精神科ナースこはく

メンタルヘルスに関する記事を書いています。自分がメンタルの病気にかかった経験から、精神…

精神科ナースこはく

メンタルヘルスに関する記事を書いています。自分がメンタルの病気にかかった経験から、精神科看護師になりました。患者になりつつ、患者様を癒す、そんな毎日でした。その経験をいかして、文章をで多くの人の心を支えられたらうれしいとおもい執筆しています。精神薬に特化したマガジンもあります。

マガジン

  • 飲んだことのある精神科の薬の感想と処方された経緯

    薬について質問を受けることが多いので、私が今までに飲んだことのある精神科のお薬についての、主観的な感想を書きます。効果・効能・副作用は私個人が感じたものですので誰にでも当てはまるわけではありませんが、どういう経緯で処方されたのかもできるだけ書くので、何かの参考になるかもしれません。

最近の記事

私はいらない子だった

#この仕事を選んだわけ 長い沈黙が続いたあと 「つまり、君はうちの社風に合ってないのよ。ほかにも働くところはたくさんあるから次を探したほうがいいわ。」 その言葉に絶句した。 「・・・そうですか。わかりました。・・・今までお世話になりました。」 私がはじめて身体への暴力を受けたのは、小学校3年生の夏の始まり頃でした。夕食の時、私は味噌汁をこぼしてしまったのです。 「詩唯!また仕事増やしてくれたわね!」 次の瞬間、目の前が真っ白になりました。平手打ちってこんなに痛い

    • フルニトラゼパム(サイレース)を飲んだらパソコンが大変なことに!

      この薬は睡眠薬です。ただし、まだ精神科の薬にそれほど慣れてない方には強すぎるかもしれません。デパスやレキソタン、ルネスタやブロチゾラムなどをある程度飲むことができなければ、この薬は強すぎると思います。いい薬ではあると思うのですが、作用は個人差はあるものの恐ろしいと思います。 人によりけりですが、ウットを飲んだ感じに近かったです。もちろんフルニトラゼパムのほうが何倍も強いのですが、まあ、感覚的に近いなと思いました。個人差はあるでしょうが。 話を元に戻して、フルニトラゼパムが

      • 抗うつ剤に強さランキングはあるか?

        抗うつ剤の強さのランキング、多くの人が気になると思います。有名なMANGA STUDYという抗うつ剤をランキングした研究を皮切りにいろいろな論文で、抗うつ剤の強さ、ランキングが検討されています。 多くの人はこんな風に考えるんじゃないでしょうか? 「弱い抗うつ剤を出されたから軽症と思われているのじゃないだろうか?」 確かに、例えば○○という抗うつ剤を飲んでいて、「○○は抗うつ剤としては非力である」なんてウェブで書かれているのを見て、「私はこんなにつらいのに軽いんだ」と考え

        • モディオダールを飲んだ感想

          私は睡眠の障害があり、モディオダールを処方されたことがあるのですが、正直なところ、300㎎内服しても眠ってしまう時は眠ってしまいました。 飲んで、シャキーンと覚醒する、ということもなく、また、夜眠れなくなるということもありませんでした。 頭痛や食欲不振が副作用としてあるようですが、それも感じませんでした。それで、効果が十分に得られないとして、中止しました。 私の体感では、ベタナミン200㎎>モディオダール300㎎、という感じですね。でも、けっこモディオダールが利く人もい

        私はいらない子だった

        マガジン

        • 飲んだことのある精神科の薬の感想と処方された経緯
          5本

        記事

          シクレストを飲んだ感想

          シクレストは本邦の向精神薬では唯一にして無二の、舌下錠かとおもいます。ようするに、すぐに効く薬です。通常の薬の場合、薬は飲み込んで内臓から吸収される訳ですが、シクレストは口の粘膜から吸収されます。 普通の薬がきいてくるまでたとえば1時間くらいとしたら、舌下の場合、つましシクレストの場合、10分足らずで効果が得られます。 薬の効能的にはクエチアピンやジプレキサの仲間とされてますが、飲んだ感想を言えば若干違う感じもします。意外と眠気が強く鎮静作用があると思います。今すぐ寝たい

          シクレストを飲んだ感想

          OD(オーバードーズ)をして死の淵を彷徨った話

          精神科ナースになる前の私は、うつ病を患って、しかも仕事がうまくいっていませんでした。『ストレスですね』精神科にかかってもその一言で、精神状態は全く変わりません。 そしてある休日の日、死んだように眠りたいと思い、OD(オーバードーズ)をしました。ご存知の通りODとは、『過料服薬』つまり、多量に薬を飲む自傷行為のひとつですね。 夕方、薬を準備して、だいたい致死量の70%くらいの量でいっかいのりょうの30倍の薬を飲みました。薬の名前はあえて伏せさせていただきますが市販薬です。

          OD(オーバードーズ)をして死の淵を彷徨った話

          コンサータを飲んだ感想

          コンサータは昔出回っていたリタリンの徐放剤です。つまり、ゆっくり長く聞くリタリンと思ってもらえれば正解かと思います。 私はADHDと診断されて処方されたのですが、一時、コンサータを飲めない時期がありました。それは、コンサータの流通に関するルールが非常に厳しくなったときです。今は規制が厳しくやむを得ず大病院で処方を受けています。ですが、正直な感想を言えば、規制強化するほどの魅力のある薬ではないかなと思います。 私が飲んで得た効果は三つでした。一つ目は脳内会話が消えることです

          コンサータを飲んだ感想

          マガジン「飲んだことある精神科の薬の感想集」作ります

          闘病生活が長いので、いろんな薬を飲んで、薬漬けになりました。そんな経験から、飲んだことのある精神科の薬の感想を1剤ずつ書いてゆきます。お薬好きな人は是非どうぞ。処方された経緯もなるべく書いていますので、試してみたい薬がある時の参考になるかと思います。よろしくお願いします。

          マガジン「飲んだことある精神科の薬の感想集」作ります

          デパスを飲んだ感想

          デパスはエチゾラムというジェネリックで発売されています。初めて処方されたのは、主治医に不安をうったえたときですね。 抗不安作用や催眠作用は強めです。初めてのんだ時は0.5mgから始めました。飲むとしばらくしてリラックスした気分になり、心地よく、若干の眠気があります。少しテンションも上がります。 ただ、効果は2時間くらいで、1ヶ月も飲むと、効果が得られなくなりました。すると量が増えるわけですが、一度耐性がつくと量を増やしてもなかなか初めて飲んだ時のような効果は得られません。

          デパスを飲んだ感想

          病気休暇を取って鬱を治そうか迷っている人へ

          この記事は、『この程度の症状』で病気休暇取っていいのか?と悩む人に対して、一つの意見を提供するものです。 うつ病はこじらせると、長期治療が必要になります。ですので『早期発見・早期治療』が重要になります。 ここで私が、精神科看護の経験をもとに、病気休暇を取ったほうがいいと思う状態をあげてみます。1と2、または1と3が両方当てはまれば、病気休暇を取ってストレスを除去することも視野に入れてみてください。(学生さんは3については学業に置き換えて読んでください。) 1.理由のはっ

          病気休暇を取って鬱を治そうか迷っている人へ

          精神科病棟の裏側(ショッキングな内容を含みます)

          初めに、医療者を信用している方にはショッキングな内容を含みますので、ご注意いただくか、読まないでおくことをお勧めします。 ↓ここから本文です↓ 私が精神科で働こうと思ったのは、自分自身が長年精神疾患で苦しめられてきたからです。つまり、病気の苦しみを患者様と分かち合い、心の病気になったことのない人にはできない、手厚いサポートができると思ったわけです。 しかし、精神科に『職員として』入ったとき、看護師らが患者様に対して関心を持っていない人が多いと感じました。確かに、精神科は

          精神科病棟の裏側(ショッキングな内容を含みます)

          うつは「心の風邪」?とんでもない!「風邪」なんて軽い病気じゃないんだよ!

          私が精神科看護師として働いていたころ、患者様に「わたしのうつは軽症でしょうか」「私のうつは甘えでしょうか?」などと聞かれることがちょこちょこありました。 これは「ウツは心の風邪」というキャッチフレーズのせいなのかな?なんて思っていつも思っていました。 そういう患者様には、「あなたは療養が必要で人の手助けが必要な状態ですよ。軽症や甘えなんかじゃありません」と言って納得してもらいます。 気づいた人もいるかもしれませんが、実はそうなんです。「うつ病」という病気自体「重症度が高

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          【もう限界】うつ病で仕事を休みたくても休む勇気がない人へ!

          鬱がつらくてもう限界なあなた、限界が来るまで頑張ったのは、本当に偉かったですね。ただ、『限界まで』実は頑張りすぎで良くなかったでのです。 実は、完全に鬱になる前に休むのがベストでした。そんなこと言っても『大事なプロジェクトがあるから休めない』『私が抜けたら職場に迷惑がかかるから休むなんて無理』と言う声が聞こえたきそうです。 しかし、仕事は休めるのです。なぜそう言えるかって?では、私が倒れた時の話をしましょう。私がうつで苦しみまくっていた時の話をすれば納得がいくかもしれませ

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          精神科の薬を飲んで太っても、1か月で6㎏痩せた方法とは?

          精神科の薬は、よく太るといわれます。もちろん全ての薬がそうなわけではないですが、太る薬が多いように思います。 私も精神科の薬をのむようになってからは、59kgから85kgへと、27kgも太りました。 さすがにまずいと思って、ダイエットしてみるものの、全くうまくいきませんでした。 薬飲んでない時のダイエットは簡単にできたのに、薬を飲んでいると、太るばかりか痩せることを困難にさせるのではないかと思っています。 だって1日断食して水だけで過ごしても体重増えてたこともありまし

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          やって『後悔』した自傷行為

          僕はちいさいころから、自殺願望が強くて、よく自傷行為をしていました。そうすると何とか心が落ち着いてストレス解消になったりしたんです。 でも、やらなければよかった、とおもう自傷行為もいくつかあります。それは、「深いリストカット」です。 リストカットするひとは、自分の体の傷がどのように治ってゆくか知っておくべきです。例えばちょっと切っただけでやけどの跡のようになる体質の人もいます。そういう人は、「ごく浅いリストカット」にすることをお勧めします。ってリストカットをお勧めするんか

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          『うつ』がやってきたらできる対処法

          うつ病の方で、ひどい人は一日中抑うつや悲しさに苦しんでいるかもしれません。 そういう方が、うつから脱出するには、まずは薬を飲んで、よく寝て、つらいときはとにかく「寝逃げ」して、決して「自殺」しないことです。 死にたくなったら、とにかく「寝逃げ」が特におすすめです。私は16時間くらい寝ていたこともあります。 そんなに簡単に寝られないよ、と言われる方もいるかもしれません。ここでOD(オーバードーズ、薬を多量に飲むこと)はよからぬこと(また別の記事で書きます)が起こるので決し

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