黒珈|くろこ|ビジネスラノベ作家
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【新刊発売】『あのストーリーの向こう側へ。』Kindle出版しました!
2024年5月1日(水)新刊発売!
『あのストーリーの向こう側へ。
〜ものがたる電子書籍作家のひとりごと〜』
ビジネスラノベ作家の黒珈が、
「キャラクター」「ストーリー」「ライティング」を全力でものがたる一冊が纏まりました。
✅『文章が単調と言われる』
✅『思っていることがなかなか伝わらない』
✅『提供したい価値のクオリティを上げたい』
こんな悩みを解決します。
ブランド・コンダクターの【さ
【週末ストーリィランド】「風のように、また。」第8話
シャッターに触れた指先に、全神経を集中させる。
一瞬の予断も許されないため、悠生はこの3時間、ずっと同じ姿勢を保っていた。
額から、滝の様に汗が流れ落ちている。
日没まで、あと30分……
「……ダメか」
彼の傍らに座っていた久深は、膝を抱えて呟いた。
「考えてみれば、今年が当たり年という保証は無いわ。一年後、二年後、それ以上かも」
「どんなに小さくても、可能性のあるうちは決して諦め
【週末ストーリィランド】「風のように、また。」第7話
「こんな話、誰も信じる訳ないよね」
「そうね」
再び風の森へと戻って来た、悠生と久深。
彼は肩に掛けたバッグからカメラを取り出して、セッティングを始めた。
「今でも数年に一度、風吹橋を見かけたという情報が寄せられているらしい」
地元の観光局に問い合わせた内容を、彼女に伝える。
「良い写真をフレームに収めて、次のコンテストで最優秀賞を狙う。君のお兄さんが受賞作品を見れば、必ず戻ってくるさ」
【備忘録SS】それは「優しい」ハンドオーヴァー
「引継書……ですか?」
「ああ、そうなんだ」
四条畷紗季は、目の前で頭を抱えている彼女の上司、寝屋川慎司副部長に問い掛けた。
「さすがに、全く無いというのは。見間違いではないでしょうか?」
「ボクもそう思ったのだけれど、これが事実なんだよ」
先月末、とある業務を委託していた外部の会社が倒産。
急遽彼女達の部署でその業務を巻き取ることになったのだが、問題が発覚。
それは、当該業務の主担当
【週末ストーリィランド】「風のように、また。」第6話
「……ひょっとしたら、それは風吹橋の話かも知れんのう」
暫く考え込んでいた老人は、やがて思い当たった様に口を開いた。
久深の告白を聞いた後、悠生は自分も風の色捜索に加わりたいと申し入れた。
「伝説的なものは、地元の人に聞くのが一番」
そう思った彼は、バイトの空き時間を利用して、彼女と近くの漁村等を尋ね歩いた。
空振りが続いた3日目に、ようやくこの老人のひと言と出会えたのだ。
「どんな、