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NY一人旅・一人飯

NY一人旅・一人飯

2009年、ニューヨークを一人旅した。

旅行中の楽しみのひとつが、食事だと思う。でも、一人旅となると、食事をないがしろにしがちである。面倒だから予約をして行くようなちゃんとしたレストランには行かないし、大体一人で食事をしても、会話を楽しむこともないので、あっという間に終わる。じゃ、適当にさっさと済ませて、限られた時間を他の事に使おう、ということになる。

ニューヨークでの私の食事も、まぁ貧相なも

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卒業旅行・イン・アジア(2)

卒業旅行・イン・アジア(2)

卒業旅行第二弾の行先は、マレーシアのランカウイ島だった。
今度の同行者は、高校からの友達のシホとジュン。彼女たちとは、大学2年の春休みにもスペインを旅行している。

2月中旬。卒業を目前に控え、それぞれが就職先の研修や引っ越しなどで忙しくなる3月を避けて計画した。卒業旅行としては、二度目になる私だが、いよいよ「卒業」テンションが上がり始めていた時で、これが学生としての最後の気楽な旅行だ、という感慨

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卒業旅行・イン・アジア(1)

卒業旅行・イン・アジア(1)

卒業旅行シーズンだ、というにはもう遅いか。
社会人になることへの不安と期待を抱えて、最後のモラトリアムとばかりに大学生が海外へ飛び出す、例のアレである。

私も、大学卒業時にご多分に漏れず、卒業旅行を敢行した。
しかも2回。もはや、ただ暇にまかせて旅行したかっただけ、とも言える。

卒業旅行第一弾(こう言うだけで「卒業」の重みがなくなるから不思議)は、同じ大学の親友ユミコとのタイ二人旅だ。
大学4

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嗚呼、憧れのアメリカ~NY編(3)

嗚呼、憧れのアメリカ~NY編(3)

ニューヨークの夜を楽しみたい。
でも、危険はぜったい回避しなくてはならない。その警戒レベルを上げざるを得ないのは、女一人旅の残念ポイントだ。
夜間一人で出歩くのは危険なので、旅行会社主催の夜景ツアーに申し込んでいた。本当は、SATCの世界にいる気分を堪能するために、オシャレなバーでコスモポリタンでも、といきたいところだが、夜景を見るだけで我慢しておこう。

妥協の末のツアーだったが、内容は大満足だ

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嗚呼、憧れのアメリカ~NY編(2)

嗚呼、憧れのアメリカ~NY編(2)

宿泊したホテルは、セントラルパークにもタイムズ・スクエアにも歩いていける、便利な場所にあった。女一人旅で、積極的に動くためにも、治安のためにも、ホテルの立地条件はかなり重要だ。

夕方チェックインした後、まず出かけたのはタイムズ・スクエア。夜でも人が多く、明るいから、女一人で歩いても大丈夫だろうと思ったのだ。
実際行ってみると、思いのほか周りに観光客が多かったことに安心した。アメリカ人でも田舎から

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嗚呼、憧れのアメリカ~NY編(1)

嗚呼、憧れのアメリカ~NY編(1)

LAでの1か月滞在を経ても、なお、アメリカへの憧れは消えなかった。ドラマ「Sex and The City」シリーズにハマったこともあり、次はニューヨークだ!と密かに思い続けていた。

でも、2001年入社一年目の私に飛び込んできた同時多発テロのニュース。ニューヨーク行きはしばらく先になりそうだ、と思った。というか、あの時、飛行機に乗って海外に行くこと自体が怖くなった。異常な緊迫感が世界を覆ってい

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嗚呼、憧れのアメリカ~LA編(2)

嗚呼、憧れのアメリカ~LA編(2)

サンタモニカの7月は、本当に過ごしやすい。
カラッと晴れる日が多く、海の近くなのに、全然湿気がない。日差しは強くても、海風のせいで、肌寒い日さえあった。

今も世界のどこかに移住しなければならないとしたら、あの街にするかもしれない。そのくらい、素晴らしい気候だった。

平日の午後はフリータイムだったから、サンタモニカのビーチへもよく行った。特に何もせず、ただ海を眺めていることもあったし、一緒に行っ

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嗚呼、憧れのアメリカ~LA編(1)

嗚呼、憧れのアメリカ~LA編(1)

アメリカに憧れてる、というのはベタすぎてちょっと恥ずかしい。
今、そんなこと口に出す人は、なかなかいないのではないだろうか。

いつから、どうして、私がアメリカに興味を持つようになったのか、はっきりとは分からない。父親が好きだった西部映画の影響なのか、Xファイルやビバヒルなどのアメリカのドラマが好きだったからなのか、ブラッド・ピットのファンになったからなのか・・・
とにかく気づいたら、アメリカの文

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リピート・ソウル(3)

リピート・ソウル(3)

ソウルにそんなに何度も行って、一体何をしているのか?
これは、私がよく聞かれる質問だ。

ソウル市内のめぼしい観光名所は大体行った。
南大門市場、ソウルタワー、景福宮、昌徳宮、宗廟など。来訪の度に、ドラマロケ地だけでなく、一般な観光地も1・2か所くらいは行けるようにプランを立ててきた。
だからもう最近は、観光に行くというよりは、ただソウルの街を見に行くという感じが強い。東京や名古屋などに行って、わ

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リピート・ソウル(2)

リピート・ソウル(2)

夫婦で旅行する時、ほぼ毎度、私が道案内をするハメになる。
夫は地図が読めない男だ。

一緒に4回も行ったソウルでも、それは同じ。
最初に2人で行った時、私は「コーヒープリンス1号店」というドラマにハマっていて、そのロケ地となった市内のカフェに行くことに決めた。
その日は最終日で、15時にはホテルに空港送迎の車が来ることになっていた。午前中のうちにロケ地に行き、軽くランチでもして戻れば余裕だろう、と

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リピート・ソウル(1)

リピート・ソウル(1)

海外旅行に行くと、「ここにまた来たいねー。」って言う。
でも、大体二度と行かない。だって、どうせ海外行くなら、行ったことのない国へ行きたいもん。これは、もはや「海外旅行あるある」と言っていい。

だが、リピーターとなってしまった例外の都市がある。
それが、韓国・ソウルだ。

2009年3月に、3姉妹で初ソウル。
2010年2月に、今度は夫婦で。
2011年は2月と11月に、夫婦で1年に2回も。

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教訓のスペイン(3)

教訓のスペイン(3)

スペイン先生は、甘くない。
まだまだ私たちへのレッスンは続く。

2日目の午後は、オプショナルツアーでトレド観光。
トレドは城塞都市で、街全体が遺産。素晴らしかった。トレドまでのバスの車窓から見えた景色にも感動した。長野県の高い山に囲まれて育ったため、なだらかな丘が続く地平線は、見たことがなかった。
この時のみずみずしい感動が、私が海外旅行を好きになった一端を担っていることは間違いない。

3日目

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教訓のスペイン(2)

教訓のスペイン(2)

成田からイギリスヒースローを経由して、マドリッドの空港に到着。
いよいよスペインの旅が始まる。

1日目、この日はずっとフリータイムで、私たちはマドリッド市内を散策することにした。まず行きたいのは、プラド美術館。日本では美術のびの字もかじっていないが、海外旅行ではなぜか行きたくなる美術館。せっかくだから行っとかなきゃ、みたいな強迫観念もある。

ゴヤやらベラスケスやら、素人でもさすがに知っている名

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教訓のスペイン(1)

教訓のスペイン(1)

自分のお金で行った最初の海外旅行は、スペインだった。

人生初の海外旅行は、中学1年の時親に連れていってもらったグアム。2度目が、大学2年の春休みのスペイン旅行だ。
高校からの友達2人と春休みに海外に行ってみようというプランが持ち上がり、私ともう一人の子が第二外国語でスペイン語を勉強していたため、行先はスペインに決まった。
メンバーは、運動神経抜群で人見知りのシホ、朗らかで末っ子気質のジュンと、短

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