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短編小説

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知ってたか?

知ってたか?

知ってたか?

「神様ってさ、実は良い人そうに見えてめちゃくちゃ意地悪なんだよ」

「いきなりお前何言ってんの?笑」

「いや、みんな何かってと神様は凄いやつだとか神様はお空の上から見てるから頑張ったら良い事があるとか、言うじゃん?
でもよ、実はめちゃくちゃ意地悪なドSで、いきなり試練とか与えてくんの笑
絶対越えられないようなやつとか、大事な人を奪って行っちゃったりとか、、、

だからさそんな時は

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水平線

水平線

あの少年は一体どこに向かっているのか

そんな事をぼんやり考えながら、その先にある海に目を向ける

そしてその瞳に映る海があんまりに綺麗で思考が止まった

今日もいつもの朝
8時55分の電車に乗ってイヤホンで音楽を聴きながら携帯をチェックする
いつもなら電車にいる間は携帯の画面から目を離さないのに、今日だけは何故かそんなSNSの世界に疲れてしまって、携帯から目を離してみる

するといつも見ている筈

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最低までも愛してよ。

最低までも愛してよ。

君と出会ったのは、冬が終わった頃だった。
まだ少し肌寒い日々はあるものの暖かい風が吹き始めて、桜が芽吹く頃。

なんにも上手くいかなくて、自暴自棄になってたけど、君と出会って日常が彩っていった。

愛してる。好きだよ。

お互い沢山言い合って、抱きしめ合って、愛が溢れていたと思ってた。

でも、君は違ってたんだよね。
愛の全てを私に注いでくれる事はなかった。

君の中にはもう1人愛してた人がいて、

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夏が終わる。

夏が終わる。

最近、蝉の声を聞かなくなった

少し前までは耳が痛い程に鳴く蝉達の声は、夏の暑さも混じって少し鬱陶しく思う反面、どこか嬉しくも思っていた

いつも歩くこの通勤路も夏の間は少しだけワクワクしながら歩いていた

私はどこにもでいるOLってやつ。社会人になり、都会にやってきた
今まで実家暮らしの何不自由のない生活を送ってきたのだが、突然それが退屈に思い、知り合いなんて誰もいない場所へたった一人で自分の力

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空の青さに意味はあるのか

空の青さに意味はあるのか

閉鎖された空間、淀んだ空気、何が混ざっているのか分からない独特な匂い、

ここには窓がない。正確には窓風のサッシはあるが大抵、開く事は出来ない。

そう、ここはラブホテルの一室だ。

私はデリヘル嬢。歴は2年。22歳。
仕事場のプロフィールは19歳になっているが、私自身、たった3歳のサバをよむことに意味があるのか分からずにいる。
オーナー曰く、20歳を越えないラインが丁度良いらしい。
そんな男心も

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