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200億トレーダーぱりてきさすの名言を、200億の遺産を残した故鳩山邦夫の正義と共に振り返る

 日本中が、処刑人、鳩山邦夫法務大臣の死刑執行という正義に酔いしれたのはいつのことだっただろうか。

 「人間には、善人と悪人がいる」

 まさに、鳩山邦夫は、安易な二元論を信じる日本国民のヒーローだった。

 ところで、鳩山邦夫の死刑執行祭りと時代を同じくして、名も無き青年が、15年前にとあるブログを残している。男の名は、ぱりてきさす。後の200億トレーダーだ(四季報上に本名が多数記載されているがハンドルネームで記載しておく)。

 大学生になって、裁判を傍聴するまで、僕はこの世には善人と悪人がいると思い込んでいた。でも、刑事裁判を傍聴して世界観が変わった。裁判所で繰り広げられていたのは、貧乏人の人生の転落劇だった。被告人席にいたのは悪人ではなく転落した貧乏人だった。僕も貧しければ、彼らのようになるかもしれないと思った。自分も、いつそうなるかわからないんだという恐怖と不安で震えた。そして、土佐堀川の橋の上で、絶対に金持ちになろうと誓った。そう書き残している

 貧困が犯罪を生んでいる。これは、論証や検証する必要はない社会の常識である。鳩山邦夫のように高校時代に約50億円の株式を生前贈与されたりする人は何の犯罪を起こすというのだろうか?

 政治家は社会システムの中で貧困を生み出している。最近、発売になった 「poverty, by america」という本の著者が、この社会は、人を支配するために意図的に他人を困窮させるシステムを作っているから、貧困はどれだけ経済成長してもなくならないと主張し、海外で大きな話題になっている。「国は貧困をなくせるのに放置している」と。「僕たちは、誰かの貧困が、自分の利益になるから、あえて黙って、貧困を放置し搾取している」と本質を抉るを指摘した。

 我々は、自己責任など様々なレトリックを使って自分の気分が悪くならないように、他人を見殺しにして搾取しているのだ。

 この気分の悪さを、象徴した人物がいる。岡村隆史というコメディアンは、コロナ騒動の初期に、女性が失業したりする経済混乱が起きると性風俗で俺たちは良い女を沢山抱けるから嬉しい出来事もあるよとラジオで語り炎上した。普通の仕事もそうなのだ。誰かに嫌な仕事をさせるために、経済面で追い込んでいく。この社会では誰かの困窮は誰かの利益なのだ。

 我々は、情報のほとんどを、搾取する側の人間から受けているので基本的に情報源は腐っている。テレビ局は左翼が多いなどと言っている人が多いが、年収1500万円のテレビ局や新聞社の社員が本当に左翼だろうか?彼らが本当にその気なら、とっくの昔に、利益誘導政治の筆頭、自民党は永続的な野党になっているはずではないか?

 なぜなら、日本国民の思考は、ほぼメディアが作り上げているのだから。そもそも、政治家が路上でキスしていたとか、そんなこと重要なのだろうか。今日は総理大臣が漢字を何回読み間違えたとかなどという報道を本気で与党批判のために行っていると思っている方に無理がある。何も批判しないわけにもいかないから何かやってるのだ。本質的なことは何も批判しない。

 テレビ局の下請けや、新聞配達員、NHKの集金人の給与を見て、あなたは本当に平等を唱える人間が報道機関の上にいるとお思いか?彼らは本気で話していない。だから自分たちの周囲にいる人間の賃金が低くても何も言わない。彼らは、左翼などではない。あれらのくだらない報道はプロレスなのだ。

 ところで、この社会構造において、本当の悪とは何なのだろうか。

 例えば、選挙前に2万円を配る政党や、支持団体に有利な社会制度や法制度を作って、お金を流して集票したり、天下りする人は決して捕まらない。で、たまに、運動員の弁当代がどうとか言って、小物だけが捕まる。この国は何なのだろうか。統一教会で、何人の自殺者を出しても広告塔の政治家は捕まらない。犯罪や貧困、自殺の原因をどれだけ放置しようが、むしろ自ら産んでいようが、許される。

 日本国民が見なければいけないのは、もっと本質的な何かだ。

画像は 「銀と金」 福本伸行著

 社会制度や、社会システムで追い込んでいった政治家が一方的に語る正義とは。


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