はのん

目標は、定年後に専業占い師になること。今は少しずつ占いの勉強と鑑定経験を積んでいます。…

はのん

目標は、定年後に専業占い師になること。今は少しずつ占いの勉強と鑑定経験を積んでいます。あなたの7番目の仙女になれたら。

マガジン

  • ジョーンズ版サビアンシンボルに寄せる短文集

    サビアンシンボルに寄せて、たあいない短文を書いています。はのんによる原文訳を添えて。 この試みのすべては思いつき。

最近の記事

サビアンシンボル おひつじ座15度 ショートショート

【ジョーンズによる原文】 An Indian weaving a blanket. 【はのん訳】 毛布を織るインディアン 獣の毛を撚って糸にした。 気が遠くなるほどたくさんの量を。 糸は伸びて、遠くに見えるあの岩に届くほどの長さになった。 これでもう充分だろう。 手頃な枝を2本用意する。 2本の枝の間に縦の糸を掛けていく。 縦の糸の間を縫うように、横の糸を渡していく。 それを繰り返す。 わたしの心がまじないになって糸に絡みついていく。 どうか寒い思いをしませんように。

    • サビアンシンボル おひつじ座14度 ショートショート

      【ジョーンズによる原文】 A serpent coiling near a man and a woman. 【はのん訳】 男女の傍らでとぐろを巻く大蛇 見つめる。 魅了する。 ひと呑み。 原文のserpentは、単なる蛇ではなくて何かの化身という含みもあるそうですよ。 この蛇が何の化身なのか。 それをどう感じるかは、人それぞれですね。 原初に近い時からずっと存在している何かっぽいですが。

      • サビアンシンボル おひつじ座13度 ショートショート

        【ジョーンズによる原文】 An unsuccessful bomb explosion. 【はのん訳】 爆発しきれなかった爆弾 オレは、壊れることで莫大なエネルギーを産み出すしくみを持っている。 オレの周りのものを壊す。そのために作られたのがオレだ。 だが、中のパーツ(信管というらしい)がなぜか意図されたように作動せず、起爆しなかった。 そうだ。爆弾の成れの果てが今のオレなんだ。 造られたそのままの姿で海の底に横たわってから、もうどれくらい経ったんだろう。 いつ

        • サビアンシンボル おひつじ座12度 ショートショート

          【⠀ジョーンズによる原文】 A flock of wild geese. 【はのん訳】 野生の雁の群れ ひとつお断りしておきます。 geeseって雁(ガンまたはカリ)のこと。 geeseを鴨(カモ)と訳している文をよく見かけますが、違うんですよ。 雁も鴨も渡り鳥。どちらも日本で越冬するために寒い国から飛んできます。 ちなみに鴨の仲間のカルガモは渡り鳥ではないそうで、日本に定住していすし、そのため夏でも見かけるというわけです。 雁、群れで飛ぶときにとても特徴的な隊形

        サビアンシンボル おひつじ座15度 ショートショート

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        • ジョーンズ版サビアンシンボルに寄せる短文集
          15本

        記事

          サビアンシンボル おひつじ座11度 ショートショート

          【ジョーンズによる原文】 The president of the country. 【はのん訳】 国の長たる者 まずは。 何が欲しいのか。何が必要か。 ここだけは間違えてはいけない。 欲しいものを自覚して、ことは始まるからだ。 どうやって手に入れるか。 これはあくまでも次に考えることだ。 なんなら、自分で考えなくてもよいことだ。

          サビアンシンボル おひつじ座11度 ショートショート

          サビアンシンボル おひつじ座10度 ショートショート

          【ジョーンズによる原文】 A man teaching new forms for old symbols. 【はのん訳】 男が古くからの象徴の新しい形を教えている。 象徴とは。 触れたり見えたりする具体的なものに、触れたり見たりできないような概念や考えを紐づけたもののことだ。 話す言語や文化的背景が違っても、通じるような象徴もある。 シンボルともいわれる。 ハトは平和を、薔薇の花は愛を、宝冠は王を…全世界的にそんな感じだろう。 これらの象徴は、全人類の集合意識的な共

          サビアンシンボル おひつじ座10度 ショートショート

          サビアンシンボル おひつじ座9度 ショートショート

          【ジョーンズによる原文】 A Crystal gazer 【はのん訳】 ビジョンを求めて水晶を凝視する人 風の向くまま旅をするわたしは占いを生業にしている。 主に水晶占いをする。 その日の最初に水晶玉を覗き込むとき、見えるものはいつも決まっている。 一対の翼のついた三角形だ。いつもこれが見える。 それが何なのか、わたしには分からないし、今は特に解釈が必要とも思えないのでそのまま受け止めている。 その翼が羽ばたいていて、三角形がまるでホバリングしているように見えるときは

          サビアンシンボル おひつじ座9度 ショートショート

          サビアンシンボル おひつじ座8度 ショートショート

          【ジョーンズによる原文】 A large hat with streamers flying, facing east. 【はのん訳】 風になびく飾りリボンの付いた大きな帽子が、東を向いている ああ、今年もまたこの風が吹いた。 もう行かなければ。 この町を仮住まいと定めて、しばらく落ち着いていた。 ひとつ所に留まれば、知った顔が増え、身の回りのものも増えていく。 それらは浮草のようなわたしを地に引き止める錨であり、同時に錘でもあった。 ここで得たものをここに置いて行く

          サビアンシンボル おひつじ座8度 ショートショート

          サビアンシンボル おひつじ座7度 ショートショート

          【ジョーンズによる原文】 A man succesfully expressing himself in two realms at once. 【はのん訳】 ふたつの領域で一度に、自分を表現してみせる男。 わたしは歌い手だ。 わたしは、歌うときにホーミーとかトゥバとか喉歌などと呼ばれるテクニックを使っている。 それはね、地声の上に倍音が乗る発声だ。 ごく簡単に言うとね。 誰かに習ったわけじゃない。ただ物心ついたときにはできていたんだ。 最初にそれができたのは、母

          サビアンシンボル おひつじ座7度 ショートショート

          サビアンシンボル おひつじ座6度 ショートショート

          【ジョーンズによる原文】 A square brightly lighted on one side. 【はのん訳】 1辺だけが明るく照らされている四角形 この間、箱庭療法というカウンセリングを受けた。 楽しくてすっかりハマってしまい、自分でもやってみようと思い、まずはホムセンで板を買ってきて正方形の箱を作った。これで世界の枠ができた。 次に、箱の中にザーッと砂を敷きつめてみた。すぐに散ってしまう砂は、箱から出さない限りはこの箱の中にあり続けるだろう。これで、地ができた

          サビアンシンボル おひつじ座6度 ショートショート

          サビアンシンボル おひつじ座5度 ショートショート

          【ジョーンズによる原文】 A triangle with wings. 【はのん訳】 翼の生えた三角形 わたしの家系には、とある宗教のペンダントが代々受け継がれている。 わたしは祖母からそれを譲られた。 三角形に、一対の翼が生えている意匠が刻印されている。 その宗教のシンボルマークがそれであったと聞いている。 とある平面の上で、座標が2つ指定されたとき、その2つの座標を結べば線になる。 3つの座標を繋げばそこに面ができ、面には重心が生まれる。 重心とは、象徴的に言

          サビアンシンボル おひつじ座5度 ショートショート

          サビアンシンボル おひつじ座4度 ショートショート

          【ジョーンズによる原文】 Two lovers strolling through a secluded walk. 【はのん訳】 人気のない道をそぞろ歩く恋人達。 君と2人だけで歩いている。 君と一緒にいればいるほど、互いの歩調、互いの呼吸、互いの思いがだんだん近寄ってきて、合ってくるのが分かるんだ。合わせようとしなくても。 ほら。今。 わたしと君は、お互い言葉にしなくても手を自然に伸ばして繋いだ。 これを書いていたときのBGM パリの散歩道 by Gary Mo

          サビアンシンボル おひつじ座4度 ショートショート

          サビアンシンボル おひつじ座3度 ショートショート

          【ジョーンズによる原文】 The cameo profile of a man in the outline of his country. 【はのん訳】 ある男の祖国の輪郭線が、カメオ細工の男の横顔に見える。 お笑い芸人として精進を続けて、場がひとつの大きな波となって揺れる体験はもう何度もしてきたよ。 今、わたしの顔は国中に知れ渡っているらしい。キャラクターグッズにもなった。わたしの顔をプリントしたTシャツを着ている若者を見かけることもある。 イメージはもう1人歩き

          サビアンシンボル おひつじ座3度 ショートショート

          サビアンシンボルおひつじ座2度

          【ジョーンズによる原文】 A comedian entertaining a group. 【はのん訳】 場を沸かすお笑い芸人。 ひとりの笑い声はひとつの波。 みんなが笑えば、波は重なって大きくなっていく。 複雑に重なり、やがてひとつの波に収れんしつつ拡がる。 それが場となり、わたしはその源となっている。 わたしがここに来る前にいた場所の泡立つ波を、ほんの刹那思い出すよ。

          サビアンシンボルおひつじ座2度

          はのんよ、土星と和解せよ。

          副題:かつて土星だった母へ 占星術を好きになってからだいぶ経つけれど、母とのシナストリーは正直見たくなかった。母の死の数年後、ほんの3年ほど前にようやくシナストリーチャートを出すところまでこぎつけたけど、わたしのASCに彼女の土星が乗っているのを見た瞬間「ダメだ見れないムリ」と、アプリをそっ閉じした。 これは、そんなわたしのリベンジの記録だ。 母が東北某所で生まれた日は月食だった。 ざっと母のネイタルチャートを見てみる。 深みのある、凄みのある生き方。 願ったことは

          はのんよ、土星と和解せよ。

          サビアンシンボルおひつじ座 1度

          【原文】 A woman rises out of water, a seal rises and embraces her. 【はのん訳】 女が水から上がる。アザラシも水から上がり、女を抱擁する。 とぷ、ん。 大いなる水から、1滴が分かたれた。 わたしになった。 たちまちわたしは、女の姿を得た。 新しく得た姿で、水から上がる。 かつてはわたしでもあったものが、後から上がってくる。 それはアザラシの姿をとっていた。 わたし達にはまだ、互いに伝える言葉がない。 水に

          サビアンシンボルおひつじ座 1度