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現実逃避のうた

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#夢

ほちょうきの現実逃避

こおろぎがなくころ、何かを夢みていた。

大草原にさく花々がささやく音。
きつねの兄さんが勇ましく食べ物をさがしにいく音。
ダンプカーに人が乗り降りするおと。
手拭いをまいたおとうちゃんがトンネルの中をあるく音。

音が自分の体を支配していく。

やがてぼくの聴覚が、研ぎ澄まされていく。
全部の音を支配していく。

音の支配人となったわたしは、いつでも
自由に音楽をうみだすことができるよう

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カタルの現実逃避

夢を語ろうみんなに語ろう。
知っている人全員に夢を語ろう。
語り合う前に取り合えず語ろう。
自分のことを話そう。

沢山はなそう、ついでに自分の今後の目標も
話してしまおう。
野心がなくても語ろう。
ろうそくの炎が消えても語ろう。
「夢って、人に語ると叶わなくなる」なんて全くの嘘さ。そう思わないかい?
いいかい、できるだけたくさんの人に伝えるんだ。
なんなら自分から寄っていって、夢を語ろう。

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シーズンの現実逃避

ぼくの見る夢の中はいつだって秋

そう、深い眠りの途中、
とつぜん黄金色の空気が舞って来て、
ぼくをとりかこんだかと思えば、
どうだい?
いつのまにか、夢の中さ。
夢の世界の季節はなにかって?
だから、秋。

普段の現実世界では、
赤・茶、オフホワイトのグラデーションさ。
そう、夏。いつでも夏。
濃くて騒がしい、厳しい太陽の光に
さらされて、
そして1日の終わりには、
疲労感がおそってくる。

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モノクロの現実逃避

さあ、戻ってきた、
また、やってきたんだ

赤き血の色、うつくしき木々の緑色
そして湖のえらく透き通る青い色!

これらは全て幻想である
真実は、ただ白と黒の世界
そこには夢や希望が満ち溢れている

そこはだれにとっても夢の世界
モノクロが自分でいられる特別な世界

ひろこの現実逃避

ひろこの夢は、ちいちゃくなって、
かぶと虫の背中にのって、
ありんこやみみずや毛虫や
団子虫やサソリと出会うこと。
そして必ずこう言ってやるんだ。

ありんこにであったら、
「もっともっと働け」
みみずにであったら、
「うねるようにあるくな」
毛虫にあったら、
「もう二度と家の庭の木にくるな」
団子虫にであったら、
「丸くなったまま、冬眠すれば」
サソリにであったら、
「私達をささないで」

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現実逃避のうた(みなこの現実逃避

さようなら~!みんなあ~!

いい思い出を、ありがとう・・・

私は今宵みた夢に出てきたすばらしい人々に

感謝の気持ちをささげる・・

ああありがとう。

たとえ夢の中であっても、

その方々は確かにわたしの心の奥に潜む

善良な人たちなのだった。