よしこう

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ここでは、小説やエッセイの翻訳や自作を掲載していきます。  雑記ブログ:https://mamekyuu2.hatenablog.com/  X : @jijian0426  好きなもの:ロック系アイドル/インターネットラジオ/TOEIC

マガジン

  • 【翻訳】P.G.ウッドハウス著 マックの店(旧:Kちゃん)

    皇后さまもファンである、「ジーヴス」シリーズの作者、P.G.ウッドハウス。 その短編の一つを翻訳しました。

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男が堂々とネグリジェを着ることのできる場所

普通、男性がネグリジェを着ることはありません。 おっさんなら、なおさらそうです。 男でネグリジェを着る人は、「そっち系」とみなされます。 でも、おっさんでも堂々とネグリジェを着られる場所があるんです。「そんな所あるわけない」とお思いでしょうが。

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    • AHoyH(アンノーン)について -ライブ配信の描き出し方-

      ここでは阿部和重『AHoyH(アンノーン)』に関して述べていく。 ライブ配信とは アンノーンではライブ配信についての描写があるが、この描写はいささか不十分であると考える。 その理由は、「視聴者からのコメント」が全くないことになっている、あるいは描写が省略されているからだ。 すでに録画したものを配信する主にYouTubeのようなスタイルであればコメントは後からつくので、コメントの描写はあるいは省略してもよいだろう。しかしライブ配信では、配信者の発言と視聴者のコメントとのや

      • しょっぱなでつまずいた就活

        「あー行きたくないなあ」と心の中でなんども呟きながら、俺はO教授の研究室へと歩を進めていた。  俺はO教授が苦手だ。そもそもO教授のゼミになど所属したくはなかった。というのも二回生のころ所属するゼミを決めるためにゼミ訪問があり、いくつかのゼミ教室を訪問したのだが、その時のO教授の印象が最悪だったからだ。  数人でやってきた俺たちを冷たく見て、O教授は「小学生の遠足みたいだな」と吐き捨てるようにいった。その後の質問に対しても、おおよそ真摯とはいえないような対応だ。「こんな人

        • 教育問題:二系統の教育制度設定について

          現在の教育問題を解決するために、「二系統の教育制度設定」を提唱したい。具体的には、スキゾ系とパラノ系の教育制度を同時並行的に用意して、学習者は自由に乗り換えられる、というものだ。 これは、自分自身の教育経験がヒントになっている。幼稚園はあまり意識がなかったが、小学校~高校まで、私は学校に通うのが苦痛だった。 まず、毎日決まった時間に登校するのがいやだ。それから毎日毎日、椅子に座ってつまらない授業を受けなければならない。小学校なら、昼にはまずい給食をみんなで食べされられる。

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        • 【翻訳】P.G.ウッドハウス著 マックの店(旧:Kちゃん)
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          「柿の精」に関する考察

           口承文芸の事例として、ここでは「柿の精」という日本の昔話を取り上げる。「柿の精」というタイトルは「まんが日本昔話」というテレビ番組でもとの話を編集して取り上げられた際のもので、もともとは「タンタンコロリン」という妖怪に関する民話のようだ。  隣の柿がほしいお婆さんのもとに、ある日入道坊主がやってくる。そしてつぶれた柿の実のようなものを皿に盛って戻ってきたが、お婆さんが食べてみるとこれが大変おいしかった。  そこへ息子が家に戻ってくるのだが、のぞいてみると入道坊主は皿に糞

          「柿の精」に関する考察

          一人称小説における、モノローグ型と対話型について

          大学の講義で小説を人称によって区分する、ということを学んだ。具体的には一人称、二人称、三人称の視点で書かれた小説に分けられる、ということだ。 だが、特に一人称小説に関しては、さらに区分を設けた方がよいと思われる。つまり、さらにモノローグ型と対話型に分ける、ということだ。一体どういうことなのか、以下で述べていく。 モノローグ小説とは、小説の中に他者との会話が全く出てこず、「私」の見たイメージ、あるいは「私」の心境、行動のみが描写される、というタイプ。一方、対話型とは、「私」

          一人称小説における、モノローグ型と対話型について

          「から」についての考察

           今回、「から」という言葉について取り上げる。結論を先に言うと、「から」は往々にして誤解を生むということを述べていく。  個人的な話になるが、私が初めて哲学に興味を持ったのは、高校の倫理の教科書でデカルトの「方法的懐疑」に関する説明を読んだ時だった。  ありとあらゆることを疑っていき、最後に今疑っている自分自身は疑いえない(これを疑うと、他すべてへの疑いがなくなるため)。教科書に書かれているこの説明(授業を受ける前に予習で先読みしていたのだが)を読み、「なるほど!」と感動

          「から」についての考察

          寺山修司『ローラ』における多重フレームとは?

           私はこの『ローラ』という映画についてはリアルタイムで接しておらず、同時代で観てはいない。ではなぜこの作品を知ったのかというと、それは大学時代、学習会のような場で先輩から話を聞いたからだ。  その安全地帯の玉置浩二にも似た、カッコをつけた先輩はこの『ローラ』について下記のように説明した。 「画面の中の女たちが観客を煽る。しばらくすると観客が画面の中に入っていき、女たちに襲われて服を脱がされる。そして男は脱がされた服を抱えてほうほうの体で画面から去っていく」 ざっとこのよ

          寺山修司『ローラ』における多重フレームとは?

          嗚呼!失敗だらけの北九州紀行

          事前準備Go Toキャンペーン華やかりしころ、長崎・佐賀に旅行しようと思っていたんです。  この2県にはまだ、足を踏み入れたことがなかったものですから。 それが、コロナの第何波だかが来て、緊急事態宣言、Go To中止で旅行取りやめ、ホテルもキャンセル。 そうこうしている間に東京オリンピックで、僕は派遣でオリパラの仕事に申し込みました。 仕事が始まってみると、まあ過重労働、深夜残業の嵐で。 9月まで地獄でしたよ。 仕事が終わり10月に入って、やっと落ち着いたんです。

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          片思いしてた女子を妹にディスられた話

          妹よ、お前はもう覚えていないだろう。いや、そもそも意識すらしていないかもしれない。 お前は自分が気づかないうちに、俺が好きな女の子の悪口を言ったんだ!それも2回もな。 最初は俺が中一、お前が小五の時だ。俺のクラスの三学期の班替えは、まず班長を決め、それから班長が班員をドラフトで選ぶという方式になったんだ。 班長は六人選ばれたが、その一人が、当時俺が好きだったFさんだった。 Fさんは、成績が良かった。おそらくクラスで一番だっただろう。そして美人だった。 2、3年前にカ

          片思いしてた女子を妹にディスられた話

          妖精を父と見た話

          「新しい家を見に行かないか?」 ある日曜の朝、父にそう話しかけられました。 (なんでそんなこと言うのかな?そもそも父も引っ越しには賛成じゃなかったのに......) 僕は不満げに父の顔を見ました。 ・・・・・ 引っ越しを言い出したのは、母です。父と僕、妹の3人は今の家にそれほど不満はありませんでした。まあ、少し駅から遠くて交通量の多い道が近いのは不満でしたが。 母は「いい物件がある」と言い、その隣町にある新居のことをこれでもかというほど持ち上げて僕らに説明してきま

          妖精を父と見た話

          怪談・東村山

          バスの車内で、僕はまだ迷っていました。 途中下車しようか、それともこのまま乗って駅まで帰ろうか? 降りたらバス代がよけいにかかるだけだぞ、それでいいのか? でも、どうしても降りたい、そして新たな扉を開きたい...... ***** 勤めていた会社をやめて、僕は転職活動を続けていました。 転職という選択肢以外にも、翻訳の仕事にもつきたくて、当時は週1で翻訳学校にも通っていました。そうやって二兎を追っていると、当然かもしれませんがどちらもあまり上手くいかず、だらだらと時間だ

          怪談・東村山

          除草剤

          二年前の春に、会社を退職した。 長年サラリーマンをやってきたが、もう通勤や会社の人間関係が嫌になってしまったからだ。どこの職場にいっても、怒鳴り散らすパワハラの源のような奴もいたし。もう疲れた。 会社を辞めてからは、しばらく失業給付をもらい、その後は派遣会社に登録してぽつぽつと短期の仕事をしていた。短期はいい。人間関係が希薄だ。どんなに気が合う人であっても、帰りの駅に向かうときには全く見ず知らずの人になるのだ。 ただ、これもあまり熱心にやると疲れる。それにこういう仕事は

          正月から号泣:ながしまひろみさんのエッセイ漫画

          新年になり、新しい「ほぼ日手帳」のリフィルを取り出しました。 僕は毎年「ほぼ日手帳」を使っているので、カバーは使い回ししているものですから。 そしたら、使い方を説明する紙がでてきたんですよね。 これ、去年はタイの漫画家さんが描いていて、それもよかったので1年間手帳にはさんでいたんですけど、今年は「ながしまひろみ」という方が描いていました。 失礼ながら全く知りませんでした。で、そこに描かれているエッセイ漫画を読んでいったんです。 まず、画が大変可愛らしかったです。そし

          正月から号泣:ながしまひろみさんのエッセイ漫画

          みそあんの柏餅

          最近は、みそあんの柏餅をスーパーで見かけると必ず買って食べています。これには、昔の記憶が関係しています。 みそあんの柏餅、というのは関西地方には全く売られていません。なので、関西に生まれ育った僕はそんなものがあるとは知らずにいました。 ある日昼寝をして、起きて居間に行くと、柏餅が置いてありました。いつもの、こしあんとつぶあんのものです。ですが、それはスーパーなどで買ったものではなく、どうやら和菓子屋で売っている高級そうなものでした。 確認のため家のものに聞くと、確かにそ

          みそあんの柏餅

          数学漫遊記 ~数学が苦手だった僕が入試問題のyoutubeを観るようになるまで~

          #エッセイ #数学 1.数学が苦手になったわけ 小学校の中学年までは、算数は苦手じゃなくて、むしろ得意だったんですよね。 苦手になったのは、小学五年の時です。 当時、親に勉強用に副教材を買ってもらったんですよね。小学校の勉強に飽き足らなくて(暇だったので勉強するという、変わった子供でした)。 で、親は国語は参考書を、算数には同じシリーズの問題集を買い与えてくれたんです。 国語の参考書の方は、読み物としてもすごく面白く、僕は喜んで読み、問題を解いていたんですね。

          数学漫遊記 ~数学が苦手だった僕が入試問題のyoutubeを観るようになるまで~