シルバー・シップ、火を
炎を噴き上げて人混みに突っ込んでくるジャンボジェットから、アフリカの一国の在日大使の一家を守ることが今回も私の役目だった。
屋上遊園地のようなところにいる大使とその夫とまだ幼い二人の娘に、あらゆる手を尽くしてここは危険だと伝える。けれど言葉が通じないこともあれば、こちらの姿が見えていないこともあり、彼らは何度でも飛行機事故に巻き込まれた。
巨大な機体はもちろんそれなりの速度でほとんど墜ちながら近づいて来ているのだが、やけにゆっくりに思えた。最初は全く気づかなかった大使一家や人