信州大学人文学部芸術ワークショップゼミ(美術系)

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井上唯 ITONAMI 風景に向かって旗をかかげる 2023年12月21日(木)~12月26日(火) 

井上唯 ITONAMI 風景に向かって旗をかかげる 会期 2023年12月21日(木)-12月26日(火)11:00-17:00 会場 ギャラリーノイエ(長野県松本市大手3-2-17) ギャラリーノイエHP https://noyie.jp/ 入場無料 美術作家、井上唯さんをお招きして展覧会を開催します。 井上唯さんが「信濃大町アーティスト・イン・レジデンス2023」において滞在制作された旗を展示し、併せてハギレを使ったワークショップや街歩き、アーティストトークを行います

    • 【藝術日記】蓮沼昌宏「制作、テーブル、道」(長野県立美術館 公開製作vol.3)レビュー

      以前、藝術日記では蓮沼昌宏さんと畠山直哉さんとのアーティストトークを紹介した。 蓮沼昌宏さんの展示「制作、テーブル、道」は、長野県立美術館で2月4日まで公開されている。アーティストトークで、「状況を作り出したい」と語っていた蓮沼さんの言葉を思い出しながら、足を運んだ。 「どうそじん」と道 オープンギャラリーの中に入ると、展示スペースそのものが道になっているという印象を受けた。それは、日が差し込むガラス張りの壁と、絵画やキノーラが展示されている白い壁紙との境目に、「どうそじ

      • 【藝術日記2023】展覧会「浮世絵いろは」(北斎館)レビュー

        「浮世絵いろは」 2024年1月14日まで、小布施町の北斎館で展覧会「浮世絵いろは」が開催されている。この展覧会で詳しく覧ることができるのは、葛飾北斎の『北斎漫画』だ。北斎館HPは、「浮世絵いろは」の魅力を次のように語っている。 今までは漠然と、緻密な技法で写実的にものごとを描いているのだろうとイメージしていた。今回訪れたことで、『北斎漫画』を通じ、「巧みなアイデア」の意味に触れることができたと思う。北斎のアイデアは、人の表情や動きを通し、目に見えなかったものを見えるよう

        • 【藝術日記2023】「みかんの旅」対談トーク

          長野県立美術館「みかんの旅 対談トーク」レビュー  2023年11月3日から2024年2月12日にかけて、長野県立美術館のアートラボでは廣瀬智央による「みかんの旅」の展覧会が行われている。美術館本館2階に位置するこの「アートラボ」は視覚以外の感覚に訴えるアートをテーマに展示を行っており、アートのラボラトリー(実験室)となることを目指しているという。今回の展覧会は特に嗅覚に焦点をあてた企画であり、展示室に入ると部屋中からみかんの香りが漂っていた。  この展覧会を受けて、11月

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        井上唯 ITONAMI 風景に向かって旗をかかげる 2023年12月21日(木)~12月26日(火) 

          「街をARUKU/旗をKAKAGERU」12月23日(土) お申込みに関するお知らせ

          井上唯 ITONAMI 風景に向かって旗をかかげる (開催概要は上の記事よりご覧ください。)の関連企画「街をARUKU/旗をKAKAGERU」のお申込みに関するお知らせです。 企画概要 「街をARUKU/旗をKAKAGERU」 12/21-26に開催する、井上唯さんを招聘した展覧会に併せて、旗をもって井上唯さんと一緒に街を巡るという企画を実施します。学生が考えた、松本の魅力あるコースを楽しんでいただけますので、ぜひご参加ください。 また、2時間ほどのプログラムになりますの

          「街をARUKU/旗をKAKAGERU」12月23日(土) お申込みに関するお知らせ

          【藝術日記2023】畠山直哉×蓮沼昌宏アーティストトーク(長野県立美術館)レビュー

          畠山直哉×蓮沼昌宏アーティストトーク 長野県立美術館で、蓮沼昌宏さんの公開制作・展示「制作、テーブル、道」が開催されている。 蓮沼さんは、自身の経験や見聞をもとに、写真や絵画、手回しアニメーション装置「キノーラ」で物語を表現するアーティストだ。プロフィールを長野県立美術館HPより引用する。 11月19日に開催されたアーティストトークでは、写真家であり、東京芸術大学大学院教授の畠山直哉さんと蓮沼さんによって、「世界」や「作品」とは何かということについて、対話が繰り広げられた

          【藝術日記2023】畠山直哉×蓮沼昌宏アーティストトーク(長野県立美術館)レビュー

          【藝術日記2023】11/17 アーティスト 飯山太陽 インタビュー

          昨今、「障がい者アート」をテーマとした事業が盛んに行なわれるようになっている。我らが松本市も、「対話アート」という障害者や生きづらさといったテーマのアート展示を市内各所で開催中だ。そしてこれからも、「障がい者アート」、いや、「障がい者」と向き合う機会はどんどん増えていくだろう。そこで、私にも、障がいを持ちながらも実際にアーティスト として活動している友人がいるので、これを機にインタビューを行なってみた。これからの時代、決して目をそらすわけにはいかない障がい者の事情、その生きづ

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          【藝術日記2023】「紙博」&「山田文具店」「Old Goods」レビュー

          先日藝術日記のレビューが公開された「クラフトピクニック」の関連記事である。クラフトピクニックと同日(10月14日、15日)に、松本PARCOでは「紙博 in 松本 vol.2」の開催、「山田文具店」「Old Goods」の限定出店があった。 参加してみると、思いがけずクラフトの第一歩を体験することができた。 紙博in 松本 vol.2まず訪れたのが、松本PARCO6Fでの「紙博」である。 エスカレーターを昇って少しずつ見えてきた6階の会場は、驚くほど熱気で溢れていた。20

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          【藝術日記2023】クラフトピクニックレビュー

           10月15日日曜日、クラフトピクニックにてワークショップに参加するべくあがたの森公園に足を踏み入れた。クラフトピクニックはさまざまな工房・作家の方々の展示や実演、来場者向けのワークショップを主としたイベントであり、14日から15日にかけて開催された。  会場を訪れた私は、まずぐるりと道沿いに広場を一周してみた。クラフトピクニックを訪れるのは初めてだったため、どのような雰囲気でそれが行われているのかを見て回りたかったのである。広場の道に沿う形でたくさんのテントが立ち並んでお

          【藝術日記2023】クラフトピクニックレビュー

          【藝術日記2023】安曇野AIRレビュー

          10月7日から10月19日まで安曇野市にて開催されていた安曇野AIRに訪れた。こちらは、東京藝術大学との連携事業で、同大学卒業・修了の若手芸術家によるアーティスト・イン・レジデンスである。臼井仁美さん、及川春菜さん、鈴木希果さんの3人が、7月から9月まで安曇野市内各所で市民との交流や作品制作を行っており、その滞在の成果が展示されていた。 鈴木希果さんの作品は、安曇野市で飼育している羊や牛のフンを使用していた。「羊の夢」をテーマに、自然物と陶芸、紙などが融合した作品だった。展

          【藝術日記2023】トビチ美術館2023「偶然、ここで。」展レビュー

          トビチ美術館2023「偶然、ここで。」展 10月29日、辰野町のトビチ商店街を訪れた。昔ながらの食堂や八百屋、所々の空き店舗が街に溶け込みつつ、真新しいカフェや雑貨店も共存する。今昔の雰囲気が混在するトビチ商店街では、10月14日から11月26日まで、「トビチ美術館2023 偶然、ここで。展」が開催されている。国内外のアーティストが辰野町に滞在し、点在する空き家で個性溢れる作品を制作・展示する、アーティストインレジデンス企画である。 トビチ商店街のウェブサイトから、点在す

          【藝術日記2023】トビチ美術館2023「偶然、ここで。」展レビュー

          【藝術日記2023】あさひAIRレビュー② 

          9月30日から10月9日まで開催していた信濃大町アーティスト・イン・レジデンスに訪れた。アーティスト・イン・レジデンスとはアーティストが一定期間その土地に滞在し、その環境で作品制作やリサーチ活動を行うプログラムだ。今年は「水をいとなみ」をテーマに選出された4人のアーティストが、信濃大町駅本通り沿いに展示発表を行った。 当日、見て回った順に各アーティストの目に留まった作品、それに対して感じたことを書いていこうと思う。回った順は後藤君と同じになっているので、照らし合わせて読んで

          【藝術日記2023】あさひAIRレビュー①

          あさひAIR 松本市立博物館を訪れた次の日の10月8日にゼミの四年生らと共に信濃大町市で開かれていたあさひAIRに訪れた。信濃大町市が企画するアーティストインレジデンスプロジェクトに訪れるのは二回目であり、去年に引き続き、私が訪れた日はちょうど天気の芳しくない曇りの日であった。しかし、水を感じるという趣旨のあさひAIRでは、ときどき小雨の降るような曇りの日の方が、流れる水の感じを上手く受け取ることができた。 信濃大町につくと駅から商店街に向かい、歩き、その流れに沿って作品

          [工芸の五月2023] LABORATORIO「mellow」宮下香代展

          松本駅から北へ、川を渡って少しの今町というところにLABORATORIOはあります。一階には食器などのストアが、二階にはカフェがあり、自家製のパン・スイーツをはじめとした料理をいただくことができます。 「mellow」宮下香代展は、その北隣のビル二階、the BOX SHOPで行われていました。 ビルの階段の事務的な雰囲気とは打って変わり、扉を開けると明るくおだやかな空間がありました。the BOX SHOPは家具や洋服のセレクトショップですが、窓や天井に数々のオブジェや

          [工芸の五月2023] LABORATORIO「mellow」宮下香代展

          [工芸の五月2023]栞日 vent de moe 2023 summer exhibition pale dialogue

          松本駅とあがたの森公園を結ぶ大通り沿い、まつもと市民芸術館のすぐそばにある書店兼喫茶。 この栞日の二階にあるギャラリーの二階において、デザイナー、イラストレーターとして活動する小林萌さんのブランドvent de moeの展示会が行われている。2018年以降(2021年を除き)ほぼ毎年初夏にこのイベントは行われてきた。 お店に入り、奥にある少し急な階段を上った先にギャラリースペースがある。 黒や茶色を基調とした落ち着いた雰囲気の店内とはうって変わり、異なる空間であると感じさ

          [工芸の五月2023]栞日 vent de moe 2023 summer exhibition pale dialogue

          [工芸の五月2023]工藝マエストロ「村松学 吹きガラス展」

          古風な街並みと伝統的な工芸品を扱うお店が数多く位置する中町通り。その中の一つが今回扱う「工藝マエストロ」というお店です。こちらのお店では工芸の五月のイベントの一つして4月29日~5月29日の期間「村松学 吹きガラス展」が開催されています。 工芸家の村松学さんが制作したグラスや花瓶、お皿などが多く展示されていて、なおかつ購入することができます。 これらの作品はいずれも吹きガラスで透き通ったガラスの透明感とその優麗な形が目を引くことはもちろんですが、なによりも日常に根差し、使

          [工芸の五月2023]工藝マエストロ「村松学 吹きガラス展」