ワイエスの"ドキュメント"を観る②

(昨日のつづき)

片岡義男『日本語の外へ』は、湾岸戦争を"観察"することから始まるが、湾岸戦争が始まった日、その報道を見た時、片岡さんは軽井沢の美術館へワイエスの展覧会を観に行っていたそうで、その話から始まる。そして「あとがき」では再びワイエスの話になる。

片岡さんもそこで「鉛筆による数多くの断片的なスケッチ」が「記憶に残った」と書いている。

ワイエスはたぶんスピードをつけてそれらのスケッチ

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何のために「描く」か

飾るために描くのではない。自分の生きた痕跡を残すために描いている。描くことの不思議。つくることの不思議を感じたいから描いている。破れては繋げ、繋げては描く。見てくれではなく、形となったものは自分そのもの。「描くこと」は自分の「生」そのもの。

モチーフは、描くことで生まれる自分の「心」。

生きるために必要なものを描いている。本来あるべきもの。失われかけているもの。人間本来が持っている能力を蘇らせ

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#111 痕跡化する可能性って?①

新年、あけましておめでとうございます!

今年もよろしくお願い致します!からの超久々更新です。

前回から約40話あいてのノートの更新です!今回は以前のラジオで発見した大工道具の「痕跡」を深掘りしていきます!「痕跡」を発見した回はこちら!

●ラジオ内容の整理

今回のラジオは「痕跡」を深掘りしていく話になりますがその前提として、「痕跡」には見える痕跡/見えない痕跡の2つの分類があるとして、話をし

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気配

子供の頃、毎日通った通学路。

その道の途中に、いつもカーテンのすき間から顔を出して、窓の外を眺めている猫のいる家があった。

私は毎日その家の前を通っては猫の顔を見るのが楽しみだった。時々、窓辺に猫がいない日があって、だけどそんな日もカーテンにはさっきまで猫が顔を出していたそのままの形のぽっこりとしたすき間が空いていた。

そういう気配みたいなものだけが残ったかたちを眺めるのがすきだ。

雨風に

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