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「言葉」がない風景(2)
Dくんの姿は、当時の私の姿そのものに映った。朝、家を出て学校に到着し、帰宅するまではずっと日本語が聞こえてくる。周囲は色々と自分を気にしてはくれるけれど、もうお腹いっぱいなのだ。「勘弁してよ、ちょっと休ませて」と心が悲鳴を上げている。「それでもこのプリントが終われば、僕は家に帰ることができる、だから僕はさっさとこれを片付けているんだ、、」。そんなふうに彼の姿は言っているようにみえた。
あの時の自
「言葉」がない風景 (1)
先月末から、外国籍の子供への学習支援ボランティアをはじめた。
特に理由があったわけではない。たまたま友人とお茶をしていた際、「Iさん(私)は昔、海外に住んでいたんだよね? 外国で暮らすってどんな感じ? 言葉はどのくらいで覚えたの?」と聞かれた。話を聞くと、彼女は近所の方の紹介で4月から公民館で週に1回、外国人の子供達を相手に日本語学習のボランティアをしているという。
Bさん(友人)とは小学校の読
ブックマンションでの一年 <後編>
選書と棚づくり選書という言葉を聞いて、馴染みを感じる方はいるだろうか? 普通はあまりないかと思う。私は小学校の読み聞かせボランティアを5年程やっており、聞いたことはあったが、「つまり本選びだよね?」くらいにしか思っていなかった。私が所属するボランティアには、学年ごとに合った絵本を選び、その組み合わせや時間配分などを考えてくれる選書担当がおり、お任せしてきた。そんな私が「選書の奥深さ」を考える機会が
もっとみるブックマンションでの一年 <前編>
早いもので、私がブックマンションの棚主になってからもうすぐ一年になる。コロナ禍中で新しいことをはじめる。今ある暮らしの中からの引き算ではなく、多少なりともコストが発生し、エネルギーがかかることをする。というのは、もしかしたら「やらなくてもいいこと」なのかもしれない。がしかし、逆に言えば、それは自分の心にとても忠実で、本質を突いたアクションだったと思う。
コスト面で言えば、毎月発生している棚利用料
同じ方向をみること-藻琴山-
屈斜路湖の北側に藻琴山という名の山がある。
本来であれば、羅臼岳に挑戦したかったのだが、体力面など準備不足もあり、ガイドブックに「約1時間で気軽に登れる山。観光のついでに立ち寄るのもよい」とあったので登ることにした。
藻琴山の山頂は標高1000m。駐車場から見えていた高台は山頂ではなく、アップダウンの繰り返しや岩場もあり、山頂と思った場所が中継地点であったことが度々あり(笑)、気軽なハイキングと
シマフクロウの宿 -知床-
羅臼に「鷲の宿」という名の民宿がある。ここは鷲が出るわけではなく、民宿前にある川にシマフクロウが現れる。
シマフクロウは、日本では知床に100羽程しかいない絶滅危惧種である。体長約70cm、翼を広げると180cm、体重4kg前後、世界最大クラスのフクロウだ。主食はフクロウにしては珍しく「魚」であるため、"Fish Owl" と呼ばれたりもする。
私は鳥には詳しくないが、フクロウだけはとても好き
ブックマンションでの一日
先週金曜日、ブックマンションでお店番をした。よく「ブックマンションって何?」と聞かれるので、今回はそのことについて書いてみたい。
ブックマンションとは?吉祥寺の東急デパート裏、ビルの地下1階にブックマンションはある。ブックマンションは、棚ごとに本の売り主が異なる、小さな本屋さんの集合体である。最近は空き物件などを利用し、複数の人達が古本を売る「シェア型古本屋さん」が全国的にも増えてきているようだ