ヨルゴスランティモス

「女王陛下のお気に入り」

原題:The Favourite 
監督:ヨルゴス・ランティモス
製作国:アイルランド・イギリス・アメリカ
製作年・上映時間:2018年 120min
キャスト:オリヴィア・コールマン、エマ・ストーン、レイチェル・ワイズ、ニコラス・ホルト、ジョー・アルウィン

 監督作品『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』の印象がとても強く残っていての鑑賞だった。『聖なる鹿殺し キリング・オ

もっとみる

女王陛下のお気に入り

「敵が目の前にいなくなった今の方が怖い。どこから狙われているのかが見えないから」

2人の女性が女王の寵愛を争う、という18世紀英国版大奥みたいな物語。

耳に優しい言葉が愛なのか。噓はないが容赦なく厳しい言葉が愛なのか。孤独な女王はどちらを選ぶのか。

女性性が強い女性と、男性性が強い女性の駆け引きが、美しい宮殿の奥宮で続く。この王宮のなんと美しいこと!!!欧州に今も残るミュンヘンの王宮とかマド

もっとみる

女王陛下のお気に入り The Favorite

ヨルゴス・ランティモス監督の女王陛下のお気に入りをやっと観た。平日昼の回という事で年齢層も高めだったためか、あまり笑い声も上がらなかった。

ランティモスはロブスターしか観ていないのだけれど、やはりどこか共通した独特の雰囲気がある。端々から滲み出るグロテスクな(けれどライトな)描写や雰囲気や、肉感的過ぎないものの、どこかグサリと刺さる痛みの描写が印象に残る。平手打ちや、鞭打ち、糞の溜まり場に落とさ

もっとみる

ホラー映画が凄いことになっているぞ

近年のホラー映像作品が尋常でなく盛り上がっているという話。

 地方でやらない単館系の映画の話はあとにして、まずは先日公開になった『アクアマン』から。待て。帰るな。後でちゃんとホラー映画の話もします。アクアマンは本国で滅茶苦茶ウケたし、自分もこの前見に行ったが力の抜き方入れ方が上手く面白かった。アメコミ映画が苦手な人が見ても「こういう映像を撮りたい」「ブラックマンタ最高」という作り手の執念が伝わっ

もっとみる

『女王陛下のお気に入り』を観た【映画感想】

アカデミー賞ノミネート、FOXサーチライト配給、ということで結構大きめの箱で公開の運びとなったワケだが、監督は「鬼才枠」のヨルゴス・ランティモスだぜ?ということで鑑賞。

18世紀初頭のイングランドにおいて女王の寵愛を一身に受けんとする2人の女がバチバチやりあう一本。まず言及すべきは女優の演技。特にエマ・ストーン演じるアビゲイルが己の魅力・知力・胆力・腕力をフル稼働して八面六臂の大活躍。女王をたら

もっとみる

映画メモ 『女王陛下のお気に入り』

◆鑑賞用の簡単メモ◆

ワタシ歴史上実在の人物をとりあげた作品が出てくると
その史実が気になって仕方がないんですよね
(同様の方は仲良くして下さい エヘヘ)
とりあえず最低限度おさえている所

世界史の流れを意識しながら
主に人物関係・政治関係メモ中心です

◆人物関係・政治関係◆

この映画の女王陛下とはアン女王
彼女が歴史的な大きな出来事の時期にいるのを改めて意識しちゃいます
アン女王は(16

もっとみる

映画「女王陛下のお気に入り」感想 現在世界最高の奇才監督、オスカー作品賞なるか?!

どうも。

オスカー作品賞ノミネート作品の映画、残りあと2本に迫ってますが、今日と明日でレビューやってしまいます。今日はこちらです!

今年のオスカーで最多タイ10部門でノミネートされたイギリス映画「女王陛下のお気に入り」、こちらのレヴュー、行きましょう。これも昨年9月に賞レースに加わって以来、ずっと評判の高い映画でしたけど、一体どんな映画なのでしょう。

まずはあらすじから行きましょう。

18

もっとみる

聖なる鹿殺し

えー、前回ミヒャエル・ハネケ監督の「ハッピーエンド」の感想を書きましたが、じつは同じ日、「ハッピーエンド」の直後にこの「聖なる鹿殺し」を観てまして、ああ、完全に観る映画のチョイス失敗したなと思ったんですが。監督の前作「ロブスター」も観てて、その時はそんなに思わなかったんですけど、この「聖なる鹿殺し」かなりハネケっぽいんですよね。つまり、人に対する悪意と、皮肉と、不快感が満載の映画なんです。(しかも

もっとみる

「聖なる鹿殺し」

原題:The Killing of a Sacred Deer
監督:ヨルゴス・ランティモス
製作国:イギリス・アイルランド
制作年・上映時間:2017年 121min
キャスト:コリン・ファレル、ニコール・キッドマン、バリー・コーガン

 日本のポスターでは「聖なる」と「鹿殺し」が色分けてされておりここからミスリード。本来のポスターの方が間違いようがない。
 邦題と共にこの映画の題材がギリシャ神

もっとみる

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア

第70回カンヌ国際映画祭脚本賞受賞作。
心臓外科医のスティーブン(コリン・ファレル)は、美しい妻 アナ(ニコール・キッドマン)と二人の子どもと共に郊外の豪邸で何不自由無い生活を送っている。
父親を亡くした少年 マーティン(バリー・コーガン)を気にかけ贈り物をしたり自宅に招き入れるスティーブンであったが、家族を紹介した日を境に不可解な出来事が連続して起こり始める。
原因がマーティンにあることを悟り、

もっとみる