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砦 稚加
2018年5月29日 11:24
昨日の夜は流星群だったから、たくさんのお願いごとを考えていた。それでも、願おうと思ってみても、頭の中を過ぎることは過去の後悔ばかりだった。あの時こうしていればよかった。もっと違う選択肢があったのに。そう考えていると、私の願いなんて「過去に戻りたい」それだけなんじゃないかって思えてきた。 そんな昨日のできごとを、学校に向かう途中でクラスメイトのサヤコに何気なく話してみた。「マナさぁ、ほんと
2018年5月18日 11:35
雨が、降っていた。いつものことだった。ここ数年、雨が降らない日は見たことがない。大地は根腐れを起こし、もうもうと立ち込める霧のような臭気に慣らされて、それでも僕たちは生きていた。世界は、ゆるやかに終わろうとしているのだと思う。どこかで聞き飽きた陳腐な言葉でしかないけれど、終焉とはこんなにも穏やかなものなのかと、僕は今日も窓の外を見つめている。「準備、できた?」不意に、窓越しに視線が