見出し画像

46.アラフィフが留学ビザで移住できるのか?

2ヵ月のローマ滞在を終えるタイミングで私のイタリア移住は大きく舵を別の方向へ切りました。
目指すは就労ビザではなく、留学ビザによるイタリア移住です。
しかし、当時の私はすでにアラフィフ。
アラフィフで留学ビザなんて発給してもらえるのでしょうか?


何歳まで留学できるのか?

プリマドンナのアドバイスでアラフィフにして留学することにしました。
ただ、私はその気でもアラフィフに留学ビザが下りるものなのでしょうか。

今回この文章を書くにあたり確認したところ、2024年現在、イタリアへの留学ビザに関して特に年齢制限は設けられていません。
アラフィフどころかアラカン以上でも留学生として認められ留学ビザが発給されるそうです。
私のときはたしか60歳以下、という年齢制限があったように記憶しています。

学ぶ意思があり、手続きや書類の取得など滞りなく手配することができれば、年齢に関係なく留学ビザでイタリア移住することができます。
ただし、発行期間は最大で1年間。
2年目以降は改めて手続きをする必要があるので、留学先にどんな学校を選ぶのかがポイントとなってきます。

2年しかいられない語学学校

留学と言えば、音楽、絵画、彫刻、デザイン、皮革や宝飾といった工芸など多くの専門学校、大学が選択肢に挙げられますが、私には語学学校しか思い浮かびませんでした。

ローマには外国人のためのイタリア語学校がいくつかあります。
その中でも由緒ありそうな、かつ学費も安そうなところを探して実際に行ってみました。
パラッツォ・キージ(首相官邸)近くにあるイタリア語学校です。

学校の窓口で資料をもらったり、校内を見学させてもらうなど2、3回足を運ぶのですが、ここで私はわりと大切なことを知ります。
語学学校には最大2年間までしか在席することができないのです。

しかも留学ビザは1年分しか出ないため、期限が切れる前に延長手続きをしなくてはいけません。
あらかじめ2年間の留学を決めていたとしても、1回の申請で2年分のビザが下りるわけではありませんでした。

これはちょっと面倒だし、2年というのは移住手段としては短かすぎます。
イタリアに死ぬまで住むつもりはありませんでしたが、それにしても2年だけというのはあまりに短く現実的ではないと思いました。

すると件のプリマドンナが、ちょっと秘密の話をするように、まるで公にはしてくれるなとでも言うようにして、ある情報をくれたのです。
語学ではなく芸術学校なら2年以上在籍することができる、ということを。

そして、とある私立の芸術学校を紹介してくれました。

校長先生に会いに行く

そこは、すでに声楽や各楽器の勉強を修めた人がレベルアップのために通うような専門学校でした。
私には音楽の経験も素養もまったくありませんが、少し前に新設されたばかりだという絵画コースになら入学させてもらえるのではないかと言うのです。

音楽同様、絵画を習ったこともセンスもなかったものの、とりあえずダメ元で学校へ行くと、校長先生が待っていてくれました。
すこし気難しそうな印象のある高齢の小柄な女性で、半地下にある彼女のオフィスに通されさまざまな質問をされたのですが、どうやらこれが入学テストだったようです。

就職活動のために職務経歴書をイタリア語翻訳したものはすでに作ってあったので持参していました。
校長先生はそれに目を通し、私の経歴にあった広告代理店でのアートディレクションの経験に目を止め、突っ込んだ質問をします。
そして、親の仕事のことも聞かれ、実は父親は建築士だったのですが、それを話したら面接はすんなりと終わりました。

イタリアでは建築士というとアート分野に入るらしいです。
親の職業がそれならば、娘の私にアーティストとしての経験がなくても良いだろうとのことでした。
こうしてアートの実技テストも何もなく、アートスクールへの入学許可が下りたのです。

日本への一時帰国を目前に、ようやくここまで決めることができました。
あとはビザの申請に必要な書類をそろえるだけです。

この記事が参加している募集

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?