マガジンのカバー画像

仏教について考える

31
全く素人ではありますが独学で仏教について考えています。中沢新一、蓑輪顕量、竹村牧男、清水高志などを読んでいます。密教、華厳、禅などに興味があります。
運営しているクリエイター

記事一覧

無常を腹に落として執着で遊べ!

無常を腹に落として執着で遊べ!

今までの自分のnote記事を見返してみて何が言いたかったのかということが朧げながら見えてきたので総括的な記事を書こうと思う。
私が言いたかったのは、仏教の一番の核となる思想、「無常」という一点に尽きる。無常=いかなるものも永久に存在する本質というものをもっているわけではない。

無常=空
ブッダの一番弟子であるサーリプッタが「空に住する境地」でおりました!と報告したところ、「みごとだみごとだ!偉大

もっとみる
正確な無知の知

正確な無知の知

この世界をわかった気になっていることってないですか?
いまの日本とか、いまの世界とか、自分なりにこんな風に捉えていますというのは人によってあると思うんですが、それ自体を疑った方が良いということに最近気づきました。

私なんかは、今の権威的なものが崩れて欲しいという願望みたいなものがあり、それをもとに世界を見ようとします。そうすると今の世界はあたかも崩れていく直前であるかのように思えてきます。その根

もっとみる
鯰の上に建てた大伽藍

鯰の上に建てた大伽藍

江戸には鯰絵というものがあって、地下に住む鯰が暴れると地震が起こる。江戸時代には安政江戸地震1855年に起こっており、死者は少なく見積もっても6千人いたそうである。その後の関東地方の地震では、防災の日になっている関東大震災が1923年9月1日に起こっている。関東大震災では死者なんと10万人。今年でちょうど100年である。地震の周期はわかないけれど、いつ大都市東京を震源とする首都直下地震が起きてもお

もっとみる
静から動へ

静から動へ

実に慧眼である!

下記の養老孟司さんの動画にて目から鱗が落ちた。

それは養老孟司先生の子どもだったり自然だったりを捉える確かな眼である。彼らは実に動的で変化していく。こうやって書いている間も目まぐるしく変化していく。おおよそ世の中というものの実体というのは、このように変化していくものである!!養老孟司先生は、インターネットにあるものは静的であると論じておられた。私は初めはその意味を掬い取れてい

もっとみる
別冊太陽「河合隼雄」を読んで

別冊太陽「河合隼雄」を読んで

暑さも酷いもので、こんな暑い日は家の中で冷房効かせて読書なんかしているのが一番と思っていますが、なにか今感じていることをつらつらと書き連ねてみようと言う気になりましたので、そんなどうでも良い雑感にお付き合いいただく殊勝な方がおられましたら読み進めてみてください。

最近、私の大好きな河合隼雄さんの雑誌が刊行されまして読んでおりましたら、とても気になる一節が出てきました。

ちょっとグサりときました

もっとみる
自分との和解について

自分との和解について

「そもそも人の怒りとは何だろう?」
と考えて、ユング心理学の理解をもとに、人がムキになって怒るというのはコンプレックスが関係しているということが分かってきた。自分の中の抑圧した心を相手に見た時に、人はムキになって怒る。だから人から何かをムキになって指摘されたりすることがあって落ち込むことがあるかもしれないが、それは正当な自分の評価ではないとも言えるかもしれない、私の中に相手の抑圧した心を見て、ムキ

もっとみる

人間の多層性について

心の深く深くへ潜っていくと、さまざまな自分と出会うことがある。自分の知らない自分がたくさんいる気がしているのだ。

自分の考えている自分像に縛られてはいないか?そんなことを思ったことがある。自分が規定する自分、他人が規定する自分、それは氷山の一角が如く、ほんの一面にすぎない。人を立体的に見ると、善と悪の二元論ではわからない、複雑な多面性、多層性を持っていることがありありとわかるだろう。

よく意外

もっとみる
私の中の他者

私の中の他者

気づく瞑想というものがあるけれど、私が気分が落ち込んだ時の状況を気づいていくと、自分の中に「他者」がいることに気づく。それは自分が作り出したフィクション、妄想であるにも関わらず、自分の心を掻き乱してくれる。

上司に叱られるとする。叱られたのは事実であるが、叱られた時を過ぎても、上司は心の中に居座り、執拗に私を攻撃しつづける。事実だけを捉えようとすると、叱られたのはその場、その時だけである。その後

もっとみる
ある休日・・・《2021.10.28》

ある休日・・・《2021.10.28》

昨日も夜更かししてしまった私は、今日も予定時刻ギリギリに起きて、すぐに準備する。妻が駅まで送ってくれるというので、送ってもらい、朝食の代わりにと妻とミスタードーナツをキメる。

久しぶりの地下鉄に乗る。イヤホンを忘れてしまったが、移動中は読書。岩田慶治の道元を読みながらの移動。なんとも贅沢だ。

約束していた友人と合流して、コロナ禍でずっと出来なかった昼飲みを決行。予約していた中華レストランで食べ

もっとみる
素人が自由に本を読んで物を書く

素人が自由に本を読んで物を書く

どうも私の中で読むと書くというのはセットでやらないと続かないようだ。以前は日記を書いていたので、読書も続いていた。日記を不定期にしてから読書がストップしてしまった。素人の会社員で、趣味のひとつが読書なので、何ら問題はないのだが、一度本を読んで真理とも言えるような核心を得たような心持ちを経験すると、依存症のように次から次へと本が読みたくなる。

ネットでとても興味深い方に出会った。私と同じ、素人の会

もっとみる
自分の知らない自分

自分の知らない自分

自分と付き合って四十年余り、まだまだ自分のことが全然わからない。たまに付き合いのある会社の人間で、「あなたはこういう人間だよね」などと言ってくる人がいる。フッと鼻で笑って、「そうかもしれませんね」と適当に相槌を打ってやり過ごす。キャラなどと言って、自分のある側面を演じる人もいるのかもしれないが、キャラが強すぎると、キャラのために抑えたものがドロドロと仮面の下で渦巻いて、今にも仮面を壊して出てきそう

もっとみる
言葉の意味を解体するハナモゲラ

言葉の意味を解体するハナモゲラ

私にとって転機となるような素晴らしい本に出会った。今はプレミアム価格で定価800円の本を2万円で買った。しかし、この本で出会えたことは得難いものだ。

昔、母をデタラメの韓国語のモノマネで大笑いさせたことがあった。少し後に、タモリの「四ヶ国語麻雀」でハナモゲラという芸を知った。

タモリは言葉を使うことによって、本来のものから離れていくという感覚があったらしい。言語の解像度が低かった私は、日記を書

もっとみる
父母未生以前の面目(自分)

父母未生以前の面目(自分)

私には愛する娘と息子がおります。
とても可愛くて愛おしくてかけがえのない、そんな思いです。彼らが生きているだけで奇跡のように感じております。

父母未生以前の面目(自分)という禅の公案があるようです。父も母も生まれる前の自分に思い馳せる。

私はどうしてもかけがえのない子ども目線で考えてしまいます。

あの奇跡のような愛する娘と息子の父母は、私たち夫婦でございます。私たち夫婦が生まれてくる前の、娘

もっとみる
母の死に接して

母の死に接して

父が母の死を悼んで、生前の録音した声を聞いており、私に送ってきた。元気な頃の母の声だ。母の在りし日のことが鮮烈に蘇ってくるとともに、いまその人はいないという喪失感もやってきた。あれだけ存在感のある母が今はいない。人というのは誰しも死ぬ定めがあり、無から生起して、無にかえっていく。諸行無常。ああ、本当に無になるんだなと思うし、いま現在の浮世の戯れ事は、なんの意味があるのだろう?とさえ思えてくる。しか

もっとみる