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「私はパソコン講師ではない!!」昔に経験したことのある仕事の話…相変わらず不器用だが、自分なりに奮闘した話②

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その後も、オジサマ同士でパソコンができる人とできない人の間で色々あった。

私もパソコンを教えるにあたり、うまく教えられずイライラして、先輩方なのに、ついキツイ口調で言ってしまったりしたので、気持ちは分かるが、他部署に聞こえるように言うイヤミを聞くのは辛かった。

そこで、「〇〇さんはパソコンの勉強をよくしてらして、パソコンを分解したりして研究熱心で、私はスゴイことだと思うし、尊敬します。…ただやはり得意不得意というものが人にはあると思うんです。▢▢さんが不得意なのを見て、歯がゆいのは分かるんですが、私も一生懸命▢▢さんにやる気を失わないように教えるように頑張りますので、どうか温かく見守ってあげてもらえませんか?」と私は頭を90度より下げてお願いした。

それ以上〇〇さんは言わなかった。それ以降、黙ってくれていた。ただただ有り難かった。

私は▢▢さんに、私が言ったことをノートに書いてもらい、分からなくなったらすぐに聞かずに、一度それを見てから、それでも分からなかったら聞いて下さいと言って、そのようにしてもらった。

▢▢さんはたまにはすぐに聞いてこられることもあったが、コツコツノートに書いては見るを繰り返し、遂にノートを2冊完成させた!最終的には苦手でゆっくりながらも、一定程度はできるようになられた。顔にも自信がついた感じに見えた。

「よく、頑張られましたね!さすがです。私も嬉しいです!」
「らびっとさんのお陰や。ありがとう。」

▢▢さんは、退職する日まで、何度も私にお茶等ごちそうしてくださった。

「▢▢さん、こんなにして頂けるようなことは何もしてないので、申し訳ないです。私は確かに教えて差し上げましたが、頑張ってあそこまでできるようになったのは▢▢さんの努力の賜物ですよ。」
「ええんや。アンタのお陰で今があるんやから。」と仰った。

若い時でも苦手なものに対して努力をするというのは、とてもエネルギーがいるし、大変だ。それが定年間近の年齢の人がいくら仕事上とはいえ、取り組むことは簡単なことではないと、今、歳を取った自分も当時以上に思う。

▢▢さんが努力されている様子は、他人事ではなく、私にも学びとなったのである。

また▢▢さんには、色々と話を聞いてもらったり、アドバイスをもらったりして、私も▢▢さんに救われたことがいっぱいあって、その存在にどれだけ助けられたか分からない。

その後、定年になった▢▢さんは笑顔で、退職された。

しばらく年賀状のやり取りをしていたが、▢▢さんから来なくなったので、それっきりになり、その後どうされているかはわからない。でもずっとお元気でいらしてほしいと、今もずっと思っている。

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私より3回り歳上の☆☆さんもパソコンに精通はしていないが、興味があるし、努力を重ねていらっしゃった。

昔は頑固で怖い存在だったそうだが、私が出会った時には丸くなって、いつも一緒に笑って話せる人になっていた。…実際の祖父よりだいぶんお若いが、「おじいちゃん」のように慕っており、そのように呼んでしまったこともあり、上司に怒られたこともある。

☆☆さんは「ワシも、らびっとさんのようにパソコンが早く打てたらええのになぁ…らびっとさんの手と交換して欲しい。」と仰ってくださった。

しかも家で、エクセルを使って、自分の持ってる本のタイトルを入力し、管理するようにしている最中だという。その上、ちょっとした日記をパソコンを使って書いてると仰った。

「何て書いたんですか?」
「らびっとがナニナニした。ナニナニと言ったと書いとる!!」
「え~、続き教えて下さいよ。」
「それはアカン!」
「もう!」

そして2人で「ワハハハハ!」と言って笑っていた。

この方も私が「それ、おかしいやろ!」と思うことがほぼ一緒だった。自ら悪口を言う人ではなかったが、「昔のワシやったら、『こら!何しとんじゃ!!』って言うたるとこやねんけどな。」とよく仰っていた。

そんな☆☆さんから「らびっとさ~ん、ちょっと助けてくれ~!」と呼ばれると、私も行ける時はすぐに駆けつけた。

どうやらあるフォルダから、別のフォルダにデータを移動させたいとのことだった。

今ならもっといい方法があるかもしれないが、当時の私のやり方で、分からない人が分かるように教えるにはどうしたらいいか、私なりに考えた。

「☆☆さん、例えばね、☆☆さんのお弁当箱に私のお弁当から卵焼きが欲しいなぁと思ったとするじゃないですか。そしたら両方のお弁当箱を開けないと、何が入ってるか分からないし、☆☆さんの所に持ってこれないじゃないですか。で、この作業が、お弁当箱を開ける方法で、2つのフォルダの中を見るんですよ。それで私のお弁当箱から卵焼き…つまりこの欲しいと思っていらっしゃるデータを右クリック押したまま、☆☆さんのお弁当箱へ行って指を離すんですよ。この右クリック押したまま動かすのが、まぁ言うとお箸で私の弁当箱から卵焼きを☆☆さんのお弁当箱へ移すという行為に当たるんですけど。分かりますかね?もう一回やってみましょう!」

と説明しながら、実演をしていると、隣の部署の女性陣から拍手をされた。

「聞いてるだけで、見てないけど、何を教えてるのかすぐに分かりました!分かりやすくて、説明が上手ですね。」と口々に言われた。
「あ、聞いていらっしゃいました?恥ずかしいな…でも聞くだけで何の説明か分かって頂けたなら、うまく☆☆さんに伝わるかもしれませんね。」と言って、皆で笑った。

そうして、☆☆さんも定年が来て、退職されてしまった。▢▢さん同様、とても寂しかった。

その後、最近人づてにお亡くなりになったと聞いた。年賀状のやり取りが途絶えているので、どうされてるかとは思っていたが、亡くなったなんて…とショックだった。

この場を借りて、御冥福を心よりお祈りさせて頂きたい。

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前述の方々が退職前の話に戻るが、そのうち、大規模な他部署と協力して行う仕事が発生し、遠くの事務所で仕事をしばらくすることになった。

オジサマ達は相変わらずで、殆ど仕事にならないので、Z上司が手足となる人が欲しいと更に上の上司に掛け合い、私も動員された。

そこで以前「らびっとさんの部署よりマシです。」と言った後輩の上司も来ていて、声をかけられた。

「らびっとさん、ようこんな人達と毎日仕事してますな。僕やったらようしませんわ。」とあの超クセ・・・のある上司に言われた。
「う~ん…まぁ、ねぇ…気持ち、分かって頂けます?」
「気の毒としか言いようがない。」

そんな同情をもらいながら、朝から晩遅くまでひたすら働いた。

Z上司はねぎらってくれたが、私の本来の希望を叶えるためとはいえ、とんでもないことを言われて、またテンションが下がった。それは頑張って働いた甲斐を感じられない内容であった。

「どこまで心身削って頑張ったらええねん!もう、知らんわ!」と心の中で呆れていた。

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そんなことが続き、私なりに精一杯頑張ってるが、しんどいと思う状況は続いた。

ある日の昼食時に、長期研修に行っていた同僚と同じ席になった。ちなみに彼は年度末ギリギリに帰ってきていたので、うちの部署の隣で次の異動まで手伝っていたのである。

「ここええか?」と言われ、
「ええで。久しぶりやな。研修どうやったん?」と言うと、
「おう、ホンマやな。…ところでお前、ようあんな所で仕事しとるなぁ…俺やったらようせんわ!」と言われた。
「分かってくれる?」と言って、私は声を立てずに号泣してしまった。
「分かったから、泣くなや!皆、言わへんだけで、分かっとると思うで。」
「ホンマに?ありがとう。ちょっと救われたし、元気になれたわ。」と実際同僚に感謝した。

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そんなある日、肩を落として歩いていると、入社当時からお世話になっていた上司とすれ違った。

落ち込んでる私を見て、何か思ったのか、
「らびっとさん、あともうちょっと待って。そしたらきっと良いことがあると思うから。」
「え…。ホンマですか?」
「うん、今はそれしか言われへんけど、もうちょっと待ってて。」と言われた。
「…分かりました。」

何のことか全く分からなかったが、そうなればいいなと思いながら歩き続けた。
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すると、異動発表の時期になり、ややこしい人は徐々にいなくなり、やっと頼りになりそうな上司が異動で来られ、私が遂に資格を生かした勉強なり、仕事ができるような体制に整ったのである。異動後、数年経っていた。

このことがあの「ちょっと、待ってて。」と言ったことなのだろう。

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「もうちょっと待ってて」と言った上司には、以前、

らびっとさん、人は言うほど見てないもんだよ。自分が頑張ってると思ってても、周りの7割がそれを理解してくれてるかどうか分からないもんだよ。人にはその程度にしか伝わらないと思ってたほうがいいよ。」と言われたことがあり、落ち込んだことがある。

でも「周りの7割の人には自分の頑張りが理解されない」位の気持ちで、自分との根比べで頑張ってたら、絶対とは言えないし、いつどうなるとも言えないが、「見てくれる人は見てくれている」ことが分かった。

勿論ここに書ききれてないことや、その後の苦労もある。

しかし、もし仕事に行き詰まった時は、こういう風になったケースもあると、少しでも希望を持って、コツコツと頑張ってほしいと思い、今回記した。何がどの程度お役に立てるか分からないが、少しでも参考になると、私も嬉しい。

またいつか、こういった話を書くかもしれないなと、おぼろげながらに思っている。

▽就活奮闘記を書いた記事はこちら


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