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うさぴょんのエッセイ

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140文字小説でもない、読書感想文でもないものです。
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記事一覧

顔認証の姿勢の話

顔認証の姿勢の話

私がマイナンバーカードと保険証を紐づけてもうすぐ一ヶ月。医者に行く機会があったのでマイナ保険証を使ってみた。
 マイナ保険証を機械にセットして機械についているスマホほどの画面を見ながらボタンを押すと機械が顔認証してくれる。それで思ったんだけど、顔認証する時ってどんな顔すればいいんだろうか。笑うのも変だし、真顔で立っているのも変だし、どんな格好してもなんかただ突っ立っている間抜けになってしまう。 

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寒いねって記事だったはずが未来への思いをはせるようになった話

寒いねって記事だったはずが未来への思いをはせるようになった話

寒い。秋の日は釣瓶落しというが、いきなり寒くなり過ぎである。こんなに急にスイッチが切り替わるように寒くなるなんて事、今までの日本であっただろうか。地球さんは年齢とともに雑になっているのでは.。だんだんと絵の線が荒くなってくるイラストレーターみたいだ。
 秋という味わい深い季節があったのよと子供に言う時代もそう遠くない。
 きっとその時代になったら日本人は熊の被害から逃げるためにチューブの中に作られ

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図書館で本をリクエストした話

図書館で本をリクエストした話

 図書館で本のリクエストをした。
 加藤シゲアキ著『なれのはて』だ。
 以前に書いた「コンサートで文芸書を振る人がいるらしい話」でふれた本である。
 図書館の人いわく私の他に予約している人が四人もいるとか。 だいぶ時間がかかりそうなので、他の本も予約した。 『三体』の二巻目だ。 
 その週の土曜日に図書館からケータイに着信があった。「予約している本が二冊入ったから来てほしい」と。 
 二冊、という

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ふらここってなんで春やねん

ふらここってなんで春やねん

 ふらここ、つまりぶらんこは春の季語だ。しかしなぜ、ぶらんこは春の季語なのか腑に落ちない。
 トリビア収集家を自称するこのうさぴょんはもちろんブランコは古代中国では清明節のあそびであり、若い女性がブランコに乗ると着物の裾から白い足が見えて大変に色っぽい事から艶事を連想させる遊戯であることを知っている。
 現代ではぶらんこは幼児の遊びだ。そして私のようなトリビア収集家か中国文学の専門家でもない限り、

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引っ越しと個人情報

引っ越しと個人情報

 東京から長野に引っ越した。
 なぜ引っ越す事になったかとか、内見の時に東京から長野までわざわざ来たのにVR内見しかできなかった話とか、引っ越しの準備のあと帯状疱疹を発症して私一人だけ東京の実家に一週間残っていたこととか、引っ越したばかりなのにシンクが壊れていて、シンクの下の配管を取り替える羽目になりそうだとかそういう記事になりそうな話はたくさんあるのだが、いかんせんうまくまとまらない。 
 引っ

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薬局で怒った話

薬局で怒った話

 今使っている口紅が折れてしまったので薬局へ行った。
 手頃な値段の口紅を探していたらそしたら、ケースと中身が別売りになっている口紅を見つけた。
 みなさんも知っている通り、口紅というのは、薬莢みたいな形の筒型ケースに入っているものをくるくる回して中の口紅を繰り出して使うものである。
 その薬莢みたいなケースと中の口紅が別売りになっていた。
  なんと自分ですきなケースと口紅を組み合わせて使うらし

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今年も来たぞエイプリルフールが

今年も来たぞエイプリルフールが

エイプリールフール、それは嘘をついて他人を担ぐ日である。
 エイプリルフールの嘘は嘘だということがわかった時に相手を怒らせないぐらいの大げさすぎない嘘が良い。
できればユーモアがあってふふふとなるような。 のっけからハードルが高い。
 普段から嘘をつき慣れていてないと、どのぐらいの嘘が怒られる嘘なのかわからない。
 だから嘘をつき慣れてない人はせっかく嘘をついたのに嘘だとわかってもらえなくてモジモ

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本屋で見かけた老婦人

 この前、なんとなく本屋に立ち寄ったら、お着物を着た小柄な老婦人が立ち読みをしていたのを見かけた。
 鳥の子色の訪問着の上に黒羽織を羽織り、白髪交じりの髪をシニヨンに結って、見るからにキチンとした格好である。
 普段着っぽい着物なら着物で生活している人だっているかもしれないなぐらいに考えて終わりだったと思うがなにせ訪問着である。
 その恰好で立ち読みをするなんてなにがあったのだろうか。
 茶道か、

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引っ越しが決まったので本を手放す話。

引っ越しが決まったので本を手放す話。

 引っ越しをすることになった。
 なので、本棚を整理しなければならない。特にKADOKAWAの月刊短歌が大量にたまっている。私の投稿作品が掲載された号は保存用としてとって置くとして、それを覗いてもなお三十冊もある。   場所を取るから手放すしかないのだが、捨ててしまうのは惜しい気もする。
なので捨てる前に一応、古本屋に連絡して買い取ってもらえないか問い合わせすることにした。
 ネットで「雑誌 買い

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納税って季語なのかよ。

納税って季語なのかよ。

歳時記をめくっていたら春の部に「納税期」という項目があった。春の季語かよ!梅とか桜とかと同じかよ。確定申告といえば春だけど…。春になると確定申告がめんどくさいとか医療費控除がめんどくさいとかみんながよく言っているイメージがあるけど。それで一句詠むのはハードルがずいぶん高い気がするよ?
 季語は7つのグループに分けられる。時候、天文、地理、生活、行事、動物、植物だ。で、納税期という季語はこの生活とい

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「なれのはて」をうけとりそこなったはなし

「なれのはて」をうけとりそこなったはなし

 図書館から電話があった。図書館に予約していた加藤シゲアキの小説『なれのはて』が届いたから取りに来てほしいとのこと。私は次の日曜に取りに行こうと思いながら電話を切った。
 だがそのときは色々といそがしかった。入院した家族のところに着替えを持っていったり、入院費の支払いのことに気を回している間に、すっかりリクエストが届いた事を忘れてしまい、図書館の保管期間を過ぎてしまったのだ。せっかく楽しみにしてい

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事前に情報を入れてしまったためにハードルが上がってしまったハナシ

事前に情報を入れてしまったためにハードルが上がってしまったハナシ

只今、絶賛放映中の「勇気爆発バーンブレイバーン」に登場するロボ、ブレイバーンが最高に気持ち悪いと評判である。
 地球を侵略してくる正体不明の機械生命体とそれと戦う正体不明の機械生命という設定なのだが自分のパイロットであるイサミ・アオが好きすぎて、ロボじゃなければ事件になってしまうレベルだという。
 Twitterで感想が流れてきて最高に面白そうだと思ったので見てみた。
 正直、あまり気持ち悪いとは

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初ナントカ多すぎやしないかい

初ナントカ多すぎやしないかい

 歳時記を読むのが趣味だ。知らないことをしれて楽しい。歳時記をひらいてみると一月は季語が多い。第一、歳時記は、春、夏、秋、冬、新年の五部構成になっている。新年の部だけで、春の部と同じぐらいの分量があるのだ。
 そしてそっくりそのまま、一日という季語がある。一月一日のことである。そして、二日、三日、四日…なんと七日(もちろん一月の七日のことだ)まで日付そのものが季語なのだ。
 さらに、一月一日を過ぎ

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クリスマスの怪談本

クリスマスの怪談本

 日本だと夏が怪談の季節だが英国は冬が怪談の季節らしい。
 みんなで暖炉を囲みながら一つずつ怪談を語って行くそうだ。
日本の百物語とちょっと似ている。
 考えてみるも生命力に満ちあふれ若々しく緑が鮮やかな夏よりも、枯れ木と雪で覆われた寒々しい冬のほうがおどろおどろしい死の世界に近いイメージではなかろうか。
 英国ではクリスマスの時期に怪談本が刊行される風習があるそうだ。傑作選まででているぐらいだ。

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