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毒親コラム

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毒親について書いたコラムです
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記事一覧

私が「虐待」に気付くまで

私が「虐待」に気付くまで

私がいつ自分の虐待に気付いたのか、と改めて問われるといつだっただろうと自分でも疑問に思う。けれど以前から少しの違和感を感じていたことは確かだ。

その違和感を初めて口にしたのは、大学3年の頃だったと思う。何の話の流れだったかは忘れたが、私はパートナーに何とはなしに話を振った。

「うち、バイト代を親になんだかんだ理由をつけてとられちゃうんだよね。」

そんなことを言った覚えがある。当時私は塾講師の

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私が「毒親」にされていた支配

私が「毒親」にされていた支配

前回のnoteで書いた通り、私が自分の親が「毒親」であると気が付いたのは虐待に気が付くよりも前でした。

きっかけはTwitterでフォローしていた方に「毒親持ち」の方がいたこと。「チェックしてみよう」と思えたのはその方の存在が大きいです。

私はそれまで、自分の親は「そこそこいい親」だと思っていました。ここまで自分を育ててくれたし、大学にも行かせてもらえたし、衣食住は(一応)揃えてもらっているし

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「過干渉」はなぜ毒か

「過干渉」はなぜ毒か

「うちの母親は過干渉なんですよ」

私がそう言うと結構な数の人に「それはお母さんもあなたのことが心配なんだよ」とか「大切にされているんだよ」と返される。

昔は素直に受け取って、「そうか、親も私のことを大切に思ってくれているんだな」と嫌な気持ちに蓋をしてきたものだが、最近は「やっぱり違うんじゃないか?」と思うようになってきた。

それは自分の親が「毒親」なのではないかという気づきを得たことに端を発

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「虐待」と認識すること

「虐待」と認識すること

自分の親が「毒親である」、そしてされた扱いが「虐待である」ということを認めるのは結構大変な作業だ。

自分をここまで「育てて」くれた相手を否定的に捉えることは、巡り巡って今の自分自身の根幹を否定することにも繋がる。できれば自分の根幹は傷つけたくないし、可能な限り守りたいと思う人は少なくないだろう。

けれど、「生きづらさ」を取り除くためには親を「毒親」と認め、彼らに背負わされた「虐待」というものを

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笑う毒親、泣く子ども

毒親を持つ人で「親に笑われた」経験を持つ人は少なくないだろう。
その理由は子どもの失敗かもしれないし、毒親が子どもを見下す行為によってかもしれない。いずれにせよ、毒親は自身の子どもを「格下の存在」として認識している。

たぶん毒親は子どもを思うがままにしたいのだ。自分の好きなように遊べるおもちゃにしたいに違いない。事実毒親は私たちを支配しようとする。暴力や暴言、その他様々な手段を用いて子どもを自分

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世界の中心は親じゃない

世界の中心は親じゃない

私が自分をアダルトチルドレンだと自覚したのはちょうど1年ほど前のことだ。

アダルトチルドレンには主に5つほどの役割があると言われていて、

ヒーロー(家族の期待を一身に背負ったタイプ)
ケアテイカー(親や周囲の面倒を見てきたタイプ)
ロストチャイルド(存在しないふりをして生きのびたタイプ)
クラン(おどけた仮面を被って不安を隠してきたタイプ)
スケープゴート(家族の問題を行動化するタイプ)
(参

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私と母親:「さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ」を読んで

私と母親:「さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ」を読んで

以前から気になっていた「さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ」(永田カビ氏著)を読んだ。

一度通して読んだ第一声は「わかるー!」だった。家族に認められたいとか、母親的な存在を求めているとか、すごく共感できる。特に19ページで述べられている「他人からがんばりを認められないと実際どれだけがんばろうとがんばった事にならないと私は思っていた」という一文が刺さる。自分の価値やそれまでのがんばりというものを

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自分を中心に据える親、子どもを中心に考える親:「ラブライブ!」とともに考える

自分を中心に据える親、子どもを中心に考える親:「ラブライブ!」とともに考える

スクールアイドルと親の関係私の趣味の一つはスマホゲームをすることである。今日も「ラブライブ!」のゲームをしていたのだが、そのときふと思った。

「登場キャラって結構親に協力してもらってるよな…」

「ラブライブ!」というのはとある高校のスクールアイドル(自分の学校の名を背負って活動するアイドル)のアイドル活動(いわゆる部活に近い)の様子と「ラブライブ」という大会までの道のりを描いたメディア作品であ

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ピーナッツはいつかバラバラになる

ピーナッツはいつかバラバラになる

母親はいつだって私に我慢をさせていた

「お父さんは子どもだからあなたが上手く手のひらで転がすのよ」
事あるごとに母は私にそう言い聞かせた。

実際父親は子どもっぽい人だった。
自分の思い通りにならないとすぐ不機嫌になって当たり散らすし、欲しいものはお金が無くても買うため貯金はないどころか借金が積み重なっていた。
母親はそんな父親に苦労させられていたように思う。消費者金融からの電話も母親が対応して

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彼女は孤独に恐怖する―毒親雑記

彼女は孤独に恐怖する―毒親雑記

祖母が倒れたのは昨年の11月だったか。

祖母は体が弱い人で、それまでも常に病院をいくつかはしごする生活を送っていた。そのこともあって危篤の知らせは急転直下と言うほどのものではなかったものの、私を驚かせるには十分すぎる出来事であった。
病院に運ばれたというメールを受けてから半日ほど経った後、母親から電話がかかってきた。

「おばあちゃんね、危険な状態だって。延命をするかと聞かれたけど、前からそうな

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