白、赤、ピンクと小さな花弁を無数に付けた細い枝が四方に広がり、こぼれ落ちるように咲いているその姿は、うっとりするほどの風情と、枝垂れ桜とはまた異なる落ち着いた趣きがある。 梅は中国原産で朝鮮半島経由で日本に渡ったとのこと

          大地に安らぐ

          おはようにゃんこ15:神の贈り物

           毎度「にゃんこシリーズ」でお馴染みのさくら猫、モモちゃんと福ちゃんはこの寒さの中、無事に暮らしているだろうかと案じつつ、市内にある公園を目指す。 2匹とも姿が見えない。 それぞれ朝の縄張り巡回にでも出かけているのだろう。 案ずるには及ばない。 元気な証拠だ。 戻ってくるまでの間、丘の上にある花壇を散策。 この時期花はまだ咲いていない。 風もなく静まり返った園内のベンチに座り猫に習い日向ぼっこに興ずる。 そろそろ戻ってくる頃かと思いきや、そこで巡回中のモモちゃんとばったり出

          おはようにゃんこ15:神の贈り物

          冬の花

           全国的に寒風吹きすさむ中、北九州では梅の花が咲き始めた。体感的にはまだまだ真冬。しかし梅の樹に住まう主は、微細な温度変化をしっかり感じ取っているようだ。 先日、雪が降りしきる朝にこの梅園を見て廻っていると、殆んど花を咲かせている樹の中にあって、蕾が少しだけだったり、既に枯れてしまった樹が数本あった。こうした樹の幹にはいずれも雪が付着して残っていた。ところが咲いている樹には雪が付着していない。つまり花を咲かせている樹の幹は温度が高い、ということになる。 外気温が低くても、

          森の静寂に寄り添う

           冬の対馬海峡を渡ってきた冷たい北風が、標高の低い山が連なる北九州に雪を降らせることは少ないが、それでも朝晩はまだまだ寒い。 市内中央部にある小高い丘陵地帯の森を歩くと、その冷たさが幾分和らぐのを感じる。森の木立が風の勢いを弱め、木漏れ日の僅かな暖かさや、森の地面に堆積した落葉の温もりがあるからだろう。 寒さを忘れる理由は他にもある。幹や枝がぎしぎしとしなる音、木立の上から聴こえてくる冬鳥たちの賑やかなさえずり、樹々の葉がまるでコーラスのように右から左へとざわざわと通り抜けて

          森の静寂に寄り添う