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読書感想文「2020年代のまちづくり: 震災復興から地方創生へ、オリンピックからアフターコロナへ」宇野常寛 (編集), 井上岳一 (著), 加藤優一 (著), & 18 その他
なぜ、サブカル批評、現代文化論の宇野は、政治や地域社会を論ずる本を作り続けるのか。
この本は、2011年の東日本大震災、2020年前後の新型コロナウィルス感染症の社会経済情勢の受け、東京や地方の「まちづくり」を考えたものだ。もっとも、下敷きとして1995年の阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件があり、さらに言えば、1985年に豊田商事会長刺殺事件、日本航空123便墜落事故、G5のプラザ合意があった
読書感想文「事務に踊る人々」阿部 公彦 (著)
事務とは、手続きであり、プロトコルであり、フォーマットであり、プロセスであり、契約であり、説明責任であり、会計であり、ブロックチェーンである。要は、「正しさ」を求める一連の行為である。
この一連の行為において我々は「正常」でなければならず、まどろんだり、モヤがかかっていたりしてはいけない。パッキリキッカリ明晰でなければならない。こうした事務的であること=官僚的であることとは、正しさがもたらす恩
読書感想文「この世にたやすい仕事はない」津村 記久子 (著)
仕事と居場所と感情の話しだ。
働くことに伴って少なからず、感情のやり取りが発生する。それは達成感や感謝を向けられることといった正の面もあるし、ただただ疲弊したり夢中になってしまうあまり前後が見えなくなる負の面もある。
もっとも、煩わしいだけの人間関係もあるし、事業所として軌道に乗らず廃業してしまうことでその職場が無くなることだってある。
主人公の得た5つの職場で過ごした時間は、社会復帰のた
読書感想文「チーム・オルタナティブの冒険」宇野 常寛 (著)
子ども向けのテレビ特撮ヒーロー番組の放送時間は、なぜ30分なのか。
子どもの集中力の持続時間の長さでもあるように思うが、実は違うだろう。一話で子どもをテレビの前に釘付けさせ続ける制作者側の力量の問題でもあるし、実は、視聴者である子どもは保護者たちの都合で案外と忙しく、画面の前に釘付けにさせてもらえる定常的な時間は30分程度なのだ。
この一話30分間の世界で捨象されてしまった話しの前提や日常の