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[映画]生きちゃった〜日本人らしい寡黙な男を襲う過酷な運命〜

仲野太賀が好きで、ずっと見たかった作品。
NETFLIXにて鑑賞。

山田厚久(仲野太賀)と武田(若葉竜也)は幼馴染。厚久は結婚しており、5歳の娘がいる。平凡だがそれなりの生活。だがある日、厚久が会社を早退して家に帰ると、妻(大島優子)が見知らぬ男と情事に耽っていた。あまりにも急なことで、厚久は怒ることもできなければ悲しむこともできない。感情に蓋をすることしかできなかった。その日を境に厚久と妻、武田の関係は歪んでいき、物語は予期せぬ展開へと向かっていく・・・。


とても好きなタイプの映画だが、重たい。ずーっと重たい。この邦画特有のどんよりとした、ダウナーな感じ。

タイトル。胸を張って「生きてきた」とは言えないから、「生きちゃった」なのかなと思った。

あえて見ず、聞かせず想像させる演出が素晴らしい。その中で疾走感や生きている感じを視聴者側に感じとらせるカメラワークも良かった。

所々にセミやトカゲなどの生き物にも映画のタイトルを感じさせられる。



思ってることを言えなくて、
感情と逆の行動をしちゃって、
言わない方がよかったとか、
合わせることが一番の思いやりだとか、
気づいたときにはもう戻れないとこまで来ちゃってて、、

そんな誰しもがあることを少し大袈裟に表現してる映画だと思った。


現代社会にのまれた厚久演じる仲野太賀に共感して1時間半、ずっとしんどいのに最後の10分でそれが快感になり、勇気となる。

「好きじゃないから本音を言える」
「本当のことを言うことが大切なんだ」
このセリフ刺さった。


監督は何を伝えたかったのか、、「どうしようもない世界でも必死に生きていくしかない」を伝えるためにしてはダラダラと地獄を続けすぎでは、、とは思ってしまった。

仲野太賀の演技が良い。将来アカデミー賞取ると思う。必ず。自然で嘘が無くて、泣きの演技が特に良い。


今の時代、みんな発言することをグッと我慢しながら生きている。素直に気持ちを伝えることで少しは人生が良い方向に進んでいくのかもしれない。


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