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創作記録「小説、できるかな?」

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初めての小説創作の経過・感じたこと・考えたことなどの記録です。
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#エッセイ

たしかに私は12歳だったけど

たしかに私は12歳だったけど

当たり前だけれど、かつて私は12歳だった。

当時の私は学校に通っていて、たくさん友達がいて、一番仲がいいのは幼なじみのアミコで、担任の進藤先生はちょっと苦手なタイプで、本を読むのが好きで、合唱部の活動も好きで、勉強も嫌いじゃなくて、ずっと好きな男の子がいて、でも誰にも言えなくて、そして、家にいるのはあまり好きじゃなかった。

あの頃の日常を、私はよく覚えているし、その時考えていた思考も、感じてい

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小説のリアリティ

小説のリアリティ

今、書いている小説の話。

プロットがまとまってきたところで、取材の話になった。

小説を書くため、作家が取材をすることがあるのは知っていた。作品の紹介などで「これは綿密な取材に基づいて書かれた」みたいな説明があるから。だけど、作家がなぜ取材をするのかは、何となくはわかるけど、何となくしかわからない。

ライターとしての取材は経験している。場所や人を訪ね、空気を感じ、話を聞く。そして、それを記事に

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「編集者」という謎

「編集者」という謎

大学時代、オーケストラ部に所属していた。入部当初の私にとって不思議だったのは、指揮者の存在だ。彼らはなぜ楽器を弾くことを選ばなかったんだろう? 音楽がやりたくて入部しただろうに、音を出したくならないのだろうか、と。

同じことを、編集者という職業の人々に対しても思っていた。

これまで何人かの編集者と仕事をしてきたけれど、どの人も、いわゆる「書ける人」だった。修正や指摘を受け、元のモノよりぐっとよ

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