長島達也

フィフス・アロー行政書士事務所 代表(申請取次行政書士)/知的資産経営および外国人雇用…

長島達也

フィフス・アロー行政書士事務所 代表(申請取次行政書士)/知的資産経営および外国人雇用を支援|合同会社フィフス・アロー パートナー/組織開発および人材育成を支援|キャリアコンサルタント/職業キャリア形成を支援|博士(教育学)/産業教育・成人学習研究

最近の記事

「特定技能1号」に自動車(タクシ・・・

「特定技能1号」に自動車(タクシー・バス・トラック)運送業が追加されることになりました。 これに伴い、所官庁より当該資格に関する「運用方針」および「運用要領」が発表されています。興味のある方は、法務省のHPにぜひアクセスしてみてください。 「運用方針」によれば、5年後の自動車運送業における必要就業者数は約29万人。 今後、DXの進展や労働環境整備等による国内人材の追加的な確保によってしても、2万4,500人程度の不足が見込まれるという試算から、いよいよ外国人材の力を借り

    • ローカルベンチマークというもの・・・

      ローカルベンチマークというものがあります。先般、ある税理士さんにこのお話をしたところ、「ほー、こんなのがあるんですか?」と感心されていました。意外と知られていないのかもしれませんね。 「ローカルベンチマーク」とか「ロカベン」と検索していただければ、経済産業省(以下、経産省)の所定のページに誘導されますからぜひ確認してみてください。 経産省は、ローカルベンチマークについて、次のように解説しています。 【解説】 ローカルベンチマーク(略称:ロカベン)とは、企業の経営状態の把

      • わたしの行政書士としての主な業・・・

        わたしの行政書士としての主な業務の一つに知的資産経営の促進というものがあります。 知的資産経営の促進とは、企業に固有の人材や組織力、顧客ネットワーク、ブランド、ノウハウなどの目に見えない非財務資産の価値を客観的に把握し、その有効な組み合わせを考え、これを活用して収益に繋げるまでの活動を支援することを云います。 弊所では、これに加えて、知的資産を有効活用した企業価値の向上のしくみを一冊の「知的資産経営報告書」にまとめるサービスも提供しています。 そうした知的資産について、

        • 先日、行政書士のとある勉強会・・・

          先日、行政書士のとある勉強会に参加してきました。 テーマは、「技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議最終報告書を踏まえた政府の対応について」(令和6年2月9日・関係閣僚会議決定)を読み込んで、新たな制度に関する政府の今後の動向を展望するというものでした。 新たな制度とは、「育成就労制度」のことです。 これまで何かと問題点を指摘されてきた「技能実習」という在留資格は廃止され、新たに「育成就労」という資格が創設されます。法案が可決されれば、公布の日から3年以

        「特定技能1号」に自動車(タクシ・・・

          40歳を過ぎてからの愛読書の一冊・・・

           40歳を過ぎてからの愛読書の一冊に山崎努著の『俳優のノート 凄烈な役作りの記録』があります。これまで仕事に煮詰まったり、新たなことへの挑戦に躊躇したりと気弱になったときどきに開いてきました。  シェークスピアの4大悲劇のひとつ『リア王』の公演に向けての山崎さんのおよそ7カ月に亘る役作りの奮闘の記録です。  氏が同作品への出演を決め、準備から稽古を経て公演へと向かう過程での、氏のときどきの心の動きが、どちらかといえばぶっきらぼうに、だからこそ臨場感あふれる筆致で描かれて

          40歳を過ぎてからの愛読書の一冊・・・

          対話には、ダイアログとディスカ・・・

           「対話には、ダイアログとディスカッションという2つの基本タイプがある」 ( “There are two primary types of discourse, dialogue and discussion.” ) という一節を読んだときから、ダイアログという言葉の印象が変わり始めました。と云うよりも、それまではそれほど意識して使う言葉ではなかったような気がします。  組織開発や人材育成に携わる中でコミュニケーションの大切さを力説しながら、コミュニケーションのあり方を

          対話には、ダイアログとディスカ・・・

          鞄に推しの本を忍ばせて聖地を巡・・・

           鞄に推し(谷崎潤一郎)の本(『文章読本』)を忍ばせて聖地を巡礼してきました。  ふりかえれば、これまで『細雪』の舞台である兵庫県芦屋市に、『吉野葛』の舞台となった奈良県吉野町に、そして、晩年を過ごした熱海市西山町に、墓所のある京都市の鹿ケ谷の法然院へと気が向くまま訪ねてきました。  一昨日は日本橋人形町で、ここは谷崎の生誕の地です。昨年、行政書士事務所を開業してからは、なんの謂れはないものの、こころの中では、この巡礼を事務所の発展を祈念してのものと位置付けています。

          鞄に推しの本を忍ばせて聖地を巡・・・

          今から六百年も昔に記された能芸・・・

           今から六百年も昔に記された能芸論である世阿弥の『風姿花伝』を時折パラパラとめくります。岩波文庫の青の1-1。書店で文庫を眺める機会のある方なら、あの薄い一書を見かけたことがあるかもしれません。  『風姿花伝』は、明治に入って吉田東伍が学会発表するまで、とある能楽の宗家に代々伝わる秘伝の書で、一般の人の目に触れることはなかったと云います。  わたしが『風姿花伝』を始めて手に取ったのは高校2年生の頃。当時のわたしは、流行作家だった立原正秋の世界観にどっぷり嵌っていて、氏

          今から六百年も昔に記された能芸・・・

          交流分析の理論を始めて知ったの・・・

           交流分析(Transactional Analysis=TA)の理論を始めて知ったのは、30年前のとある企業に勤務していた頃のことです。  マネジメント研修の中で、エゴグラムを体験した後に、ストロークの概念について解説を受けた日のことを今でもよく覚えています。  この理論は、日本交流分析学会のHPに、「精神分析に基礎を置く力動的視点を持ち、観察できる行動に焦点を当て、人間学的心理学の哲学を持った統合的な心理療法」で、「1950年代に米国の精神科医であるエリック・バーン博

          交流分析の理論を始めて知ったの・・・

          職業人のキャリア形成とその形成・・・

           職業人のキャリア形成とその形成を促す学習支援の方法に関する研究が、わたしの博士論文のテーマでした。  クライアントであった農業法人の協力を得て、当該法人で働く非農家出身の新規就農社員の農業経営者としてのキャリア形成の過程と、当該企業の育成支援のあり方を解明しようとしたもので、とてもチャレンジングなテーマだったと思っています。  指導教授の親身なご指導のお陰で論文を書き終えることができ、なんとか学位を得ることができました。わたしが人材育成プログラムの開発スキルを習得できた

          職業人のキャリア形成とその形成・・・

          リスキリング(Reskilling)のた・・・

           リスキリング(Reskilling)のため、職業人が大学院へと進学することも、それほど珍しいことではなくなってきました。  進学動機はいろいろでしょう。自らの職における課題を解決すべく研究に取り組みたいという人もいるでしょうし、経営や情報技術などの専門職としての技量を高めたい、あるいは、キャリアチェンジして法曹界に進みたいという人もいるでしょう。  わたしが大学院へ進学したのは49歳になる年でした。その頃のわたしは、保険会社で教育プログラムの開発に携わっており、また、人

          リスキリング(Reskilling)のた・・・

          「一生のうちでいちばん大事・・・

           『職業とは何か』(梅澤正著:講談社現代新書)からの孫引きですが、パスカルは、その著書『パンセ』でそう述べているそうです。パスカルは17世紀の学者。日本で云えば江戸時代の前期。そんな昔からキャリア選択における偶然性の重みを指摘していた人がいたんですね。  ところで、現代のキャリア理論の研究家にもキャリアの偶然性に着目した人がいます。ジョン・D・クランボルツ(John D. Krumboltz)という教育心理学者で、「計画された偶然理論(Planned Happenstanc

          「一生のうちでいちばん大事・・・

          「大人」の教育を研究する学問・・・

           「大人」の教育を研究する学問領域に成人教育学(アンドラゴジー)というものがあります。  わたしの手元にある『教育学用語辞典』(学文社)を繙けば、「成人の学習が可能となるように学習環境を整備することであり、学習テーマや計画を決める段階、実際の学習の段階、学習成果の評価と活用の段階までを含めた成人の学習全体を支援する活動の総称」と解説されています。  子供の教育学(ペタゴジー)に対して成人のための教育理論として提唱された概念で、成人期の学習の特徴を踏まえたその支援のあり方が

          「大人」の教育を研究する学問・・・

          クライアントの某企業の人事部長・・・

           クライアントの某企業(サービス産業)の人事部長さんが、「今年の新卒採用はとにかく厳しい」と深くため息をついていらっしゃいます。殊に、高卒生の採用では奪い合いの様相を呈しているそうです。  厚生労働省によれば、2024年3月に高校を卒業する生徒の求人倍率は3.52倍。前年同期比で0.5ポイントの上昇となっています。コロナ前の2019年の同期では2.37倍でしたから、売り手市場が加速している様子が伺えます。  他方、2024年3月卒業見込みの大学・大学院生対象の求人倍率は1

          クライアントの某企業の人事部長・・・

          働き方改革待ったなしの今、人手・・・

           働き方改革待ったなしの今、人手不足に頭を悩ませる自動車運送業界では、外国人材の雇用に対する期待が高まっています。報道によれば、国土交通省がトラック、タクシー、バスの運転手といった職種の(就労系の在留資格の一つである)「特定技能」への追加を検討していて、今年度中の実現が目指されているそうです。    「特定技能」への追加が実現すれば、外国人材は自動車運送業界にとって大きな戦力となり、人手不足の解消も一歩前進することでしょう。急激に人口減少が進む中、今後もこうした追加業種は増え

          働き方改革待ったなしの今、人手・・・

          在留資格から考える外国人材の雇用

           わたしたちがこれまで支援してきたホテル業界や農業法人では、最早、外国人材の活躍なしに仕事が回りそうにありません。運輸業界を専門とする友人の社会保険労務士は、2024年を目前に、自らのクライアントを見渡して、外国人材雇用への対応は喫緊の課題だと云います。  弊社が、行政書士事務所の併設を決めたのは、当事者としてこの問題に真正面から取り組もうと考えたためです。  行政書士の業務には、「国際業務」と呼ばれるものがあります。外国人が日本で働くために必要となる在留資格に関わる入管

          在留資格から考える外国人材の雇用