出口なし

出口なし

首藤康之が踊るというので観に行くことにした。
フランスの哲学者サルトルの戯曲「出口なし」を演劇と舞踊の融合で作るという。

踊りパートによって、言葉で説明できない心情が雄弁に、切迫感を伴って伝わってきて、見入ってしまった。普段あまり演劇は観ないのだけれど、とても楽しかった。

ところで、この作品は演劇と舞踊の境界を超える作品として創作したとある。その試みは何を目指していたのだろう?一観客の感想をそ

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それを地獄と呼んでも天国と呼んでも構わない…★劇評★【舞台=出口なし(2019)】

人間とは何か、「私」とは何かを生涯追究し続けたフランスの哲学者、ジャン=ポール・サルトルが劇作家としてこの世界に残した最高傑作「出口なし」を、世界的なバレエダンサーで俳優の首藤康之と舞踊家で振付師の中村恩恵、そして俳優の秋山菜津子と白井晃の4人で、演劇と舞踊の境界線を越えた全く新しいパフォーマンスとして描き出した。これは演劇界にとってひとつの事件だ。ダンスによって描き出される感情は言葉によって強化

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わたしもあなたのことがスキです

Verlieben「あなたの中の私に恋い焦がれる」

ドイツ語の慣用句に、「sich in jmdn. verlieben」という言い回しがある。
「jmdn.(人物)に惚れ込む」とか「恋に落ちる」といった意味の表現で、英語の「fall in love with someone」に近い意味と言われる。再帰動詞といって、核となる動詞verliebenと再帰代名詞(主語と同じものを指す代名詞)がセットになって使われており、恋の対象はinの後に置かれる。

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Vielen Dank:D
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他者との関わりこそすべて

先日、サルトルの戯曲『出口なし』を観劇してきました。

雑誌でふと目にして、近くでやるんだなぁと思って調べたら、ヒョイっと良い席が取れたので、ふらりと観劇。これは、ヒョイっと観に行くものではないですね。

観劇したのちに、事前に読んでおくべきだったであろうものに目を通しても、よく分からない。

でも、よく分からないからこそ、心を頭を胸の中を占めている。

人は1人では自分の存在を確認できない。

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次の土曜日は満月!手放したいことをお願いすると良いらしいです☆
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舞台「出口なし」観劇

2018年9月22日 新国立劇場 小劇場
<作>ジャン=ポール・サルトル
<演出・上演台本>小川絵梨子
<出演>大竹しのぶ、段田安則、多部未華子、本多遼

<劇場>
初めて新国立劇場の小劇場で観る。小劇場は新国立劇場1階(もしかしたら地下?)楽屋口の隣に入り口があり本当にその名の通りこぢんまりとしている。どちらかというと他の劇場と比べて質素というか造りはシンプルだ。天井が高く2階にも1階座席を囲む

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ありがとうございます♡
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「出口なし」

「拷問は… 他人だ」

どんな皮でも人は被れる。少なくとも、この世にいる間は。人は見たいものを見るものだし、見たくないものは、無意識のうちに無いものにしてしまうから。小さな裏切りも、意気地の無さも、ドロドロとした妬心も、すべて笑顔という名の無表情に隠してしまえるから。

でも、本当は知っている。自分はこの「ドロドロ」のせいで、地獄へ行くのだろうと。だから、登場人物は全員、「地獄」に行き着いてしまっ

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