「一万円選書」当選物語:#5『横道世之介』


 私が「一万円選書」に当選するまでとその後、選んでいただいた10冊の本について紹介していくシリーズ物note。今までのnoteはマガジンにまとめていますのでよろしければどうぞ。

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 5冊目は吉田修一著『横道世之介』。

 主人公は、大学進学のために長崎から上京した横道世之介18歳。地元を離れ、進学・就職したことのある人なら誰しも「こんなことあったな」、「この気持ち覚えてる」と思えるようなそんな小説。

 中国語でも出版され、映画化もされています。映画の出演陣は高良健吾、吉高由里子、池松壮亮、綾野剛、國村隼、余貴美子など。私はまだ予告編しか観ていませんが、とても観たい映画の一つです。

 物語で描かれるのは、新生活への不安とわくわく。「よそもの」として新しい街で出会ういろんな人たち。数え切れない「はじめて」。

 新しい街での暮らしに慣れて、たまに戻る地元で感じる懐かしさ。そして覚える違和感。地元なのに「よそもの」になったようなそんな気分。

 きっとどこかで自分と重なる、そんな小説です。

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 大学生活を描いた小説でいうと、伊坂幸太郎さんの『砂漠』もすきです。こちらは、主人公が盛岡出身・仙台が舞台という設定で、自分と重なる部分もあり、伊坂幸太郎さん作品の中でも特に印象深い作品。『横道世之介』のように映画化されたらいいなあ。


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ありがとうございます。いつかの帰り道に花束かポストカードでも買って帰りたいと思います。