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「僕は長州力のことを、ちっとも恨んでなんかないですよおおお!」ターザン山本ロングインタビュー 放蕩息子の遺言
すでにご存知の方もいると思いますが、『昭和40年男』『昭和50年男』といった雑誌を発行していた株式会社クレタパブリッシングが倒産しました。 https://prtimes.jp/main/…
たけしがたけしを辞めるとき
(初出●「昭和40年男」2021年10月号)
今から2500字、「たけし」と呼び捨てにすることを読者貴兄にご寛恕頂きたい。
ビートたけし。お笑いの社会的地位を向上させ、テレビ史だけでなく世界の映画史にも名を残す、現在進行形の偉人。昭和、平成、令和と3つの元号に跨って、時の総理大臣より偉い地位に就き続けるこの男について、いったいどこから語ればいいのか。
まず、漫才ブームがあった。「オレたちひょ
「僕は長州力のことを、ちっとも恨んでなんかないですよおおお!」ターザン山本ロングインタビュー 放蕩息子の遺言
すでにご存知の方もいると思いますが、『昭和40年男』『昭和50年男』といった雑誌を発行していた株式会社クレタパブリッシングが倒産しました。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000126.000074237.html
株式会社ヘリテージに事業が譲り渡されたため、『昭和40年男』『昭和50年男』はその後も発行を続けています。それは良かった。
しかし同誌で
『君たちはなぜ、怒らないのか 父・大島渚と50の言葉』(大島武・大島新著)評
編集部から本書の書評依頼を頂いたとき、引き受けようか迷った。
映画評論家の四方田犬彦氏のゼミに聴講生として通っていたこともあり、大島渚の代表作はだいたい観ていたものの、「頭の悪い自分は、難解な彼の作品の良き理解者ではない」と思っていた。しかし本書を読み進めていくうち、そんなことは大した問題ではないとわかった。
「父親との交流や会話がほとんどなかった父は、自分の息子たちとどう接したら良いのか、
神のような孤独な魂ーー石原慎太郎『やや暴力的に』評
僕は以前ツイッターで、「石原慎太郎は政治家としても人間としても最低最悪だが、作家としては神。もしくはそれ以上。」と書いて顰蹙を買ったことがある。後悔はないし、その考えが揺らいだことはない。
どれだけ慎太郎の影響を受けてきたかわからない。拙著『ルック・バック・イン・アンガー』の文体は『太陽の季節』『灰色の教室』からだし、『民宿雪国』に出てくる海の風景は『風についての記憶』から大いにパクらせてもらっ
一冊の小説に魂を揺さぶられたことはあるか?ーー映画『ノクターナル・アニマルズ』評
グッチ、イヴ・サンローランなどの世界的ファッションデザイナー、トム・フォードが監督した映画『ノクターナル・アニマルズ』を観た。ぶっ飛んだ。
ストーリーはこう。エイミー・アダムスが演じる金持ちアートディーラーのもとに、元夫(ジェイク・ギレンホール。彼が出る映画にハズレなし)が書いた小説が届く。20年前に自分が棄てた夫が何を今更?と彼女は訝しる。しかしそれは衝撃的なストーリーだった。
真夜中のハイ
育児日記Season3 (第1回) ふたり目は贅沢ですか?
【承前】
「セフレ以上恋人未満」から、ふさことの関係は始まった。
男女の関係になって半年ぐらい経って、ふさこからコクられた。
「樋口さんの子どもが欲しいです。お金はいりません。籍も入れなくていいです。一切迷惑をかけません」
真に受けたわけではないけれど、気が付いたら僕は、ふさこが当時メインで働いていた京都に移り住み、所属する松竹芸能の要請により入籍し、お金を折半して、赤ん坊の一文の育児を全面
2020年映画ベスト4
〝映画はどこで観るものか?〟
〝ーーそんなの劇場に決まっている〟と、
今さらながら痛感した1年だった。
家のパソコンでは集中力に限界があり、感動は減退する(と言いつつ、僕の一昨年のベストワンは『ROMA』のスマホ鑑賞だったけど)。
そしてもうひとつ。自分にとってアメリカ映画の比重が大きいことを、今さらながら感じずにはいられなかった。
よって毎年ベストテンをセレクトするところですが、今年は