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iceuta 詩と日常のはなし

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1才児のいのち(詩)

意味なんて知らなくても 1才児は、笑顔でそこにいる 意味なんて知らなくても 1才児は、踏ん張って立ち上がり 小さな歩みを止めることを知らない 新しい出会いに目を輝かせ…

iceuta
1年前
20

雪溶け(詩)

あ、水の音がする 雨が降ったわけでもないのに それどころか今朝は珍しく晴れている カーテンを開けると 屋根のつららが 水になって一面に降り注いでいた 光のもとで…

iceuta
2か月前
8

春の雲(詩)

もうすぐ春が、やってくる。 風が、とてもはやくふいて 急かすように雲をおしながし 冷たい雪をふらせたり 暖かい太陽をのぞかせたりしながら 目まぐるしく、変化して…

iceuta
2か月前
12

朝になっても(詩)

朝になっても、雪国の雲は厚い 太陽がなかなか顔を出さない 日の差さない朝が続くと 気持ちが滅入る 朝が来ても夜みたいで 朝が来ても昨日が続いているみたい そんなと…

iceuta
3か月前
6

AM5:00(詩)

目覚めたとき 心がしんとしている静かな朝 カーテンの隙間から 穏やかな光が入り込む部屋は まるで印象派の絵画のよう

iceuta
8か月前
6

感じるままに(詩)

感じるままに生きていたい 心からのほんとうの想いを ありったけ誰かに伝えて わたしの良いも悪いもぜんぶ これまでもこれからもぜんぶ いったん海に投げ入れて わた…

iceuta
8か月前
4

君へ(詩)

覚えておいて 楽園なんてものはないって いつだって 完璧なひとつのものはないの どんなものも ひとも 長所は短所だから ひとりだけではできないことが ひとつだけ…

iceuta
10か月前
5

どうして(詩)

どうして わたしはいつも間違えてばかりなんだろう どうして ぼくはみんなと同じに出来ないのだろう そう思ってしまうとき 決してあなたは悪くない そんな問いが 生…

iceuta
10か月前
13

夏の懐かしさ(詩)

夏が来ると わたしは懐かしい それはどうしてか 自分にも分からない 草のみどりのにおいが 照りつける太陽の日差しが 夕暮れ時のヒグラシの鳴き声が わたしに何かを思い…

iceuta
10か月前
12

For Clematis no Oka(詩)

そこではいつも心地良い風が吹く 緑にあふれ 花にあふれ 誰もこばまない やさしい庭園 ただひとり、風に吹かれたいとき いつもクレマチスの丘に行く 穏やかな陽の光…

iceuta
11か月前
3

白と黒(詩)

白は表で黒は裏 白は本当で黒は嘘 白は期待で黒は失望 これしかないと思ってすぐ白になる これじゃなかったわとすぐ黒になる わたしが生きているのはグレー だけど、…

iceuta
11か月前
5

種を蒔く(詩)

旅行の計画を立てる まだ行ったことのないあの街は どんな場所だろう、どんな景色だろう チケットの抽選を申し込む もし当たれば絶対に有給を申請して 大好きなあの人に会…

iceuta
11か月前
17

ネオン(詩)

光り輝く街 東京で 私は暮らしている 飛行機から見下ろす夜景は とても美しい 夜の都会にはたくさんの光がある ネオンの光 マンションの光 オフィスの光 居酒屋の光 …

iceuta
11か月前
5

深夜の本屋さんが好きという話

最寄りの駅の本屋が23時まで営業するようになって、仕事で遅くなった夜もまだ明かりが灯っているので、吸い寄せられるように本屋に立ち寄ることが増えた。 深夜の本屋は不…

iceuta
1年前
10

こどもとおとな(詩)

親戚の集まりで 小さな従姉妹がみんなに聞いた 「ねえ、おねえちゃんてこども?おとな?」 純粋な問いだった わたしは16歳だった それを聞いた父はすぐに 「まだ、子…

iceuta
1年前
8

流れ行く雲(詩)

雲が流れていく あっという間に姿を変えて さっきまで見ていた雲のかたちは すでにここにはない 絶えず変化し続ける雲 変わっていくのにずっと美しいのが不思議だ

iceuta
1年前
4
1才児のいのち(詩)

1才児のいのち(詩)

意味なんて知らなくても
1才児は、笑顔でそこにいる

意味なんて知らなくても
1才児は、踏ん張って立ち上がり
小さな歩みを止めることを知らない
新しい出会いに目を輝かせている

意味なんて言葉を知らなくても
1才児は、ただ生きようとしているのがわかる

人の「生きる」は
きっと意味よりも先に

この世に生まれた喜びや悲しみや
ここにいるわけを考えるよりも先に

この1才児のなかに、
「生きる」があ

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雪溶け(詩)

雪溶け(詩)

あ、水の音がする

雨が降ったわけでもないのに

それどころか今朝は珍しく晴れている

カーテンを開けると

屋根のつららが

水になって一面に降り注いでいた

光のもとで

外を歩くと、みずみずしい春のにおい

地面にできた、大きな水たまりに

青空が反射している

冷たい雪も かたい氷も 

やわらかい水となって、大地を育み

今年も花を咲かせてくれる

雪溶けという名の「はじまり」

春の雲(詩)

春の雲(詩)

もうすぐ春が、やってくる。

風が、とてもはやくふいて

急かすように雲をおしながし

冷たい雪をふらせたり

暖かい太陽をのぞかせたりしながら

目まぐるしく、変化していき

そのさきに、ほんとうの春がある。

春の雲は、

なにかに急かされて

これから、ほかのものやところへ、と

せわしなく変化させられる

春の私たちにも似ている

朝になっても(詩)

朝になっても(詩)

朝になっても、雪国の雲は厚い
太陽がなかなか顔を出さない

日の差さない朝が続くと
気持ちが滅入る

朝が来ても夜みたいで
朝が来ても昨日が続いているみたい

そんなとき誰かに
「おはよう」って言われて
朝のはじまりを感じたい

AM5:00(詩)

AM5:00(詩)

目覚めたとき

心がしんとしている静かな朝

カーテンの隙間から

穏やかな光が入り込む部屋は

まるで印象派の絵画のよう

感じるままに(詩)

感じるままに(詩)

感じるままに生きていたい

心からのほんとうの想いを

ありったけ誰かに伝えて

わたしの良いも悪いもぜんぶ

これまでもこれからもぜんぶ

いったん海に投げ入れて

わたしが感じていたいのは

浜辺の砂の熱さと

海の水の冷たさ

目の前に広がる青い世界

いまここに生きている「わたし」

君へ(詩)

君へ(詩)

覚えておいて

楽園なんてものはないって

いつだって 完璧なひとつのものはないの

どんなものも ひとも 長所は短所だから

ひとりだけではできないことが

ひとつだけでは満ち足りないことが

あって当たり前

心も 悲しいがあるから嬉しいことを

感じられるように

世界はいつも そのすべてで成り立っている

すべてが 必要とされている

どうして(詩)

どうして(詩)

どうして

わたしはいつも間違えてばかりなんだろう

どうして

ぼくはみんなと同じに出来ないのだろう

そう思ってしまうとき

決してあなたは悪くない

そんな問いが 生まれない社会であってほしい

夏の懐かしさ(詩)

夏の懐かしさ(詩)

夏が来ると わたしは懐かしい
それはどうしてか 自分にも分からない

草のみどりのにおいが
照りつける太陽の日差しが
夕暮れ時のヒグラシの鳴き声が
わたしに何かを思い出させる

過去や未来なんていうものも知らずに
ただ夏のなかを生きていたあの頃のわたしを
身体が思い出してすこし切ない気持ちになる

あの頃のわたしも
まわりの人たちも
今はもう、ここにはいないので

あれはあの夏だけのものだったんだ

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For Clematis no Oka(詩)

For Clematis no Oka(詩)

そこではいつも心地良い風が吹く

緑にあふれ 花にあふれ

誰もこばまない やさしい庭園

ただひとり、風に吹かれたいとき

いつもクレマチスの丘に行く

穏やかな陽の光のもと

自然と一緒になって深く息を吸う

追記
旅先で偶然出会った、静岡県三島市にある「クレマチスの丘」のヴァンジ彫刻庭園美術館がとても好きです。現在は休館中ですが、再開を心待ちにしています。

【クレマチスの丘】公式サイト
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白と黒(詩)

白と黒(詩)

白は表で黒は裏

白は本当で黒は嘘

白は期待で黒は失望

これしかないと思ってすぐ白になる

これじゃなかったわとすぐ黒になる

わたしが生きているのはグレー

だけど、求めているのはいつだって白のほう

白が黒になってしまうことを恐れながら

確固たる白をずっと追い求めている

種を蒔く(詩)

種を蒔く(詩)

旅行の計画を立てる
まだ行ったことのないあの街は
どんな場所だろう、どんな景色だろう

チケットの抽選を申し込む
もし当たれば絶対に有給を申請して
大好きなあの人に会いに行こう

漫画の新刊を予約する
気になるあの続きがようやく読める
その前に 前の巻をもういちどおさらい

新しいノートを買う
なんでも自由に書いていい白紙のノート
まっさらな1ページ目に書くものを考える

そうやって未来に種を蒔く

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ネオン(詩)

ネオン(詩)

光り輝く街 東京で 私は暮らしている
飛行機から見下ろす夜景は とても美しい

夜の都会にはたくさんの光がある

ネオンの光
マンションの光
オフィスの光
居酒屋の光
ライブハウスの光
信号機の光
電車の光

こんなに明るい光のなかにいても
まっくらな夜がたまにある

都会の光が自分を照らしてくれるわけではなく
都会の光が自分を何かに変えてくれるわけでもない

どこに住もうとも自分次第なのだという

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深夜の本屋さんが好きという話

深夜の本屋さんが好きという話

最寄りの駅の本屋が23時まで営業するようになって、仕事で遅くなった夜もまだ明かりが灯っているので、吸い寄せられるように本屋に立ち寄ることが増えた。

深夜の本屋は不思議だ。
人はまばらだけどいつも誰かしらはいて、なんだかんだレジも、けっこうお会計してる音が聞こえる。

みんなどんな理由で真夜中の本屋に立ち寄るのかは知らないけど、夜の本屋って意外と需要があるんだなと思う。そしてわたしもそのひとり。

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こどもとおとな(詩)

こどもとおとな(詩)

親戚の集まりで

小さな従姉妹がみんなに聞いた

「ねえ、おねえちゃんてこども?おとな?」

純粋な問いだった

わたしは16歳だった

それを聞いた父はすぐに

「まだ、子どもだよ」

と、優しい笑みを浮かべて答えた

ああ、わたしまだ子どもでいて良いんだ

と、安心したこと

なぜかふと思い出した

26歳のわたし

流れ行く雲(詩)

流れ行く雲(詩)

雲が流れていく
あっという間に姿を変えて
さっきまで見ていた雲のかたちは
すでにここにはない

絶えず変化し続ける雲
変わっていくのにずっと美しいのが不思議だ