マガジンのカバー画像

押し本録

19
運営しているクリエイター

記事一覧

Emily Wilde's Encyclopaedia of Faeries

Emily Wilde's Encyclopaedia of Faeries

Heather Fawcett著、刊行日:2013年10月、ジャンル:歴史ファンタジー、ページ数:368 

あらすじ
20世紀初頭のケンブリッジ。優秀な学者で妖精のフィールド調査の第一人者ながら女性であることがネックとなって大学で安定したポストが得られずにいるエミリーと、風変わりでお坊ちゃん然としているのに人付き合いと裁縫が得意な大学の同僚バンブルビー。エミリーはずっと取り組んでいた妖精百科事典

もっとみる
Her Majesty's Royal Covenー女王陛下のコヴン

Her Majesty's Royal Covenー女王陛下のコヴン

著者:ジュノ・ドーソン、刊行日:2022年7月21日、ページ数:464、ジャンル:ファンタジー、オカルト/ホラーファンタジー、対象年齢:高校生以上(直接的な性的表現を含む)、キーワード:魔女、ウォーロック、コヴン、トランスジェンダー

著者について:
ジュノ・ドーソン  イギリスの作家。本作のほかにはYA小説やノンフィクション作品があり、2018年に13代目ドクターが主人公のドクターフー小説版『T

もっとみる
The Language of Food 女性から女性へ、日々の料理をつたえることばを残すミッション

The Language of Food 女性から女性へ、日々の料理をつたえることばを残すミッション

著者:アナベル・アブズ、刊行日:2022年2月3日、ページ数:416、ジャンル:伝記フィクション、料理史、対象:中高生以上(マイルドな性的表現を含む)

著者について
アナベル・アブズ  
ジェイムズ・ジョイスの娘ルチア・ジョイスを主人公に父ジェイムズやサミュエル・ベケットとの関係などを小説にしたJoyce Girlでインプレス・プライズの新人作家賞、スポットライトノベル・アワードを受賞し、グッド

もっとみる
Bibliomaniac イギリス中の独立書店をめぐって横断・縦断を繰り返しながら振り返る本への愛と本爆買いの日々

Bibliomaniac イギリス中の独立書店をめぐって横断・縦断を繰り返しながら振り返る本への愛と本爆買いの日々

ロビン・インス著、発行日:2022年10月6日、ページ数:320、ジャンル:文学的紀行文、読書エッセイ、対象年齢:中高生以上

あらすじ
2021年の秋、コメディアン、俳優、作家のロビン・インスが物理学者(で元ポップロックバンドDリームのキーボードプレーヤー)のブライアン・コックスと行う予定だったトークツアーがパンデミックにより中止された。そこで何もしないよりはいっそ自著のサインイベントで独立系書

もっとみる
Under Milk Woodー語り直し「ディラン・トマスの奇妙な幻想世界」

Under Milk Woodー語り直し「ディラン・トマスの奇妙な幻想世界」

ディラン・トマス/ケリス・マシューズ著、イラスト、発行日:2022年11月3日、ページ数:88、ジャンル:詩

あらすじ:ラジオ番組として世に出たディラン・トマスの有名作品のひとつ、Under Milk Wood。ほかのどんなお話とも違う、寝付けない夜にする与太話のような不可解で不条理で珍妙で風変りな幻想世界のウェールズの村の、完全なる悪人でも善人でもない普通の人々のお話が次から次へと突拍子もない

もっとみる
Babel——『バベルの塔、あるいは暴力の必要性』

Babel——『バベルの塔、あるいは暴力の必要性』

レベッカ・F・クアン著、刊行日:2022年9月1日、ページ数:560、ジャンル:歴史ファンタジー/政治フィクション、対象年齢:中高生以上

あらすじ(ネタバレ注意)
疫病が蔓延する19世紀前半の中国、広東である一家も次々病に倒れ死に、最後に残った少年も発病して息絶えようとしていた。そこへイギリスからやって来たロヴェル教授が現れ、「シルバーワーク」の魔法を使って少年の病を治す。教授の持っていた銀の棒

もっとみる

Strangeworld Travel Agency Book2:The edge of the ocean 異世界から冒険仲間が登場

L.D.ラピンスキ著、刊行日:2021年4月15日、ページ数:272、ジャンル:児童書/ファンタジー、対象年齢:10歳~

あらすじ
 ストレンジワールド・トラベル・エージェンシーのシリーズ第二巻。前回で数時間行方不明になったフリックは、両親から外出を厳しく制限されていた。だが、偶然ジョナサンとスーパーマーケットで再会し、フリックの母親にジョナサンが自分の旅行代理店で職業経験を積んでいるところだと

もっとみる
A Place to Hang the Moon 与え合い救い合う優しさが導く最高の場所

A Place to Hang the Moon 与え合い救い合う優しさが導く最高の場所

Kate Albus著、刊行日:2021年2月15日、ジャンル:児童書/歴史フィクション、ページ数:320、対象年齢:小学校中学年から

あらすじ
 1940年、ロンドン。ウィリアム、エドマンド、アナの3人は12歳、11歳、9歳の兄弟姉妹。幼くして両親を亡くした3人を(書面上は)保護者として預かっていた祖母が子供達の今後についてなんの手配も残さず亡くなり、3人は財産がありながら大人になるまで一銭も

もっとみる

The Book of Stolen Dreams 稀覯書「盗まれた夢の本」を手に入れるのは、独裁者?反政府勢力?それとも未来を担う子供たち?

デイビッド・ファー著、刊行日2021年9月30日、ページ数:384、ジャンル:児童書/ファンタジー

あらすじ
 舞台は極悪なマルスタイン大統領が独裁政治を敷く国、クラスニア。もうすぐ12歳と14歳になるレイチェルとロバートの兄妹2人は、図書館司書をしている父フェリックスに連れられて閉館後の図書館に忍び込み、500年前の稀覯書「盗まれた夢の本」を持ち出す。マルスタイン大統領は永久にその独裁を続ける

もっとみる

From spare oom to war drobe 9歳の「私」とナルニアをふりかえる旅へ

キャサリン・ラングリッシュ著、刊行日:2021年5月6日、ページ数:240、ジャンル:ファンタジー文学史/文学批評エッセイ

概要
児童ファンタジー作家のキャサリン・ラングリッシュは長年おとぎ話や民話についてのエッセイをブログSeven miles of steel thistlesに綴っており、同名の本も出版している。本作ではそのラングリッシュのブログ記事の中でも特にナルニアにフォーカスしたもの

もっとみる

Pages & Co.: Tilly and the Bookwanderers 本を愛する人々だけの特別な世界

 アナ・ジェイムズ著、2018年9月18日刊行、ページ数:400、ジャンル:児童書/ファンタジー

 あらすじ
 ティリー(マティルダの愛称)は11歳の女の子。父親は生まれる前に亡くなり、母はまだティリーが小さい時に姿を消し、本屋Pages & Co.を営む祖父母と共に暮らしている。学校での友達付き合いも上手く行っていないティリーにとって、本屋Pagesが世界のすべてだ。ティリーと同じように本を愛

もっとみる

生きる意味も手段も全部見失ったら人はどこへ行くのか? The Midnight Library

マット・ヘイグ著、刊行日:2020年8月13日、ページ数:304、ジャンル:現代フィクション/SF

あらすじ
 十代の頃、ノラはオリンピックを目指すエリート水泳選手だったが、プレッシャーが苦痛でやめてしまう。エリートスポーツ選手だった父はノラの水泳にすべてを注ぎ込んでいたが、学校の図書館で司書のエルムさんとチェスをしているところへ父の訃報がもたらされる。
 時が移り、30代半ばになったノラは病気

もっとみる

Spirited 縁と運命が引き裂く愛、そしてつなぐ愛

ジュリー・コーエン著、刊行日:2020年7月9日、ページ数:301、ジャンル:時代物/超常現象

あらすじ
 1858年のイギリス。司祭の娘ヴァイオラは父の趣味であった写真に幼いころから親しみ、撮影から現像までの知識と技術を持つ女性。兄妹のように育った幼馴染のジョナがインドから帰国し、父の遺志に従って結婚する。体調を崩していたヴァイオラの静養のために知り合いのいない土地へ引っ越して新生活を始めるも

もっとみる