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大学改革

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#キャリア教育

”ジョブ型雇用に対応する”新コース開設告知から考える。広く曖昧なテーマを強く打ち出すことの危うさと難しさ。

”ジョブ型雇用に対応する”新コース開設告知から考える。広く曖昧なテーマを強く打ち出すことの危うさと難しさ。

研究者育成に特化した一部の大学をのぞけば、ほとんどの大学は社会や就職を意識して学生の教育にあたっているように思います。今回、見つけた多摩大学経営情報学部に新設される2コースも、この視点が色濃く出たコースです。ただ、これら新コースの売り文句にある「『ジョブ型雇用』に対応する2コース」というのが、めずらしい視点であるとともに、なんとも考えさせられるフレーズだと思い、今回はこれを取り上げることにしました

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フェリス女学院大の取り組みから考える、在学生に伝えるべき卒業生コンテンツのつくり方と届け方。

フェリス女学院大の取り組みから考える、在学生に伝えるべき卒業生コンテンツのつくり方と届け方。

卒業生インタビューは、入試広報にとって欠かせない重要コンテンツなだけでなく、在学生にとっても価値ある情報になります。今回、見つけたフェリス女学院大学の取り組みでは、卒業生インタビューをキャリア教育に活用しているのですが、よくよく考えるとキャリア以外の面から考えても、こういう取り組みは大事なように感じました。

書籍化・有料化することで変わる価値と印象

ではまず、どのような取り組みなのかを見ていき

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そもそも別物!?大学のこれからを左右するかもしれない、これからのキャリア教育&支援について考える。

そもそも別物!?大学のこれからを左右するかもしれない、これからのキャリア教育&支援について考える。

今回、取り上げるのは立教大学のオンラインイベントです。オンラインイベント自体もう今となればめずらしくないうえ、このイベントが取り上げているテーマもそこまで突飛なわけではありません。でもこれは……と思ったのは、このイベントがキャリアイベントと銘打っていたからです。大学のキャリア教育、キャリア支援というのは、これから先ものすごく変わっていくんだろうなと、このイベントを見つけてしみじみと思いました。

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SDGsも、就職も、本質を見据えた取り組みこそが、説得力がある。(立命館)

SDGsも、就職も、本質を見据えた取り組みこそが、説得力がある。(立命館)

猫も杓子も、というと怒られそうですが、最近いろいろなところでSDGsに関わる取り組みを見かけるようになりました。大学もご多分に漏れずSDGs推進に力を入れており、イベントであったり、ウェブサイト等での情報発信であったり、さまざまな取り組みをしています。

こういった大学のSDGs関連の取り組みを見ていると、既存の取り組みや研究に17ゴールのラベリングをしたり、学生主催のイベントだったりで、本質的な

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学生たちの特権を学生たちが否定する!?「学生調査」の難しさと危険性。

学生たちの特権を学生たちが否定する!?「学生調査」の難しさと危険性。

大学の学びは大きな方向性として、「何を教えたか」から「何を身につけたか」に評価の軸を変えようとしています。これ自体は、決して悪いことではないのですが、「何を身につけたか」を誰がどう判断するかは難しいところです。前者であれば大学だけで判断できるのですが、後者は教えられる学生の数だけ答えがあります。

文部科学省と国立教育政策研究所が取り組もうとする「学生調査」には、そういった個々の状況を把握すること

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