映画『パワー・オブ・ザ・ドッグ』 人間は今もなお人と違うことを特別だと思うと同時に恐れる。その恐れは無意識に自分を追い込み、更に弱いものを馬鹿にして自分を守ろうと必死となる。すり減っていく精神。その状況が悪なる犬の力。キリストが赦したように自分と人を受け入れ赦すことで癒やされる。
アカデミー賞発表の前に。予告編では、荒くれ男役ベネディクト・カンバーバッヂの口笛が切なかった。人物描写のあと、兄と弟、弟と再婚の母と連れ子、粗野な兄との不協和音にこれはきっと誰かが死ぬ、と予想していたがまさか...展開だった。口笛の余韻が哀れ。 パワー・オブ・ザ・ドッグ ★4