見出し画像

砂浜には人間の痕跡

砂浜には人間の痕跡

ペットボトルや空き缶の類

ビニール袋や傘の骨

千切れた網やブイの残骸

海の生き物とは

似ても似つかない

それらは誰にも彼にも

見向きもされず

そのまま青空の下

まるで悪夢の様に

並べられた僕らの生活ゴミ

燃えるゴミも燃えないゴミも

ここでは全て一塊

波打ち際で恨めしそうに

僕らを見ている

だからって良心が痛む訳でもない輩が

それを見て促すポイ捨てタバコの吸い殻

自分とは関係ないと

どうして思えるのか

きっと彼らは想像力が

足りないのだから仕方ない

巡り巡って食卓に並ぶ

魚の腹から出てくるプラスチック片

巡り巡って釣り上げた魚の奇妙な姿形

いつの日か食べられなくなる

魚の味を恋しく思う頃には

手遅れだと言うのに

未だに大きく振りかぶり

気持ち良く

投げ飛ばす空き缶に

ガッツポーズをする輩が

世の中にはいると言う現実

憂いて嘆いても

僕だけが思っても

変わらない

一人一人の思考が

結びついて変わっていく

青空の下

綺麗な海を

思い出にしない為にも

投げ捨ててはいけない

海は静かに揺蕩い寄せては返す波の音

人だけがそこに痕跡を残していく

この記事が参加している募集

スキしてみて

私の作品紹介

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?